はじめに
このたび弊社では感光性材料およびその応用製品について調査を行い、定期刊行資料『2010 光機能材料・製品市場の全貌 No.1』としてまとめました。『光機能材料・製品市場の全貌』は2008年版より上巻と下巻の2分冊となり、上巻では感光性材料とその応用製品を調査対象とし、下巻では透明・屈折材料および光学製品を調査対象としました。上巻および下巻の調査対象は光機能という点では共通しているものの直接的な関連性には乏しいことから、2010年版ではタイトルを見直し、上巻、下巻をそれぞれNo.1、No.2として発刊することとしました。No.1については2009年版における上巻の調査テーマをそのまま引継ぎ、感光性材料とその応用製品を調査対象としています。
当調査資料では、感光性材料として応用製品の原料となる各種モノマー、オリゴマーおよび添加剤を取り上げています。また応用製品として、エレクトロニクス分野の製造工程で用いられる各種レジスト、薄膜材料、テープおよび産業用インキ、塗料・コーティング剤、接着剤などを取り上げています。
「感光性材料編」では、ラジカル重合系の原料である各種アクリル系モノマーやオリゴマーに加え、カチオン重合系の原料である脂環式エポキシ、ラジカル重合とカチオン重合の双方に対応するハイブリッドモノマー、各種レジストの原料となるフォトレジスト用ポリマーやアダマンタン誘導体、さらに添加剤として不可欠である光開始剤や光酸発生剤など、感光性材料や添加剤をほぼ網羅しています。
「応用製品編」ではフォトリソ工程で用いられる各種レジストを16品目、半導体やFPD、プリント基板の製造プロセスで用いられるテープや薄膜材料、電極などの電子材料を9品目、自動車や携帯電話機、フィルム、光ディスク、建材などに使用されているUV硬化型塗料・コーティングおよびインキを10品目、接着剤やシール材などを3品目取り上げています。
当調査資料では上記の品目について、市場規模やその将来予測、メーカーシェア、用途別の販売量、地域別販売量、価格動向、技術開発動向、ユーザー動向などを詳しく調査、レポートしています。
感光性材料はエレクトロニクス産業において広く採用されており、中国をはじめとした新興国の経済成長、半導体やLCDをはじめとしたエレクトロニクス製品の生産拡大を背景に、その市場は毎年金額にして前年比10%~20%の高い成長率を示してきました。しかし2008年、米国の金融危機に端を発する世界的な景気悪化の影響を受け、エレクトロニクス製品は軒並み生産縮小し、感光性材料や応用製品についてもその多くの製品が販売量を減らしました。
これらの製品は世界の工場と言われる中国を始めとしたアジア地域における消費が需要の多くを占めています。中国は毎年高い経済成長率を示し、感光性材料や応用製品などの工業製品市場も大きく成長していました。しかし、それは米国など先進諸国に輸出するための製品を中国で生産していたためであり、景気悪化により米国の消費が冷え込むことで中国における工業材料の需要も急激に減退しました。
しかし、エレクトロニクス製品の大幅な生産縮小は、消費低迷による販売不振を警戒したメーカーによる過度な在庫圧縮という面もあり、中国の内需拡大政策などにより2009年4月頃からはエレクトロニクス製品の生産は上向きました。またSamsung電子、LG電子など韓国電機メーカーの販売が好調であったこともあり、中国や韓国を中心にエレクトロニクス産業にも回復の兆しが見え、感光性材料市場も回復に向かいつつあります。
ただ、高い成長率を誇ってきたLCD市場の成熟や北米を中心とした自動車産業の衰退など、感光性材料の需要を支えた産業もややその勢いを失っています。一方で、タッチパネルの採用拡大や3Dディスプレイの登場、太陽電池、LEDの普及など、近年、成長著しい分野は感光性材料にとっても有望市場となります。さらに地球温暖化が深刻化する中で、その使用において熱を必要としない感光性材料はCO2の排出量削減に貢献する材料としても期待されます。
このように感光性材料およびその応用製品を取り巻く環境が激変する中で、弊社では感光性材料関連業界においてつぶさにフィールド調査を行い、その最新情報を当調査資料にまとめました。当資料が関連企業や関係者の皆様にとって市場分析や事業推進の一助となり、さらには関連産業の発展に繋がることを切に願います。
最後に、当調査資料の作成にあたり各関連業界の方々から多大なるご協力を賜りました。末筆ながらこの場をお借りして厚くお礼申し上げます。
2010年1月
株式会社 富士経済
東京マーケティング本部
ケミカル&マテリアルグループ