ポリアセタール(POM)の市場動向
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■用途動向

分野

用途例

電気・電子部品 プリンタギア、キーボードシュテム、フロッピーディスクシャッター、FAX、VTR、電話機、洗濯機、タイマー、テープリール等
自動車部品 アウタードアハンドル、シートベルト部品等
ポンプ回り部品、クリップ、ファスナー、エアコンバルブ等
その他 スキー板などのスポーツ用品、スプリンクラー部品、使い捨てライター、給水機器部品、玩具部品、食品製造撹拌機の羽根、建材、サッシ、排水口受け、フォック、バックル、ジッパー、搬送機スクリューなど工場設備機器部品等

●POMは摩擦が少なく摺動性が高いためパソコンプリンタ、テープレコーダー、VTR、DVD、ファクスなどのギアプーリー、ローディング機構等に採用される。

●また、POMは摺動性のほか強度、耐疲労性にも優れるためキーボードシュテム、摺動性及び剛健を必要とするギア等にも採用される。

●フロッピーディスクのシャッターには摺動性のみが特に要求され、POMが採用されている。

●自動車部品ではPOMの強度、耐疲労性、バネ弾性、耐薬品性等の特性を活かした部品に採用される。

●POMは耐薬品性にも優れるため、給水機器部品、サッシ等の建材に採用される。建材におけるPOMの需要はまだ海外シフトは見られず日本に残っている。

●食品製造撹拌機の羽根、搬送機スクリューなど工場設備機器部品にも強度、耐疲労性、バネ弾性、耐薬品性などの点で採用される。

●ミニカー、人形などの玩具類は香港、中国での生産が多く、これら玩具類に使用されるPOMの需要も大きなものとなっている。

●スポーツ用品の生産も台湾、中国の生産が多く、スポーツ用品向けのPOMの需要も台湾、中国で多い。

●衣類のプラフォック、バックルには摺動性、バネ性などからPOMが採用されるが、生産は中国インドネシアにシフトしている。

●ビデオテープハブには耐薬品性に優れるPOMが使用されていたが、ビデオテープの低価格化が進み、PSの耐電グレードに置き換わっている。
■市場規模推移と地域別需要(1998〜2002年:推定)

●世界市場規模推移
年次

1998

1999

2000

2001

2002(予)

販売量(t)

533,000

560,000

610,000

628,000

647,000

前年比(%)

105.1

108.9

103.0

103.0

出展:富士キメラ総研「ケミカルレポート」2002年7/25号


●2001年のPC世界市場は約63万トン、金額ベースでは2070億円規模と推定される。
●国内需要はユーザの海外生産シフトによりマイナス成長であり、中国市場の拡大が全体需要を牽引するかたちで推移する。

●アジア地域の国別需要(2001年)

地域

内需(t)

分野別推計需要量

自動車部品

電気電子部品

産業機器部品

その他

日本

78,000

35,000

27,000

6,000

10,000

中国

114,000

4,000

92,900

5,400

11,700

韓国

28,000

9,000

12,000

2,200

4,800

台湾

19,000

1,000

14,300

1,600

2,100

タイ

14,000

1,000

10,500

2,500

マレーシア

14,000

1,000

10,500

2,500

インドネシア

7,600

500

5,700

1,400

シンガポール

2,100

0

1,600

 500

その他

1,100

0

900

 200

出典:富士経済「2002中国・アジアプラスチック市場の現状と将来展望」(2002年5月)


●1997年以降より活発化した複写機などの国内OA機器メーカーのアジア進出の影響で、日本の内需が減少しているので、アジアでの需給バランスについてはやや供給過剰気味に推移している。

●2001年の中国・アジアでのPOM需要は約20万トンであり、ワールドワイドのPOM需要56.8万トンのうち35.2%を占めている。

●POM需要の中心は日本から中国へ移り、中国は年5%から2桁の伸張率で需要が拡大すると見られている。

日本のPOM内需はOA機器メーカーが生産シフトしたことにより、2001年は対前年比84.8%の78,000トンとなり、2000年の92,000トンより14,000トン減少している。しかし、今後、日本では自動車燃料タンク周りのモジュール化により年2%程度の拡大が見込まれる。

●中国での需要は日本、欧米の生産拠点として年8〜10%程度で伸長することが見込まれている。

●その他の国は今後のPOM需要はほぼ横這いであると見られている。

■今後の動向
<技術的課題>
●POMが競合する樹脂は非強化PBT、PP、ABSなどであるが、機械特性、加水分解性、耐油性、摺動性などで、POMのバランスが優れている。

●自動車、建設分野では耐侯性が要求され、耐候性に対する改良グレードが求められている。

●POMは非強化グレードが日本では80%、中国アジアでは90%を占め、非強化グレードゆえの生産技術が要求される。成形部品も小さいのでPOM独特の生産高効率化技術が要求されている。

<今後の見通し>
●POMユーザーの中国への生産シフトや中国の経済成長によってPOMの需要の中心は日本から中国へと移りつつある。日本はほぼゼロ成長が見込まれるのに対し、中国のPOM需要は5%から2桁の伸びが期待されている。

●また、中国アジアではコンパウンド品は全体の10%程度であり、特殊グレードが少なく汎用グレードの比率が高い。今後も特殊グレードよりは汎用グレードの伸びが期待されている。

■主要メーカー一覧

企業名 商品名
チコナ セルコン、フォスタフォルム
ポリプラスチックス ジュラコン
デュポン デルリン
BASF ウルトラフォルム
三菱エンジニアリングプラスチックス ユピタール
旭化成 テナック
東レ アミラス
※本記事は富士経済グループ各社の独自調査により編集したものです。

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