| ■自動車分野におけるポリアリレート(PAR)樹脂の市場概要 |
| ● |
ポリアリレート(PAR)樹脂は、二価フェノール成分と二塩基酸成分との重縮合物であるが、一般には二価フェノールと芳香族ジカルボン酸とのポリエステルとして全芳香族ポリエステル系樹脂に分類されている。
|
| ● |
PARは1975年に世界で初めてユニチカが「Uポリマー」の商品名で開発した、非結晶で透明な熱可塑性樹脂である。
|
| ● |
ポリエステル系樹脂の中では、荷重たわみ温度が175℃(U-100グレードの場合)と高い。透明性に優れ、耐クリープ性、耐衝撃性があり、難燃性、耐候性に優れたスーパーエンプラである。
|
| ● |
日本国内のPAR樹脂需要量は約2,600t(2002年)であり、その内自動車分野で1,060t(国内需要量の約41%を占有)が消費されており、自動車用途のウェイトが高いエンプラである。
|
|
| ■用途動向 |
| 用途先 |
販売量 ウェイト(%) |
主な採用部位 |
| 電装品 |
87 |
リフレクタ、ターンレンズキャップ、等 |
| 機構部品 |
13 |
ギアシュー、ドアシュー、ヒューズカバー、等 |
|
| ● |
自動車部品業界では、自動車のエレクトロニクス化や軽量化の進展に対応し、耐熱性、透明性が優れているPAR樹脂の特性を活かし、リフレクタ、ターンレンズキャップ等の電装品に、PAR樹脂が使用されている。
|
| ● |
ユニチカは、自動車部品用途をPAR樹脂の重点開拓分野と位置づけ注力していく方針である。
|
| ● |
近年、従来の汎用エンプラでは対応しにくい用途(例えば、PC樹脂では耐熱性が不足する用途)に対して、PAR樹脂が使用されている。
|
|
| ■国内市場規模推移及び予測(2002〜2006年) |
| ●市場規模推移及び予測(2002〜2006年) |
(単位:t、%) |
|
| |
2002年
|
2003年 見込 |
2004年 予測 |
2005年 予測 |
2006年 予測 |
| 販売数量 |
1,060 |
1,120 |
1,170 |
1,220 |
1,290 |
| 前年比 |
- |
105.7 |
104.5 |
104.3 |
105.7 |
|
| ● |
2002年は1,060tの実績があり、2006年に1,290tに拡大(2002年比1.22倍)する見通しである。
|
| ● |
金額ベースでは、2002年は約15億円の実績があり、2006年には約17億円に拡大すると予測している。
|
| ● |
自動車用PAR樹脂市場は、電装品用途の需要が堅調であり、2004年以降も安定した成長が見込まれている。
|
|
| ■研究開発・技術動向 |
| 団体名 |
技術開発 |
製品・技術概要 |
| ユニチカ |
シルバーストリークが少なく、透明で、耐熱変形性に優れたPAR/PCからなるアロイを開発 |
同社は、ポリアリレートとポリカーボネートから構成される樹脂組成物を使用して、シルバーストリークの発生が少なく、透明性、耐熱変形性に優れた樹脂組成物を開発した。
シルバーストリークとは、射出成形における成形不良現象であり、成形品表面に樹脂の流動方向に沿って発生する、銀白色の筋を指す。
【同樹脂組成物の用途】 自動車用途ではターンシグナルランプレンズ、ハイマウントストップランプレンズ、エクステンションリフレクター、リフレクタ等のランプ周辺部品に用いることができる。
|
| 岐阜大学 工学部、他 |
ポリアリレートの製造技術を開発※ |
同大学は、多環芳香族ジヨウ化物と芳香族ジオール化合物と一酸化炭素の加圧下で、カルボニル化重縮合反応により、ポリアリレートを高収率で製造する技術を開発した。
また、使用する触媒は、活性炭にパラジウムを担持させた固体状のPd/C触媒であるため、空気に対して高い安定性を有し、使用後にはパラジウム金属の分離回収及び再使用が容易である。
※この技術は自動車用途に限らず汎用的な技術である。
|
|
| ■参入企業とメーカーシェア(2002年) |
| メーカー名 |
販売量ウェイト(%) |
| ユニチカ |
100 |
| 合 計 |
100 |
|
| ● |
自動車用PAR樹脂市場は、ユニチカ1社が参入しており、「Uポリマー」の商品名で展開している。
|
| ● |
ユニチカは、2005年に「Uポリマー」の生産能力を増強する計画である。自動車分野、IT関連、食品等、新既用途の需要開拓の進展に対応するためである。
|
| ● |
同社・宇治工場(京都府)に新設備が完成すれば、年産5000t規模の生産設備に拡大する。
|
|
| ■今後の動向 |
| ● |
自動車用PAR樹脂市場は、電装品用途を中心に需要は堅調であり、安定した市場拡大が予測されている。
|
| ● |
生産設備の拡充は、自動車分野以外に、電気・電子部品用途の安定した成長が見込めることが要因になっている。
|
|
参考文献:「2003年 自動車用高分子材料の現状と将来展望」」 (2003年10月29日:富士キメラ総研)
|
|
|
|
|
「自動車・その他輸送機器」の用途検索へ |