液晶ディスプレイ用拡散フィルムの市場動向

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液晶ディスプレイ用拡散フィルムは、液晶用バックライトユニットを構成する材料の一つであり、光を散乱・拡散させる半透明なフィルム(シート又は板)である。蛍光管からの光をLCD全面に均一に伝えるため、導光板の上に設置され、通常、プリズムシートを挟んで2枚使用されている。

■液晶ディスプレイ用拡散フィルムにおける高分子部品・材料の特徴

使用目的は、光を均一化すると同時に導光板のドットを隠す役割を持つ。

拡散フィルムのベースフィルムには、光学特性の優れたPETフィルムが用いられている。

GEアドバンスマテリアルでは、GEのPC樹脂「レキサン」を用いた拡散フィルムを開発している。

■用途動向(2002年世界需要ベース)

用途名 販売量ウェイト(%)
TFT用バックライト 97
STN用バックライト、他 3
合 計 100
出所:富士キメラ総研

TFT-LCDのバックライト用途が圧倒的に多い。拡散フィルムが搭載されている主な電子機器は、ノートパソコン、カラー携帯電話、液晶テレビが挙げられる。

従来のバックライトユニットには、拡散フィルムが通常2枚使われていたが、ユニット方式の技術開発の進展によって、ノートパソコン用は約1.5枚、モニタ用は約1.8枚、テレビ用には1.3〜1.5枚と少なくなってきており、バックライト1セット当たりに使用する拡散フィルムの枚数は減少傾向にある。

■世界市場規模推移(2002〜2006年)

●市場規模推移及び予測 世界需要ベース  (単位:千枚、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 97,800 137,600 176,500 216,700 269,500
前年比 140.7 128.3 122.8 124.4
出所:富士キメラ総研

2002年の拡散フィルム市場は9,780万枚、販売金額は103億円である。2003年は半導体、液晶関連市場の回復によって急成長を遂げている。

2006年は液晶用モニタ、液晶テレビ等の需要増が見込まれ、販売量で2億6,950万枚、販売金額は215億円(2002年比2.09倍)になると予測している。

■採用素材動向(2002年世界需要ベース)
下記の換算基準で計算すると、構成部材の材料別使用重量は以下の通りである。
構成部材名 使用樹脂/主な材料 使用量(t) 構成比(%) 採用理由
ベースフィルム PETフィルム 1,320 96.4 透明性、光学特性が優れる等。
PCフィルム 50 3.6 顧客のカスタムニーズで使用する程度。
合 計 1,370 100.0  
※約14g/枚とした重量換算。 出所:富士キメラ総研

ベースフィルムには、透明性、光学特性が優れているPETフィルムが圧倒的に使用されている。

ディスプレイ装置の大型化に伴い、熱によるたわみの問題が指摘されており、PETフィルムから耐熱性のあるPENやPESフィルム等のエンプラに代替するという見解もある。これらのエンプラフィルムは、非常にコスト高となり、代替の可能性は極めて低いと見ている。

PCフィルムは、寸法安定性、透明性等の特性が優れておりカスタム仕様で稀に用いられている。

■製品開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
帝人デュポン
フィルム
光拡散シート用フィルムを開発 近年、ノート型パソコンや省スペース型のデスクトップパソコンの普及、液晶ディスプレイの大画面化に伴い、LCD用光拡散板には新たな特性が求められている。

拡散板は、高い面輝度や広い視野角を持ち、その機能を発揮させるためには、拡散板の基材フィルムにも、従来品以上の光線透過率、光拡散性、及び光線の主軸をフィルム面と垂直方向に向ける機能が求められ、さらには、突起を付与するための樹脂ビーズとの接着性の改良が課題となっている。

同社は、高光拡散性があり、視野角を大きくできる光拡散シート用フィルムの実現を目指して、従来品より優れた光拡散性、全光線透過率を併せ持ち、可視光領域で反射率の小さいPETフィルムを開発している。同PETフィルムは、特に光拡散シート用材料に適している。拡散板の裏側面には多数個の突起が設けられ、導光板とのスティッキング現象を防止し、液晶ディスプレイの輝度ムラを抑える構造になっている。

同PETフィルムには、アクリル樹脂製の半球状ビーズがほぼ密接して接着されている。このビーズの役割は光線を拡散し、バックライトの輝度ムラを少なくするためのものである。


■参入企業とメーカーシェア(2002年世界需要ベース)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
恵和 32
SKC 28
ツジデン 27
きもと 13
合 計 100
出所:富士キメラ総研

拡散フィルム市場は恵和がトップに位置しており、次いでSKC(韓国メーカー)、ツジデンが続いている。

SKCは、韓国政府の国産化政策の支援を受けシェアを伸ばしている。(韓国市場では、100%近いシェアを占める。)

ツジデンは、以前は韓国向けにも輸出し、韓国市場で7〜8割のシェアを占めていたが、SKCが韓国市場及び台湾市場に供給し始めたことから、近年ツジデンのシェアが縮小している。

■今後の動向

液晶ディスプレイ市場は拡大傾向にあるが、コスト面で比較すると未だCRT(ブラウン管)より高価であり、液晶ディスプレイのコスト低減が一層求められている。

液晶ディスプレイの量産化が今後進展すれば、拡散フィルムの需要増はさらに期待できる。

参考文献:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2003年8月21日:富士キメラ総研)


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