刊行にあたって
ポリイミドはエレクトロニクスを中心に不可欠な材料として広く使われている。現在市販されている有機材料では最も優れた耐熱性を持つものであり、いわばスーパーエンプラの頂点に立つ材料といえる。汎用樹脂であるPEやPVCからポリイミドまで、ポリマーの値段と使われている量との関係を考えてみる。この関係は、正しくはピラミッドになるべきであるが、頂点のポリイミドが異常に大きな使用量を誇っている。つまり、過剰スペック的なポリイミドをどんどん皆が使っているといえる。逆にいえば、ポリイミドを使えば、要求スペックをクリヤーできる材料を簡単に造れるということである。この秘密は、ニ酸無水物とジアミンという簡単なモノマーから合成できるために、化学構造の品揃えが豊富にできるというところにある。(中略)
本書ではまず、ポリイミドを理解するのに必要な基本的な化学と物理を解説し、さらに新しい材料の紹介を行った。特に本書の最後に、中国ポリイミド事情を賀飛峰氏に執筆いただいた。中国のエレクトロニクスの発展を鑑みれば、ポリイミドが中国でどうなっているかという分析は読者の皆様にとって貴重な情報になると確信している。
(巻頭句より抜粋)
2006年8月 柿本雅明