はじめに
中国経済は、1978年に改革・開放政策を打ち出して以来、大量の外国資本と先進的技術の導入で大きく発展してきた。2006年の国内総生産(GDP)は、20兆9,400億元に達し前年比10.7%の伸びであった。廉価な労働力と海外企業に対する各種優遇政策を武器として発展を遂げてきた。しかし外国資本の依存度が高い為、コア技術の蓄積を拡大することができていない。また地域間による経済格差、都市と農村部の所得格差、環境問題、知的財産権の問題等、急速な経済発展による多くのひずみと構造的問題を抱えている。
2006年2月「国家中長期科学技術発展計画綱要(2006年~2020年)」が発表され、「自主創新能力の向上を主務とし、創新型国家の建設を目標とする」と科学技術の方向性を示した。2006年3月「国民経済・社会発展第十一次五ヵ年規画綱要(2006年~2010年)」が発展計画綱要をもとに制定された。数値目標として2010年のR&D経費支出がGDPに占める割合は2%以上とするとしている。2006年のR&D経費支出は2,943億元、GDP比1.4%であった。また、科学技術部と教育部の目標達成の為の支援制度として、国家実験室の設置、科学技術研究所や高等教育機関などにおける研究環境改善、産官学連携強化、国家認定企業研究センターに対する支援、中小企業の自主技術革新活動への支援が進められている。
中国の科学技術事業が自主創新を総合的に推進する政策が示された中で、コア技術の開発、特許の獲得が今後の国際的競争力を左右していく。外資企業との連携により外部技術を導入し、それに付加価値をつけた独自のコア技術に進化させていくものと見られる。今後は日系企業も量の効率を求めることから質の向上をめざした新しいアライアンスの形態が求められ、中国の研究機関との積極的な協力・連携が必要とされる。
本研究機関要覧は、中国の科学技術研究機関の施設概要を明示している。中国科学院、中国工程院、中国科学技術部に所属する研究所と教育部管轄の直轄重点大学、主要高等教育機関の研究施設を対象としている。各研究機関所属の重点実験室、研究センター名を翻訳(和文)し中国における研究機関の把握のための基礎データを提供している。
2008年1月 株式会社 富士グローバルネットワーク