ハイサイクル対応の大型成形機用高速取出ロボットを商品化


2005.8.18

 ハートフルテクノロジーを標榜する射出成形機用取出ロボット専業メーカーの(株)ユーシン精機は、今年4月に発売を開始したWEBLINER(ウェブライナー)「RA/RAII−α(アルファ)ハイサイクルシリーズ」として、新たに大型成形機用高速取出ロボット「RAII−α−1300S―HS」を商品化、9月24日から幕張メッセで開催される「IPF(国際プラスチックフェア)2005」に出展し、同時に受注を開始する。

RAII−α−1300S―HS  今回商品化した「RAII−α−1300S―HS」は、現在、好調な自動車関連をはじめ家電や住宅関連などの大型成形品の取出し用に開発したもので、射出成形機の型締力1000トン〜1600トン対応の昇降軸2段式であるため天井の低い工場にも適している。

 本機は、機体本体の高剛性化により、高い位置決め精度を要する後工程装置との円滑な連動、高速動作による成形サイクルの短縮など付加価値の高い生産に威力を発揮する。特に、生産効率に直接影響する取出しタイムの短縮に的を絞り、引抜と昇降の両駆動軸に高出力モータを使用した取出しタイムハイサイクルタイプを標準仕様とし、横行軸を含む3軸ハイサイクルタイプをオプション仕様として目的に応じて選択できる機種構成としている点が特長である。

 取出しスピードは、取出しタイムハイサイクルタイプが取出しドライサイクルタイム(注1)1.30秒、全ドライサイクルタイム(注2)11.75秒で、従来機種の「VNXII―1300S−HS」と比較して、取出しドライサイクルで17.2%、全ドライサイクルタイムで5.3%のタイム短縮を実現している。また、3軸ハイサイクルタイプは、全ドライサイクルタイムが8. 80秒で、同仕様の「VNXII―1300S−HS」より14.1%タイム短縮となる。

 本機の制御装置には、E-touch Web(Eタッチウェブ)コントローラを標準装備している。同コントローラはインターネットやLANを介しての生産情報のやりとりや、遠隔地からの生産管理を前提に設計された装置である。一世代前の機種にあたるNETLINER(ネットライナー)シリーズから既に取出ロボットのネットワーク化による生産の集中管理という技術は確立されていたが、LANを介したネットワークから更に発展し、インターネットを利用した生産の遠隔地からの監視・管理に一層重点をおいている。

E-touch Webの主な特長は次の通りである。

1.ネットワーク接続用の通信ポートを標準装備。
2.WindowsをOSとして柔軟な拡張性を実現。
1 ネットワークによるデータ転送機能
ネットワークを介し、既存のティーチングデータを別のE−touch Webコントローラ搭載の機体にダイレクトにコピーすることが可能(コンパクトフラッシュなど記録媒体の介在は不要)。またメール送信機能で各種データや情報を、事務所や別の機体に送信することも可能。
1 リモート操作機能
リモートソフトの組み込みによって、インターネット経由でティーチン グデータの取得や、動作プログラムの更新が可能。将来的にはユーシン精機のサービスセンターからプログラム内容を確認するなど、操作・不具合の復旧支援を行える拡張性のある機能。
1 メモ機能
ペン入力による手書きのメモを残すことが可能。またUSBカメラ(オプション)を接続することで、成形品の画像データも取り込める。取り込んだ画像の上に「注意事項」や「申し送り事項」をメモして、ティーチングデータとともに保存することもできる。
1 カメラフォン機能
USBカメラを装着することで、インターネットを介したインターフォンとして成形現場と管理事務所の映像付通話が可能。成形品の状態や不具合発生時の状況を画像で確認するなどの利用法がある。これも将来的には、ユーシン精機のサービスセンターとの通話による操作支援・不具合の復旧支援を行える拡張性のある機能。
3. 取出ロボットの動作プログラムをユーザーにて簡単に追加・変更が可能な「リードスルーティーチング」ソフトを標準装備。

価格は本体定価(消費税別)で、取出しタイムハイサイクルタイプが750万円、3軸ハイサイクルタイプが780万円。
販売目標は、年間約20台を見込んでいる。


<補足説明>
(注1)取出しドライサイクル
 取出ロボット動作の中で、ロボットア−ムが成形機の金型内に進入し、製品を把持して取り出す工程に要する時間。ドライサイクルは、実際に成形機と連動し、製品を取り出すのではなく、取出ロボット単体で同様の動作をシミュレ−トした際の所要サイクルタイムを指す。ドライサイクル算出のもととなる動作距離(ストローク)、タイマ(各所での待ち時間)はユーシン社内の基準による。
(注2)全ドライサイクル
 取出ロボットの待機位置から取出し動作、製品の所定位置への開放動作、再び待機位置へ戻るまでの一連の全動作に要する時間。ドライサイクルは、取出ロボット単体で同様の動作をシミュレートした際の所要サイクルタイムを指す。ドライサイクル算出のもととなる動作距離(ストローク)、タイマ(各所での待ち時間)はユーシン社内の基準による。




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