ポリブチレンテレフタレート(PBT)の市場動向
インデックス PC市場動向へ PA6市場動向へ PA66市場動向へ POM市場動向へ m-PPE市場動向へ GF-PET市場動向へ


■用途動向

分野

用途例

自動車部品 ワイヤーハーネスコネクタ、イグニッションコイル、スイッチ、ライト部品、リレーなど
電気・電子部品他 スイッチ、コネクタ、プラグ、モーター部品等

●PBTは電気絶縁性に優れ、電装部品への需要が拡大してきたエンジニアプラスチックスである。

●自動車部品では、耐熱性、剛性、靭性、電気特性などの点でイグニッションコイル、スイッチ、ライト部品などに採用されている。

●また、PBTはV-0化でき、耐トラッキング性が良いためリレーにも採用される。

●電気、電子部品では、主に電気特性、難燃性の点でスイッチ、コネクタ、プラグ、モーター部品に採用されている。難燃規制があり、大半は難燃タイプが使用されている。

● 日本の電気・電子向けPBT需要は特殊スイッチや小型コネクタ向けなどに特化し、日本を除くアジアでは汎用スイッチやコネクタが多い傾向がある。

●PBTは無機フィラーが入ることで異方性がなくなり、低ソリ性になるので、低ソリグレードとして精度の必要なハウジングにも採用される。
●その他には事務機器、ガス、水道など各種用途がある。

■市場規模推移と地域別需要(1998〜2002年:推定)

●世界市場規模推移
年次

1998

1999

2000

2001

2002(予)

販売量(t)

384,000

419,000

458,000

416,000

453,000

前年比(%)

109.1

109.3

90.8

108.9

出展:富士キメラ総研「ケミカルレポート」2002年7/25号


●2001年のPBT世界市場は約42万トン、金額ベースでは1460億円規模と推定される。

●全体で自動車部品向けの需要が伸びており、2002年の世界市場は9%の伸び、国内需要は、海外生産シフトのため3%程度の成長にとどまる。

●アジア地域の国別需要(2001年)

地域

内需(t)

分野別推計需要量

自動車部品

電気電子部品

その他

日本

86,000

43,000

31,000

12,000

中国

33,700

3,400

28,000

2,300

韓国

12,700

3,100

8,700

900

台湾

4,900

700

3,500

700

マレーシア

4,200

1,000

3,000

200

タイ

4,000

1,100

2,600

300

インドネシア

1,600

400

900

300

シンガポール

1,000

0

800

200

その他

900

300

500

100

出典:富士経済「2002中国・アジアプラスチック市場の現状と将来展望」(2002年5月)


●アジアではPBTユーザーの海外からの生産移転が進み、2000年は対前年比115%という高い伸び率で成長し、日本を含むアジアで17.3万トン市場に拡大した。しかし、2000年11月以降はIT関連業界の需要が世界的に冷え込み、2001年は電気・電子分野向けのPBT需要が落ち込んだことにより日本を含むアジアで14.9万トン市場になった。
●地域的には、台湾のIT関連企業が中国へ生産をシフトさせている。そのため、コネクタ、電子デバイスに採用されるPBT需要も台湾から中国へと移っている。同様に中国ほど著しくないが、台湾から他の東南アジア諸国へと生産シフトが進み、台湾でのPBT需要が急速に中国、東南アジアへと移りつつある。
●2002年4月になり日本からアジアへのPBT輸出は拡大しており、アジアのPBT需要は急速に回復へと向かいつつある。

●2001年の日本のPBT内需は電気産業の需要が急速に冷え込み、電気・電子部品向けが31,000トンとなった。自動車部品向けだけが堅調な需要の伸びを維持し43,000トンとなった。


■今後の動向
<技術的課題>
●PBTはGF強化しているがゆえに外観性がm−PPEやPCほど良くなく、表面性が改良されれば需要はさらに伸びるとされる。また、PBTが採用される部品はさらに小型化、薄肉化しており、PBTの用途開発が進むにつれて、低ソリ、低変形性、高耐衝撃性、耐加水分解性、耐ヒートショック性などの要求はさらに高まる傾向にある。一般的な傾向としてこれらの要求に応えるためにPBT単独というよりもアロイ化による技術開発が進められている。

●PBTユーザーがより安い加工コストを求めて海外生産シフトしている中、材料としても低コストであることが要求されている。


<今後の見通し>
●汎用電気製品から大型ハイテク製品まで中国への生産シフトが集中している。そのため、ますますPBT需要は中国、アジアに集中、メーカーにあっても、今後、ウィンテックポリマー、三菱エンジニアリングプラスチックス、長春人造樹脂巌等でPBT生産能力増強が相次ぎ、アジアはPBT生産拠点としてのウェイトを増す見込みである。

●PBTはPAのように広範囲な用途ではなく、自動車、電気・電子の用途構成比率が高いエンジニアリングプラスチックである。そのため、用途開発が強く求められているが、単独のPBTの分野からABSやPET、PCとアロイ化を進めることで従来のABS等のマーケットで対応しきれない要求性能のある分野でPBTの需要増の期待がされている。そのため、メーカー各社はコンパウンド技術で差別化をより進めている。

■主要メーカー一覧

企業名 商品名
日本ジーイープラスチックス バロックス
ウインテックポリマー ジュラネックス
BASF ウルトラデュア
東レ トレコン
バイエル ポカン
デュポン クラスティン
カネボウ合繊 カネボウPBT
大日本インキ化学工業 プラナック
三菱エンジニアリングプラスチックス ノバデュラン
三菱レイヨン タフペットPBT
※本記事は富士経済グループ各社の独自調査により編集したものです。

マーケット情報TOPへ


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