刊行にあたって
プラスチックは、日常生活に欠かせない素材として使用されている。その分野も、自動車や電気・電子、建築・住宅などの工業用途から、日用雑貨品などの一般用途まで非常に多岐にわたる。それはプラスチックの持つ、軽量、成形の容易さなどの長所により、幅広い分野で用途開発が進められてきたためである。他方、ガラスや金属に比べて傷つき易い、耐薬品性・耐候性に乏しいなどの短所があるが、それを補うために表面改質として行われるのが、ハードコート処理である。
現在ではほぼ全てのプラスチック部品がハードコートされているといっても過言ではない。さらに、製品デザインの複雑化、軽量化が進む時代のトレンドを考えると、今後ますますプラスチック部品の需要は高まり、ハードコート使用量も伸びていくことが予想される。また、ハードコートの技術も日々進歩しており、単に表面硬度を高める用途だけではなく、製品のニーズに従って帯電防止性、防曇性など付加機能を備えるようになってきている。こういった新たなハードコートの機能開発により、さらにプラスチック部品が拡大することが考えられる。
本書では、プラスチックのハードコートに限定して、材料や使用技術についてまとめた。特にいままでのコーティング技術に関する書籍ではあまり詳しく解説されてこなかった材料にも重点をおき、役に立つ情報をまとめた。 なお、本書は、2000年に『プラスチックハードコート材料』として刊行されました。普及版を刊行するにあたり、記述内容は当時のままであり、加筆などの手は加えておりませんので、ご了承ください。
2005年9月(株)シーエムシー出版 編集部