プラスチゾル用新素材、アクリルパウダーの発売について

2001.01.15

三菱レイヨン株式会社は、機能性コポリマー事業の一環として、アクリルゾル(注 1) の主原料として好適な新素材、アクリルパウダーを世界に先駆けて商業化、 2000年5月より本格販売を開始しました。
現在の供給能力は1000トン/年規模ですが、2003年度に5000トン、 2005年には1万トンを目標に増強を検討しています

1.開発の経緯
プラスチゾル(注2)については、現在PVC(注3)系があらゆる分野にて主流となっており、建築内壁材(壁紙)、軟質シート類、各種成形材料など幅広い用 途を背景に、年間14万トンの需要があると言われています。しかしながら、昨今では一部の分野において、アクリル系を含む他素材への要求が高くなっています。
当社は、約10年前から、アクリル系ゾル材の組成に関する基礎研究をスタート し、樹脂製造に係わる重合方式の選択の後、当社独自のモノマー設計並びにポリマー化技術を駆使する事で、現行のPVC系と同等以上の性能発現を可能とする新規 アクリルパウダーの完成に至ったものです。
本材料は従来のPVC系の課題である、低温成膜性(注4)、耐熱性、耐候性等 が向上しているため、低温化等プロセスの合理化までを含め、更なる展開の拡大化が期待されます

2.トヨタ自動車の協力を得て自動車用アンダーコート塗料およびボディシーラー用途を開発
このような経緯の中、約5年前より自動車用アンダーコート材用途、ボディシーラー(注5)用途を重点に、本格的な商品開発を推進してきました。現状のPVC ゾル材の代替に足る物性確保に留まらず、関連メーカーとの取組を強化し、薄膜塗装技術などにも傾注した結果、課題であったコスト面での競争力も大幅に向上しま した。
自動車用アンダーコート、ボディシーラーの国内市場は6万トン(パウダー換算1万5千トン)(注6)あると推定されます。今後の同分野の伸長にあわせ、万全な供給体制を構築してまいります。

3.タイルカーペットのバッキング材の開発
タイルカーペット用バッキング材(裏糊材)は、現在、大半がPVCゾル材が原料になっており、年間1万トン以上の需要があるといわれています。当社は、アク リルパウダーの一用途として、アクリル系バッキング材を開発しました。当社子会社の三菱バーリントン株式会社のカーペット製造工程において、従来のバッキング 工程を変えることなく同素材を利用することを検討しています。
当社は、アクリル樹脂モノマーで世界第4位の生産規模をもち、アクリルをコア とした事業チェーンの強化を目指しています。アクリルダウンストリーム事業の充実強化の一策として、当社の技術並びに商品開発力を充分に発揮し、各ユーザー企 業が目標とする工程合理化や環境対応策に対し、積極的な貢献をしていきます。


****本件についてのお問い合わせ****

三菱レイヨン株式会社 広報・IR室 03-5495-3100
【脚注】
(注1) アクリルゾル
  アクリル系ポリマーを主成分とするプラスチゾルの一種。
(注2) プラスチゾル 
  高分子ポリマー(パウダー)を希釈材で適正粘度に調整し、必要によりフィラーなどを添加した流動性の有る配合物で、厚膜塗装に好適。また、各種シート、成形材用にも有用な材料。
(注3) PVC
  ポリ塩化ビニル 
(注4) 低温成膜性
  60度程度から溶融し始め100度程度で成膜が可能。 アクリルゾルは、PVCよりも50度程度の低温化が可能である。 
(注5) アンダーコート材、ボディーシーラー
  (別紙 「自動車用の要求性能」参照)  
(注6) 日本国内における自動車生産台数から、当社が独自に概算推定したもの。



以上

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