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2000.05.08 |
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化学工業日報社はシンガポール支局開設を記念して、国際コンファレンス「アジア・ケミカル・フォーラム2001」を4月19、20の両日、現地で開催した。コンファレンスは第一日がインターネットを活用したe-ビジネスの現状と展望、第二日はアジアを中心とした化学工業の将来展望をテーマに設定した。聴講者はシンガポールを中心に東南アジアからだけにとどまらず、主要化学企業の総務・広報担当者で構成した視察団メンバーなど日本からの参加もあって、百名を超えた。2日間のコンファレンスの概要を2回に分けて紹介する。 第1日はe-ビジネスを中心にした構成。米国のナスダック総合指数の急激な値下がりに象徴されるように、ネットバブルの崩壊もあって一時期のようなe-ビジネスに対す熱気は冷めているが、化学企業、総合商社、取引サイト運営企業、コンサルティング企業などから9テーマの講演が行われた。講演の基調は、ITブームは去ったものの実体経済と融合して、効率化や競争力強化に不可欠なツールになっていることに集約できそうだ。 リーダーシップが成功のカギ 最初に講演したダウ・ケミカルは、化学メーカーでSAPを初めて導入するなどERP(業務統合パッケージ)構築に積極的な企業として知られる。90年代初めからIT化を推進する一方で、社内の意識改革、ワークプロセスの見直しに取り組んできた。これによって、顧客の抱える問題を適切に対応するCRM(カスタマー・リレーション・マネジメント)の重要性を確認すると同時に、「社内の強力なリーダーシップがない限り、改革は成功しない」(スポット・カテトプラグラン ユーザー対応プロジェクトリーダー)ことがIT投資が成功するカギだと強調した。 ただ、まだ売り上げに占める電子商取引の比率は低く、目標は現在の3倍程度に高め、売り上げの10−15%を掲げる。一方で、毎年2億ドル程度のIT投資を行うなど「工場建設費用より投資額は大きくなりがち。それでもリターンは確実に見込める」(同)と企業規模を武器に投資継続を宣言、参加者に衝撃を与えた。 代表的なeマーケットプレース企業のケムコネクトは、スポット取引にとどまらず、3ヶ月から1年程度の取り引きにも対応しており、芳香族などの汎用化学品では約2万の会員、400−600の製品を対象にしている。eコマースによって製品価格の低下は確実に進むと予想されるが、同社では15%の値下がりがあったと指摘している。会場からは日本のeコマースの現状に対する質問が寄せられたが、欧米に比較して遅れている原因は独特の商習慣という見方が示された。日本の化学産業の生き残りにはeコマースへの対応は不可欠と指摘した。 コーディネーターとしての新価値 日本の商習慣に大きな影響を持つのが総合商社の存在だが、丸紅はエンジニアリングプラスチックに対象を絞った「エンプラネット」を開設している。しかし、サイトの運営は必ずしも順調ではなく、カタログ情報と変わらないメーカーの一方的な情報提供に終わった。この反省に基づいてインターネットの双方向性という強みを生かせるように、4月にサイトのリニューアルを行った。 eコマースの普及は総合商社・専門商社不要論につながる可能性があるが、「ネットワークコーディネーターとしての商社の価値を高め、新たな付加価値を生み出す」(呉常源丸紅エンプラネットチームリーダー)と人間関係に依存してきた商社ビジネスをインターネットと結びつけ、新しいナレッジマネジメントを展開する。同様に世界に幅広く販売網を築き上げている総合商社の存在は「ネットバブルが崩壊した今こそバーチャルとリアルの世界を融合させることができる」(中村克之三井物産eビジネス開発担当ゼネラルマネジャー)。参加者の共通認識は、ニューエコノミーが化学産業などオールドエコノミーと合体・融合することで効率化、付加価値、コスト競争力の向上の実現を目指すべきということになろう。 我慢比べ、体力勝負も必要に そのためにもサプライチェーンマネジメント(SCM)の概念が重要性を高めており、コンサルティング企業の活用、活躍の余地もありそうだ。とはいいながらeコマースは始まったばかりで、先行投資の時期が続くことは否定できない。マーケットプレイス企業のみならず、プラント建設費以上の投資も覚悟せざるを得ないe-ビジネスで成功するために、我慢比べ・体力勝負の試練が続くことは確かなようだ。 (佐藤真次郎) |
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(化学工業日報) |
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