プラスチック表面処理技術と材料

プラスチック表面処理技術と材料

(2000年『プラスチックハードコート材料 』普及版)

税込価格 2,940円(本体2,800円+税5%) 出版社 株式会社 シーエムシー出版
監修 発刊日 2005年10月
体裁 A5判・222ページ ISBNコード 4-88231-867-9
Cコード C3043 商品コード B0760

刊行にあたって

プラスチックは、日常生活に欠かせない素材として使用されている。その分野も、自動車や電気・電子、建築・住宅などの工業用途から、日用雑貨品などの一般用途まで非常に多岐にわたる。それはプラスチックの持つ、軽量、成形の容易さなどの長所により、幅広い分野で用途開発が進められてきたためである。他方、ガラスや金属に比べて傷つき易い、耐薬品性・耐候性に乏しいなどの短所があるが、それを補うために表面改質として行われるのが、ハードコート処理である。

現在ではほぼ全てのプラスチック部品がハードコートされているといっても過言ではない。さらに、製品デザインの複雑化、軽量化が進む時代のトレンドを考えると、今後ますますプラスチック部品の需要は高まり、ハードコート使用量も伸びていくことが予想される。また、ハードコートの技術も日々進歩しており、単に表面硬度を高める用途だけではなく、製品のニーズに従って帯電防止性、防曇性など付加機能を備えるようになってきている。こういった新たなハードコートの機能開発により、さらにプラスチック部品が拡大することが考えられる。

本書では、プラスチックのハードコートに限定して、材料や使用技術についてまとめた。特にいままでのコーティング技術に関する書籍ではあまり詳しく解説されてこなかった材料にも重点をおき、役に立つ情報をまとめた。 なお、本書は、2000年に『プラスチックハードコート材料』として刊行されました。普及版を刊行するにあたり、記述内容は当時のままであり、加筆などの手は加えておりませんので、ご了承ください。

2005年9月(株)シーエムシー出版 編集部

著者一覧

佐藤 三男
三菱レイヨン(株) 機能化学品事業部 担当部長
大原 昇
藤倉化成(株) コーティング事業部 技術部 部長
山谷 正明
信越化学工業(株) シリコーン電子材料技術研究所 第1部 開発室  室長
西川 昭
JSR(株) 筑波研究所 主任研究員
佐々木 裕
東亞合成(株) オキセタンプロジェクト
宇加地 孝志
JSR(株) 筑波研究所 主任研究員 (現)JSR(株) 筑波研究所 所長
矢澤 哲夫
通産省 大阪工業技術研究所 機能性ガラス研究室長 (現)兵庫県立大学 大学院工学研究科 教授
市川 好男
(株)日板研究所 代表取締役
長澤 紳一郎
筒中プラスチック工業(株) 関東研究所
阿部 修
(株)ニコン・エシロール R&D エグゼキュティブスタッフ
庄司 敏博
大日本インキ化学工業(株) 記録材料技術本部 主任研究員
上田 充紀
大日精化工業(株) 開発事業部 EB・UV開発室 課長代理 (現)大日精化工業(株) コート材技術本部 EB・UV課 課長代理

(執筆者の所属は、注記以外は2000年当時のものです。)

目次

総論 ハードコート材料について佐藤三男

  • 1. はじめに
  • 2. 表面硬さと評価方法
  • 3. ハードコート材料について
  • 4. 機能性ハードコート
  • 4.1 耐候性
  • 4.2 帯電防止性
  • 4.3 防曇性
  • 4.4 反射防止性
  • 4.5 難焦性
  • 5. 用途展開
  • 6. おわりに

