刊行にあたって
今日のエネルギー資源問題は、石油をはじめ食料、飼料など様々な分野において急激な価格上昇を招いている。一方、地球温暖化対策として、クリーンエネルギーの開発も、待ったなしの緊急課題となっている。そのため、化石燃料の代替えとなり、環境負荷の少ないクリーンエネルギーの開発と実用化への期待はますます高まっている。
太陽光発電は、その有望な一つである。現在、主流となっているSi系太陽電池は、高コスト、原料確保問題を抱えることから、次世代の太陽電池として、原料・製造コストが安価である色素増感太陽電池の本格実用化が期待されている。また、色素増感太陽電池の特徴を生かしたセルの大型化、フィルム化などにより、従来にない用途も開発されつつある。
本書は、この色素増感太陽電池(グレッツェルセル)に注目し、網羅した国内関連公報をベースに特許面からの精査、解析により特許および技術動向の全貌を明らかにし、さまざまな課題とともに今後の展開を探ったものである。
基本構成は、色素増感太陽電池の技術的特長と開発経緯、海外特許情報、構成材料の開発動向、国内特許公報の動向(技術・出願人)、そして国内特許公報一覧からなる。対象とした構成材料と技術は、光電極(光半導体)、増感色素、電荷輸送層、基板、透明導電層、対極、集電電極、セル中間層、セパレータ、スペーサ、封止材、セル周辺部材、セル構造、セル製造方法である。
色素増感太陽電池やその構成材料に係わる方々、またこれらに注目される関連産業の方々に本書のご購読をお勧めします。
2003年8月 (株)シーエムシー出版 編集部