大型導光板専用電気式成形機を開発


2002年1月29日 ニュースリリース
日精樹脂工業(株)は、このほど、液晶ディスプレイに使用される大型導光板専用の電気式射出成形機を開発、導光板専用金型とセットで、本格的な受注を2月から開始する。

導光板とは、液晶ディスプレイ(LCD)内で光を液晶に導くバックライトユニット(照明装置)の内部に使用されている部品のことで、現在、携帯電話やカーナビゲーション等の小型(1〜8インチ)からノート型パソコン等の大型(9〜15インチ)まで幅広く用いられている。今後は、その用途の拡大と共に、表面形態の特殊加工(グラデーション等)、軽量化(板厚を薄くする)、高精度・高品質化が要求されている。

日精は、これまで、油圧式の導光板専用成形機を手掛けており、その技術ノウハウを基に、新たに電気式の専用成形機と共に、製品精度を維持するために重要な専用金型を開発したものである。

今回の電気式専用機は、大型ノート型パソコン用導光板(12〜15インチ)の成形に最適な型締力460トン(4508kN)、射出体積403cm3であり、当社の電気式としては最大の型締力である。また、ノート型パソコン用導光板専用機としても業界最大の型締力である。

本成形機の最大特長は、ノート型パソコンの液晶ディスプレイ用に使用されている14〜15インチの大型鏡面仕上げ導光板の成形に関し、従来50秒から70秒要していた成形時間を30秒以下というハイサイクルで成形できることである。

本成形機は、特に導光板の品質向上を実現するため、(1) 射出機構と型締機構は駆動用サーボモータにボールネジとサーボモータを直結したセンタードライブ方式を使用している。(2) スクリュ、加熱筒の材質、形状、温度制御等の独自設計によって、成形材料(樹脂)を最適な状態に保ち、製品の均一化を図っている。(3) 射出充填時の低速領域・高速領域での安定性を向上させることで大型導光板の内部ひずみの低減を図っている。(4) 独自な型締圧縮機構を使用し、高応答性による精密制御で高転写性を発揮する。などの技術的な特長を有している。
さらに、油圧式成形機に比べて35〜60%の省エネルギー効果を発揮する。

また、導光板専用成形機として射出機構と型締機構に独自の工夫を施している。
 射出機構は、
(1) 2個のサーボモータを使用した完全同期式とすることで、射出速度250mm/秒、射出圧力249MPaの高速充填仕様とし、大型導光板の軽量化、高品質化に対応している。
(2) 特殊デザインと表面超平滑加工および特殊処理を施した導光板専用のスクリュとノズルを使用することで、樹脂の均一可塑化、滞留防止、付着防止を実現している。
(3) 材料落下口にステンレススリーブを組み付け、溶融樹脂から発生する腐食性ガス対応、コンタミ(汚れ)防止対応を施している。
(4) 加熱筒5点・加熱筒ヘッド2点・ノズル1点をPID(注1)+SSR(注2)制御、加熱筒後部にセラミックヒータ採用の特殊温度制御仕様とし、樹脂温度の安定化を図っている。

 型締機構は、
(1) センタードライブ方式を使用することで、型締圧縮動作の高応答を可能にしている。
(2) ダイプレートを高剛性(電気式汎用機に対して50%アップ)かつ高精度仕様にして、ダイプレートの変形を極力小さくし、バリ・偏肉の防止、転写の均一化、金型保護に対応している。
(3) 可動盤下のスライド部に特殊機構を組み付け、ダイプレートの平行度精度をアップすることで金型に無理のかからない金型開閉動作を実現し、スムーズな圧縮動作を可能にしている。
(4) 固定盤のノズルタッチ位置をセンターとその上方200mmの2位置対応にすることで、ホットランナ金型(注3)、コールドランナ金型(注4)双方とも製品のセンターレイアウトを可能にしている。

なお、本機は、金型に応じて、12から15インチまでの大型導光板の成形を可能としており、さらに、クサビ型や平面型の断面形状、表面形態の片面・両面グラデーション加工(ドット、V溝の模様)にも対応できる。

価格は、成形機本体が3,500万円、金型については導光板のサイズや取り数、形状、表面形態などによって異なるので、個々に見積もる。
年間約20台の販売を見込んでいる。
導光板専用機の主な仕様
 スクリュ径 50mm
 射出体積 403cm3
 射出率 490cm3/s
 型締ストローク 550mm
 使用金型厚 275〜550mm
 最大型開距離 1100mm
 タイバー間隔 (H)735×(V)735mm
 機械寸法 (L)7.3×(W)1.9×(H)2.3m
(注1) PID:比例(P)/積分(I)/微分(D)の3つの動作を組み合わせ、安定が早くオーバーシュートも抑えられる制御方法

(注2) SSR:ソリッドステートリレー、半導体を使った無接点リレー

(注3) ホットランナ金型:金型内のスプル、ランナ(製品までの樹脂の流路)の部分を加熱保温し、その中にある樹脂を常に溶融状態に保つ様にした金型で、成形品だけを冷却して取り出す金型。

(注4) コールドランナ金型:一般的な金型。製品までの樹脂の流路であるスプル、ランナを製品と同様に金型内で冷却し、製品と同時に取り出しを行う金型。

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