第1編 ハードコート材料と機能

第1章 有機系

  • 1. アクリレート系大原 昇
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 紫外線硬化塗料とは
  • 1.3 配合の基礎
  • 1.4 光開始剤
  • 1.4.1 アセトフェノン系
  • 1.4.2 ベンゾインエーテル系
  • 1.4.3 ベンゾフェノン系
  • 1.4.4 チオキサントン系
  • 1.4.5 特殊開始剤系
  • 1.4.6 増感剤
  • 1.5 樹脂原料
  • 1.5.1 光重合性アクリルモノマー
  • 1.5.2 光重合性プレポリマー
  • 1.5.3 特殊モノマー
  • 1.5.4 その他
  • 1.6 その他の塗料系
  • 2. シリコーン系山谷 正明
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 ゾル-ゲル法の原理
  • 2.3 シロキサン結合
  • 2.4 シリコーンレジンの形態
  • 2.5 シリコーンハードコート剤の原料
  • 2.5.1 金属アルコキシド
  • 2.5.2 有機金属化合物
  • 2.5.3 無機酸化物微粒子
  • 2.5.4 硬化用触媒
  • 2.5.5 その他の材料
  • 2.6 シラノール基の特徴とその制御
  • 2.6.1 加水分解
  • 2.6.2 シラノール基の特徴
  • 2.6.3 シラノール基の制御
  • 2.7 硬化被膜特性及び用途
  • 2.8 プライマー
  • 2.9 新規展開
  • 2.9.1 保存安定性良好な新規な材料
  • 2.9.2 UV硬化システム
  • 2.10 おわりに
  • 3. 含フッ素系コーティング材西川 昭
  • 3.1 はじめに
  • 3.2 フッ素系化合物の特徴
  • 3.2.1 フッ素原子の特徴
  • 3.2.2 耐熱性、耐候性
  • 3.2.3 低屈折率
  • 3.2.4 低誘電率
  • 3.2.5 撥水撥油、非粘着性
  • 3.3 フッ素系コーティング材の種類
  • 3.3.1 フルオロオレフィン系ポリマー
  • 3.3.2 含フッ素アクリル系
  • 3.4 JSR「オプスター」
  • 3.4.1 反射防止膜材料
  • 3.4.2 反射防止膜の原理
  • 3.4.3 「オプスター」の特徴
  • 3.4.4 オプスターJNシリーズ
  • 3.4.5 オプスターJMシリーズ
  • 3.4.6 高屈折率薄膜コート材料JN7102
  • 3.4.7 反射防止膜としての性能
  • 3.4.8 用途例
  • 3.4.9 防湿膜としての性能
  • 3.4.10 今後の展開
  • 3.5 おわりに
  • 4. オキセタン化合物の光カチオン硬化型材料への応用佐々木 裕
  • 4.1 はじめに
  • 4.2 オキセタン化合物の特性
  • 4.2.1 オキセタン化合物の反応性
  • 4.2.2 オキセタン化合物の分子設計
  • 4.3 光カチオン硬化型材料への応用
  • 4.3.1 オキセタン材料
  • 4.3.2 オキセタン材料と脂環式エポキシとの配合
  • 4.3.3 新規オキセタン材料
  • 4.4 おわりに

第2章 有機・無機ハイブリッドハードコート材

  • 1. 有機・無機ハイブリッド宇加地 孝志
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 ハイブリッド化の試み
  • 1.3 ハイブリッド体への光硬化性付与
  • 1.4 デソライトUV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材の特性
  • 1.5 応用と今後の展開
  • 2. シリカ系有機高分子分子分散ハードコート剤矢澤 哲夫
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 ゾルゲル法
  • 2.3 分子分散
  • 2.4 ハードコート剤の開発
  • 2.5 おわりに

第3章 無機系ハードコート剤市川 好男

  • 1. はじめに
  • 2. 無機系ハードコート剤の種類とその性状
  • 2.1 アルコキシシラン系コート剤
  • 2.2 アルカリケイ酸塩
  • 3. 塗装方法
  • 3.1 下地処理
  • 3.2 塗装
  • 3.3 硬化
  • 4. 塗膜の物性
  • 5. 用途

第2編 応用技術

第1章 ポリカーボネートシートへのハードコーティング技術と建築材料分野への展開長澤 紳一郎

  • 1. はじめに
  • 2. ハードコート開発の経緯
  • 2.1 PC樹脂の特徴
  • 2.2 耐候性の改良
  • 2.3 PCの建築・住設分野への定着
  • 2.4 ハードコーティングPC板開発の経緯
  • 2.4.1 アクリル系ハードコートの開発
  • 2.4.2 シリコーンハードコートの開発
  • 3. シリコーンハードコートPC EC 100 XX
  • 3.1 EC 100 XXの製造方法
  • 3.2 EC 100 XXの性能
  • 3.3 EC 100 XXの加工性
  • 3.4 EC 100 XXの用途と今後の展開
  • 4. PC耐候ハードコート材料の今後の展開

