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半導体素子の表面保護膜を作る工程をパッシベーション(passivation)といい、その表面保護膜をパッシベーション膜という。同膜は、半導体製造の前工程(ウェハ処理工程)の最終プロセスで使用され、外部環境からデバイスを隔離保護し、半導体素子の表面を機械的、化学的に保護している。
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| ■パッシベーション成膜(処理)における高分子部品・材料の特徴 |
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パッシベーション膜は半導体の製造プロセスにおいて、感光性ポリイミドの使用量が最も多い。他にはポリベンゾオキサゾール(PBO)、シリコーン系の樹脂材料が挙げられる。
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| ● |
ポリイミドは非感光性と感光性の2タイプに大別される。
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| ● |
非感光性ポリイミドは、液状のフォトレジスト材料を塗布し、フォトエッチングの微細加工によりパターン形成する方式に利用される。一方、感光性ポリイミドは、そのものが光に反応する材料であり、フォトレジストを使わずにパターン形成ができるため、デバイス生産の合理化に大きく貢献している。
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| ■用途動向(2002年世界需要ベース) |
| 用途名 |
販売量ウェイト(%) |
具体的用途例 |
| 半導体保護・絶縁 |
98 |
IC・LSIチップ表面保護 |
| その他 |
2 |
LCD用配向膜、層間絶縁膜 |
| 合 計 |
100 |
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主な用途は、IC、LSIチップの表面保護用であり、外部環境からの湿気等の影響による素子特性の劣化を防ぎ、半導体素子表面の安定化に寄与している。
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| ■世界市場規模推移(2002〜2006年) |
| ●市場規模推移及び予測 世界需要ベース |
(単位:t、%) |
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2002年 |
2003年 見込 |
2004年 予測 |
2005年 予測 |
2006年 予測 |
| 販売数量 |
255 |
260 |
265 |
270 |
275 |
| 前年比 |
― |
102.0 |
101.9 |
101.9 |
101.9 |
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| ● |
パッシベーション膜の世界需要は、2002年は255t(155億円)の実績であり、2006年は169億円に拡大すると推定している。
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| ● |
パッシベーション膜市場は半導体の需要動向に影響を受け易い。スピンコーターの改良による使用量削減、ウェハの12インチ化による生産ロスの低減、チップサイズの小型化等の要因によって使用量が必ずしも半導体生産量に比例しないため、当該市場は微増傾向で推移すると見ている。
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| ■採用素材動向(2002年世界需要ベース) |
| 構成部材名 |
使用樹脂 |
使用量(t) |
構成比(%) |
採用理由 |
| パッシベーション膜 |
感光性ポリイミド |
140 |
55 |
感光基を有しレジスト機能を持つ |
| 非感光性ポリイミド |
75 |
29.4 |
レジスト材使用し、エッチング工程を経てパターン形成を行う |
| PBO(ポリベンゾオキサゾール)、シリコーン系 |
40 |
15.6 |
加工性、解像度に優れる、耐熱性、電気絶縁性 |
| 合 計 |
|
255 |
100 |
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| ● |
感光性ポリイミドは感光基を取り込むことでレジスト機能を持たせているため生産工程の短縮が可能である。さらに材料価格が高価であってもトータルコストを低く抑えることが可能で、感光性へのシフトが進んでいる。
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| ■研究開発・技術動向 |
| 企業名 |
技術開発 |
開発・技術概要 |
関西 日本電気 |
半導体のパッシベーション構造とその製造方法を開発 |
従来、半導体のボンディングパッド付近のパッシベーション方法は、ポリイミド膜のエッチング時間が長くても短くてもワイヤボンディングに支障がでてくる。そのため、ポリイミド膜のエッチング工程では、エッチング時間が少ないため不良品が出やすくなる。
同社は、その問題点を解決するため、感光性ポリイミドと非感光性ポリイミドを組み合わせた新しいパッシベーション構造とその製造方法を開発した。
その解決方法は、まずカバー膜の上に非感光性ポリイミド膜を塗布し、その上に感光性ポリイミド膜を塗布する。次にボンディングパッド上の感光性ポリイミド膜を露光・現像して孔をあけ、感光性ポリイミド膜をマスクにして、非感光性ポリイミド膜をエッチングして孔をあける。次に非感光性ポリイミド膜をマスクにしてカバー膜をエッチングし、ボンディングパッドを露出させる方法が採られている。
カバー膜の上に非感光性ポリイミド膜を、その上に感光性ポリイミド膜を重ねた構造にすることにより次のメリットが得られる。非感光性ポリイミド膜のエッチングマスクに感光性ポリイミドが使えるので、フォトレジストが不要である。
非感光性ポリイミドのエッチングの際、ボンディングパッドはカバー膜で覆われているため、ボンディングパッド表面が荒れる心配がない。
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| ■参入企業とメーカーシェア(2002年世界需要ベース) |
| メーカー名 |
販売量シェア(%) |
| 日立化成デュポンマイクロシステムズ |
58 |
| 東レ |
16 |
| 住友ベークライト |
12 |
| 旭化成 |
8 |
| その他 |
6 |
| 合 計 |
100 |
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| ● |
日立化成デュポンマイクロシステムズは、日立化成工業とデュポンが折半出資して設立されたポリイミド事業の合弁会社である。同社の強みは、製品の統合と同時に製品開発に注力したため、品揃えが豊富なことである。
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| ■今後の動向 |
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パッシベーション膜市場の特徴として、半導体チップのダウンサイジングによる使用量の減少、スピンコート工程における歩留まりの向上、ウェハの12インチ化による使用量の減少、ユーザーの使用形態の変化が需要を削減する要因になっている。
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参考文献:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」 (2003年8月21日:富士キメラ総研) |
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