グローワイヤー特性に優れた難燃PBT材料の開発について

2009年9月29日

ポリプラスチックス株式会社
ウィンテックポリマー株式会社



ポリプラスチックス株式会社 (社長:後藤 昇、本社:東京都港区) およびウィンテックポリマー株式会社(社長:関田 隆一、本社:東京都港区)は、新たな難燃化技術と弊社独自の高度なコンパウンド技術を組み合わせることにより、PBT樹脂としては世界で初めて注1、新たなIEC規格注2の全ての推奨厚みに対応したグローワイヤー注3特性を有する難燃PBT材料 DURANEX(R) 330GWを開発することに成功しました。今回開発したDURANEX(R) 330GWを使用することによって、お客様では部品の肉厚および形状に関係なくグローワイヤー着火試験(GWT)が免除となり費用と開発時間の効率が上がると考えています。

1.背景
電子部品における耐火性の規格として、UL (Underwriter's Laboratories Inc.)の定めるUL94規格が広く知られています。この評価法では試験片にバーナーからの直火を接触させ、燃焼性を評価します。一方、火災の発生原因には直火起因と電気的発火起因があることから、近年では電気・電子部品における電気的発火起因に主眼を置いた耐火安全性要求が急速に高まっていました。
このような背景から、2001年に国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission, 通称IEC)の耐火性規格が大幅に強化され改訂されました。この規格は、事実上発火しない材料を要求するきわめて厳しい耐火性規格です。この安全規格の改訂に伴い、欧米の家電メーカーでは電子部品の耐グローワイヤー性の要求が急速に高まりつつありますが、PBT (ポリブチレンテレフタレート)でこの規格に適合するには従来の難燃化技術の延長では不可能と考えられていました。
2.概要
当社は、保有する高度な難燃化技術をベースに新たな難燃化技術をプラスし、さらに高度なコンパウンド技術を組み合わせることにより、極めて優秀なグローワイヤー特性を有する難燃PBT材料 DURANEX(R) 330GWを開発することに成功しました注4DURANEX(R) 330GWを用いれば、部品の肉厚に制限が無く、形状に無関係にグローワイヤー着火試験(GWT)が免除となります。
3.今後の展開
昨今、電機機器の安全性に対する市場での見方が厳しくなってきており、IECの安全規格の改訂を参考として社内の耐火安全規格を見直す家電メーカーも増えてきています。このため、今後の日本市場でも、厳しい耐火安全規格が求められる可能性があり、グローワイヤー特性に優れる材料の需要の拡大も見込まれています。
このような中で、当社はこれらニーズにも的確に対応し、電気・電子部品における電気的発火事故の防止に貢献していきます。

注1: 世界で初めて
黒着色、自然色で推奨全厚み(0.75、1.5、3.0mm)にてドイツの認証機関VDEの試験でGWITが775°C以上の結果となった。このことは、2009年8月31日現在、弊社調べでは、PBT樹脂で330GWが世界で初めて達成したと考えられる。
注2: 新たなIEC規格
新たなIEC規格とは白物家電の安全性規格であるIEC60335-1規格 第4版である。この規格では白物家電において使用者が立ち会わない状況で動作する機器の部品で、通常の操作で0.2Aを超える電流が流れる接続部を支持している絶縁材料部品、および接続部から3mm以内の距離にある絶縁材料部品に対して次のグローワイヤー特性が要求される。
すなわち、これら部品を構成する材料にはグローワイヤー特性として、GWFI(Glow-wire Flammability Index)が850°C以上であること、かつGWIT(Glow-wire Ignition Temperature)が775°C以上であることが要求される。この規格の特徴として、この要件を満たす材料で構成される部品・製品ではグローワイヤー着火試験(GWT)が免除となることから、GWITに優れる材料の市場要求は極めて高い。
注3:グローワイヤー試験
GWITの試験方法は、IEC60695-2-13規格に規定されている。GWITは30秒間のグローワイヤー(赤熱棒)との接触で着火しない最高温度(25°C刻み)に25°Cを加えた値で示す。試験片の推奨厚みは0.75, 1.5, 3.0mmの3種類で、合格した厚みに応じて最終製品に適用される肉厚に制限がある。したがって、3つの推奨厚みの全てに合格した材料を用いれば、部品の肉厚に制限が無くなり、部品の形状に無関係にグローワイヤー着火試験(GWT)が免除となる。
注4:グローワイヤー特性に優れたPBT樹脂の開発
ドイツの認証機関VDEによるGWIT試験では、DURANEX(R) 330GWは推奨厚み0.75, 1.5, 3.0mmの全ての厚みでIEC60335-1のGWIT要求値である775°C以上を満たす結果となった。したがってDURANEX(R) 330GWでリレー、スイッチ、コネクター等の電子部品を構成すると、最終製品の肉厚に制限が無くなり、製品の形状に無関係にVDEでのグローワイヤー着火試験(GWT)が免除となり、IEC60335-1の耐火性に合格することになる。また、CTI (Comparative Tracking Index) も250V以上と優れた値を示すことから、近年高まっている電気火災安全性要求に高度に対応する。さらに、UL94難燃性も0.32mmの厚みでV-0となる実力を併せ持つ。


(詳細)ウィンテックポリマー株式会社 「ジュラネックス®」 製品概要ページへ


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