第2章 車両用ヘッドランプレンズ他自動車材料大原 昇

  • 1. はじめに
  • 2. ヘッドランプレンズ用ハードコートに要求される性能
  • 2.1 塗装工程の概略
  • 2.2 耐候性付与技術
  • 2.3 耐擦傷性の付与技術
  • 2.4 溶剤の選定
  • 2.5 その他
  • 3. その他の応用例
  • 3.1 自動車内装部品の応用例
  • 3.2 自動車外装部品の応用例
  • 3.3 ハードコート以外の応用例
  • 4. 今後の課題

第3章 眼鏡レンズ用ハードコート材料阿部 修

  • 1. はじめに
  • 2. ハードコート材料の種類
  • 3. ハードコート材料とゾルゲル法
  • 4. シリコーン系ハードコート材料の組成
  • 5. ハードコート液の調製
  • 6. ハードコートの塗布方法
  • 7. シリコーン系ハードコートの硬化時の反応
  • 8. シリコーン系高屈折率ハードコート
  • 9. UV硬化型ハードコート
  • 10. 眼鏡用ハードコートの今後の展開

第4章 光ディスク用ハードコート剤について庄司 敏博

  • 1. はじめに
  • 2. 光ディスクに使用される紫外線硬化型樹脂
  • 3. 光ディスクの製造工程
  • 4. 光ディスク用コート剤に要求される特性
  • 5. 光ディスク用ハードコート材への付加的要求
  • 6. 光ディスク用ハードコート剤の材料設計
  • 7. SD-715のUV硬化について
  • 8. おわりに

第5章 OA・情報機器上田 充紀

  • 1. はじめに
  • 2. フィルムのハードコート処理
  • 3. ハードコートの要求物性
  • 4. フィルムの用途例
  • 4.1 ソーラーフィルム
  • 4.2 ホワイトボード
  • 4.3 タッチパネル
  • 4.4 LCD(液晶ディスプレイ)
  • 4.5 CRT
  • 5. 塗料の組成
  • 5.1 オリゴマー、モノマー
  • 5.2 光重合開始剤
  • 5.3 添加剤、他
  • 6. 塗工および硬化
  • 6.1 塗工
  • 6.2 紫外線(UV)照射
  • 7. 今後の課題
  • 8. おわりに

第6章 成型品大原 昇

  • 1. はじめに
  • 2. 家電製品
  • 2.1 全面パネル
  • 2.2 CRTカバー
  • 2.3 ビデオの撮影用ライト
  • 3. 携帯電話
  • 3.1 色物塗料とハードコートの組み合わせ
  • 3.2 色物紫外線塗料
  • 3.3 キーシート
  • 4. 日用雑貨品
  • 4.1 時計
  • 4.2 ルーバー
  • 4.3 ダウンスポット
  • 4.4 「願い星」、「叶い星」
  • 4.5 靴底
  • 5. 自動車部品
  • 5.1 リフレクター
  • 5.2 ラジオボタン
  • 5.3 シフトレバーカバー
  • 6. スポーツ用品
  • 6.1 ゴーグル
  • 7. 化粧品
  • 7.1 コンパクト
  • 7.2 ボトル
  • 7.3 ポリエチレンチューブ

第3編 市場

市場編への序

第1章 PVC床コーティング

  • 1. 用途市場
  • 2. UV硬化型PVC床コーティング
  • 2.1 市場動向
  • 2.2 価格
  • 2.3 メーカーと製品

第2章 フィルムコーティング

  • 1. 用途市場
  • 2. UV光ディスクコーティング市場
  • 3. メーカーと製品

第3章 樹脂ハードコート、メタライズベースコート

  • 1. 用途市場
  • 2. UVフィルムコーティング、UVメタライズアンダーコート
  • 3. メーカーと製品

第4章 光ディスクコーティング

  • 1. 用途市場
  • 2. UV光ディスクコーティング市場
  • 3. メーカーと製品

第5章 ディスクプレイ材料へのコーティング

  • 1. PDP
  • 1.1 PDP市場
  • 1.2 PDPで使用されるUV硬化技術
  • 2. LCD
  • 2.1 LCD市場
  • 2.2 LCDで使用されるUV硬化技術