ポリカーボネート(PC)の市場動向
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■用途動向

分野 用途例
光メディア CD−ROM、CD-R/RW、DVD、ミニディスクなど
電気・電子機器 携帯電話(ボタン、液晶レンズカバー、ハウジング)、液晶フレーム、パソコンハウジング、電源コネクタなど
自動車・産業機器 ヘッドランプ、インナーレンズ、ドアハンドル、バンパ、フェンダ、ルーフレール、インパネ、クラスタ、コンソールボックス、カメラ・VTRカメラの機構部品、電動工具など
医療・保安 人工透析器、三方活栓、目薬ケースなど
シート・フィルム 銘板、カーポートの屋根、液晶用拡散・反射フィルム、飲料水タンクなど
雑貨・その他 電池のパックケース、パチンコ部品、消火器ケースなど


●PCはその優れた特徴により、電気・電子、自動車、精密機器、医療、雑貨などの幅広い分野で使用されている。PCの長所として透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、自己消火性(難燃性)がある。汎用エンプラのなかでは,バランスのとれた性質を持っており,広範囲の産業用途にその需要を拡大してきた。

●光メディア分野ではPCの透明性が活かされ、CD、CD-R、DVD、MDなどの記憶媒体が主要用途で、電気・電子・OA分野では、例えば携帯電話のボタン、液晶レンズカバー、ハウジングにPCが採用される。また、ポーダブル機器は落下衝撃に強いことが要求され、ノート型パソコンハウジングにはPC/ABSが採用されている。さらに、OA機器ハウジングではクリスタル部分が多くなったことによりPC、透明ABSなどの採用が定着していると言える。

●シート・フィルム用途は、グレージング用途が主体である。環境安全問題からアクリルやPVCの代替が進み、銘板やカーポートの屋根に需要を伸ばした。最近では、液晶用拡散・反射フィルムなどの用途開発も進んでいる。

●自動車用途ではヘッドランプを中心にドアハンドル、ホイールキャップ、インナーレンズなど、産業機器用途ではカメラ、VTRカメラ、電動工具等の機構部品に採用されている。

●中国では、飲料水タンクにPCが使用されている。

■市場規模推移と地域別需要(1998〜2002年:推定)

●世界市場規模推移
年次

1998

1999

2000

2001

2002(予)

販売量(t)

1,389,000

1,514,000

1,650,000

1,499,000

1,604,000

前年比(%)

109.0

109.0

90.9

107.0

出展:富士キメラ総研「ケミカルレポート」2002年7/25号


2001年のPC世界市場は約150万トン、金額ベースでは4870億円規模と推定される。2000年の10%弱の成長ペースが、2001年以降のIT不況により一転10%減となった。


●アジア地域の国別需要(2001年)
地域

内需(t)

分野別推計需要量:上位

光メディア

電気電子

シート
フィルム

自動車

日本

247,000

30,000

85,000

47,000

25,000

中国

270,000

34,000

120,000

50,000

3,400

台湾

167,000

128,000

15,000

10,000

400

韓国

61,000

18,000

20,000

8,000

4,300

タイ

20,000

6,000

10,000

3,000

700

マレーシア

16,000

4,000

7,000

2,000

600

シンガポール

13,000

4,000

4,000

2,000

0

インドネシア

3,000

2,000

200

0

400

その他

13,000

4,000

2,000

5,000

200

出典:富士経済「2002中国・アジアプラスチック市場の現状と将来展望」(2002年5月)


●中国では音楽CD、CD-ROMを中心とした光メディア需要3.4万トン、電気・電子機器向けに12万トン、自動車向けは中国自動車メーカー向けに3,400トンの需要があるものと見られる。中国は建材を中心にしたシート、様々な雑貨でも相当量の需要がある。
●台湾では光メディア分野に12.8万トンの需要があり、台湾の需要の76.6%を占める。建材を中心としたシートの需要も多いと見られる。
●韓国では自動車、電気・電子機器需要が多いものと見られる。
●タイでは日系自動車向けPC需要はほとんどなく、タイの自動車メーカー向けだけなので自動車向け需要は僅かである。


■今後の動向
<技術的課題>
●PC/ABSについては完成されたアロイと言え、特に技術的課題は残されていない。流動性、成形性の改良が目標とされる。
●ノンハロ難燃は既に課題ではなくなっているが、スポット需要向けにPC/ABSノンハロ難燃グレードにさらに透明性が要求されることがあり、PC/ABSノンハロ難燃グレードで透明性を上げることが1つの課題となる。
●OA機器シャーシに多用されるPC/ABSであるが、今後の需要の増加が見込まれるカラーレーザープリンタのシャーシは剛性、寸法安定性、寸法精度、低ソリ性の要求が高く、樹脂では性能を満たすのは難しいとされている。
●家電・OA機器のハウジング用途に、さらにコスト要求は厳しくなり、耐熱要求の低い用途においてはGF強化m−PPEへ代替される可能性もある。

<今後の見通し>
●日系、台湾ユーザーの中国への生産シフトが相次ぎ、中国のみ年率10%の伸び率が見込まれるが、日本のスペックインマーケットに対し、価格優先の中国では競争が激化しよう。
●中国も急速に加工技術を取り入れており、成形技術では日本に劣らない製品を製造、低コスト加工を実現してしまう、日系の加工メーカーにとっても脅威が続くこととなる。

■主要メーカー一覧

企業名 商品名
日本ジーイープラスチックス レキサン
バイエル マクロロン
住友ダウ カリバー、SDポリカ
帝人化成 パンライト
三菱エンジニアリングプラスチックス ユーピロン、ノバレックス、コバロイ
出光石油化学 タフロン
旭美化成 WONDERLITE
※本記事は富士経済グループ各社の独自調査により編集したものです。

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