はじめに
このたび弊社ではエンプラ(エンジニアリングプラスチックス)市場の調査を行い、定期刊行資料『2010年 エンプラ市場の展望とグローバル戦略』としてまとめました。2010年版では汎用エンプラ、スーパーエンプラに加えて、自動車産業やエレクトロニクス産業などでエンプラと同様に高機能材料として用いられている機能性樹脂5種類(PMMA、透明ABS、耐熱ABS、COP,COC、PEN)を新たに調査品目に追加しています。
エンプラは自動車、エレクトロニクス製品などの生産拡大や中国をはじめとした新興国の経済成長に支えられ、市場の拡大が続いていました。しかし2008年、米国における金融危機に端を発する世界的な景気悪化の影響を受け、自動車産業やエレクトロニクス産業など多くの産業で世界的に生産が縮小されました。それに連動し工業材料として広く用いられているエンプラも2008年から2009年にかけて大幅に需要が減退しました。
中国における景気対策などを背景に2009年第2四半期頃から自動車やエレクトロニクス製品の生産は回復しはじめエンプラの需要についても徐々に戻りはじめたものの、2009年第1四半期の販売不振が大きく響き、2009年通年のエンプラの販売量は前年に対して軒並み二桁の減少となりました。しかし経済成長を続ける新興国での旺盛な需要などに支えられ、2010年のエンプラ販売量は増加に転じる見込みです。またCO2排出による地球温暖化が深刻化しハイブリッド自動車や電気自動車、太陽電池、LEDなど省エネルギーに貢献する製品の普及が進む中で、エンプラについても新たな需要が創出されています。
新興国での旺盛な需要や新規需要開拓などによりエンプラは再び成長軌道に乗りつつあります。ただし、これまでエンプラ市場を支えていた欧米や日本などの先進国市場は成熟期にあり、各種産業の生産拠点集積や経済成長と共にエンプラの需要拡大が続く中国をはじめとした新興国が今後のエンプラ市場を牽引していくことが予想されます。
こうした変化の中、各エンプラメーカーは新興国での生産拡大や販売強化など、生産および販売体制の再構築を進めています。また各種エンプラについて、新興国での需要拡大を背景に汎用化するもの、高機能性を活かしてニッチな市場を開拓するもの、またその両方が求められるものなど、その販売戦略も多様化しています。
このようなエンプラ市場の変化の波を捉えるべく、当資料では各種エンプラについて世界の市場規模推移や日本の市場規模推移に加えアジアの市場規模推移を調査しています。
また世界のエンプラ市場を、日本、アジア、欧米などの地域別また用途別に分析しています。さらに自動車やエレクトロニクスなど分野別での分析も行っています。
そして各種エンプラについて参入メーカーの生産動向や販売動向、また原料動向や価格動向、技術開発動向、他の材料との競合状況などについて調査しています。
成長軌道に戻る一方で大きく変化するエンプラの市場環境の中で、当資料が関連企業や関係者の皆様にとって市場分析や事業推進の一助となり、さらにはエンプラ市場の発展に繋がることを切に願います。
最後に、当調査資料作成にあたり関連業界の方々から多大なるご協力を賜りました。末筆ながら、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
2010年7月
株式会社 富士経済
東京マーケティング本部
ケミカル&マテリアルグループ