刊行にあたって
1973年の液晶ディスプレイ(LCD)を用いた電卓等の商品化に始まったLCD技術開発の歴史は、これまでほぼ10年おきに革命的な出来事が起こっているといわれている。
2003年はLCDにとってのカラーテレビ元年ともいわれる年となり、LCD産業の最終的な目標とも言える家庭用テレビ市場へとその用途を広げるにいたった。
現在、世界的な地上波テレビ放送のディジタル化の流れともあいまってブラウン管テレビの買換需要が急速に高まっており、2009年度におけるLCDテレビの世界市場規模は1億台を突破すると予想されている。
このような現状において、LCDテレビ原価の60%を占めるといわれているLCDパネルの製造企業への市場からの価格低減圧力は極めて厳しくなってきており、製造ガラスパネル基板の大型化や革新的なパネル製造技術の開発努力が日夜行われている。
LCDパネルにおいては、その製造プロセスに関係する企業がPDP等の他のフラットパネルに比べて多岐にわたっており、その製造技術革新には多くの企業との総合的な取り組みが必要となっている。
現在日本においては、LCDパネルの最終製品を扱う川下産業に比べて製造装置や部材等を取り扱う川上産業が世界的に強く、それらの川上産業を取り込んだ技術革新が製造コスト削減に必須であるに強く、それらの川上産業を取り込んだ技術革新が製造コスト削減に必須である。
『液晶ディスプレイ構成材料と最新技術』は、上述した部材産業の重要性をかんがみ、LCDパネル構成部材を中心として主要な液晶表示モードをも網羅した最新技術を紹介している。
各項目の執筆に当たっては、その分野の第一線でご活躍されている研究者の方々にお願いしており、今後のLCD関連技術開発に本書が大きな参考になるものと確信している。
2006年10月 東京農工大学 飯村靖文