トライボロジーの最新技術と応用Advanced Tribology and Applications |
| 株式会社シーエムシー出版 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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適切な潤滑により摩擦・摩耗を制御し、省エネルギー・省資源さらに環境負荷低減を実現するトライボロジーは、まさに21世紀における効率化の技術と言えるであろう。機器の小型化・軽量化も省資源・省エネルギーに貢献するが、ここでもトライボロジー技術の役割は大きい。さらに、機械装置の信頼性、安全性、寿命にもトライボロジーが深くかかわっている。本書は、トライボロジー技術の発展に欠かすことができない潤滑油とコーティングについて、基礎から最新の技術と応用まで各分野の専門家がまとめたものである。
トライボロジーにおける諸問題を解決し、新たな技術に貢献する手段は、設計(Design)、材料(Material)および潤滑(Lubricant)と言われてきた。現実には、設計が済んだ機械や機構部品に合わせて材料や潤滑剤開発が行われることが多い。機械や装置が故障無く稼動するのが当然と見られ、言わば材料や潤滑剤は縁の下の力持ちとしての役割であった。しかし、新たな材料や潤滑剤の開発によって実用化された機構部品や機械は数多くある。たとえば、自動車のデファレンシャルギヤに用いられているハイポイドギヤは、極圧添加剤を添加した潤滑油の開発によって実用化できた。この技術により、自動車は車高が低くなり、高速で安定した走行が可能になったのである。このように、材料や潤滑油の開発によって実現したトライボロジー技術は枚挙にいとまがない。 近年、ナノスケールの構造を制御した各種コーティングなどの新規材料や新規潤滑油あるいは潤滑油の構成成分が開発され、トライボロジー技術を革新的に変えることが可能になってきた。すなわち、材料や潤滑剤がリードしてトライボロジーが変わりつつある。また、21世紀の技術として効率化の技術、環境適合型の技術にトライボロジーが果たす役割は大きい。とくに、コーティングをはじめとする新規な材料や新規な潤滑剤によるトライボロジー技術へのインパクトは大きいと期待される。本書では、今後活躍する潤滑技術に関して、潤滑油編、コーティング編および応用編に分けて、現在得られているホットな研究成果から将来への夢も含めて、それぞれ専門家より紹介して頂いた。本書に書かれた技術が10年後にも活躍していることを期待している。 なお、本書は1988年発行の岡部平八郎編「高機能潤滑剤の技術と市場」およびその普及版である2001年発行の「高機能潤滑剤の開発と応用」に続いて、潤滑剤と材料の最新情報と将来についてまとめたものである。技術の進歩に伴いトライボロジーへの社会的ニーズはより強くなり、また新規な潤滑剤成分やコーティングがシーズとして利用されることを待っている。前書に加えて本書が多くのトライボロジストおよびトライボロジーを必要とする技術者・研究者にとって開発と研究のヒントになれば幸いである。 (「はじめに」より)
2007年5月 森誠之、三宅正二郎 |
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