刊行にあたって
近年、環境汚染防止に関してPRTR(環境汚染物質・移動登録)の法規制化や、環境管理システムISO14000取得など、VOC排出抑制の流れも加速しており2004年5月26日に公布されたVOC規制法(大気汚染防止法の一部を改正する法律)の概要が明らかになってきており、環境に対する規制が強くなってきつつある。
製品の塗装は、工業製品の付加価値を高める重要な工程であるが、塗料中に含まれるVOC(揮発性有機物質)や廃水の処理は極めて厄介な問題である。水系塗料でも廃水処理ばかりでなく、VOCも含有しているので排気処理も必要である。
粉体塗料は究極の環境対応塗料といわれ、VOCを全く含まないので、排気処理はもちろん廃水処理もあまり必要としない。このように粉体塗料・塗装への期待が強まっている今日この頃である。
わが国には、粉体塗料に関する基本的な成書としては粉体協刊行の「粉体塗装技術要覧」があるのみである。本書は1999年にその当時の粉体塗料・塗装の最新技術動向を「粉体塗料の開発と応用」という題名で刊行し好評を博した。
しかし、粉体塗料・塗装の進歩は目覚しく内容が若干古くなったこともあり、今回、内容も新たに「パウダーコーティングの開発と展望」と題し、現時点での最新情報を取り入れて刊行する運びとなった。
現在、わが国で活躍している第一線の技術者及び大学の先生方がそれぞれの専門分野について最新の情報を記載しており、現状および将来展望について余すところがない。
現在、粉体塗料や塗装に関わっておられるメーカー、販売店、塗装業者はもとより、環境適応塗装を検討されている企業、研究機関が求めておられる要望に応えることができるものと自負をしている。
2006年2月 大西和彦