| ● |
フッ素樹脂塗料は優れた耐候性により塗り替え回数の低減を実現し、ライフサイクルコストの削減に貢献できる高耐候性塗料の代表である。
|
| ● |
超高層ビルや公共性の高い大型建築物など、改修工事の困難な物件ではメンテナンスフリー期間の長い当該品が有効である。
|
| ● |
高耐候性塗料の機能以外には、塗膜表面を親水性にすることで雨筋などによる汚れを防止し、外観を保つ低汚染性塗料としても需要を拡大している。
|
| ● |
フッ素樹脂塗料は2つのタイプに分類される。1つは1967年に日本ペンウォルト社(現アトフィナ社)が、オルガノゾル系溶剤分散タイプの建築用焼付フッ素系樹脂「カイナー」として国内販売を開始した。もう1つは塗料用フッ素樹脂として代表的な旭硝子の「ルミフロン」(1982年に製品化)であり、常温乾燥型超耐候性塗料(ソリューション系溶剤可溶タイプ)が挙げられる。
|
|
| ■用途動向(2002年ベース) |
| 用途名 |
販売量 ウェイト(%) |
具体的用途例 |
| 住宅 |
68 |
屋根、壁材、サッシ、手摺、門扉・フェンス等のエクステリア、玄関ドア、各種プラスチック建材等 |
| 非住宅 |
14 |
橋梁、プラント、石油タンク、煙突、各種海洋施設、各種屋外構造物(道路標識、広告塔看板、ベンチ、水タンク、等) |
| メンテナンス |
13 |
― |
| その他 |
5 |
輸送機器(自動車、航空機、船舶等)、他 |
| 合 計 |
100 |
|
|
| ● |
フッ素樹脂塗料の用途は建築向けがメインであり市場の7割弱を占める。建築用途の中では屋根や壁材、内装材など、工場でライン塗装を行なう製品が中心となっている。次いで、橋梁や大型建築物など塗装が困難で、塗り替え回数を低減させたい物件で採用されている。
|
| ● |
コンクリートやモルタル、スレート、硬質塩化ビニル等のほか、各種塗料の表面にも塗布でき、多様な現場でのリフォーム塗料として使用されている。
|
|
| ■フッ素樹脂塗料の市場規模推移(2002〜2006年:国内販売ベース) |
|
|
| |
2002年 |
2003年 見込 |
2004年 予測 |
2005年 予測 |
2006年 予測 |
| 販売数量 |
3,400 |
3,550 |
3,700 |
3,850 |
4,000 |
| 前年比 |
― |
104.4 |
104.2 |
104.1 |
103.9 |
|
| ● |
フッ素樹脂塗料はその優れた耐候性から、メンテナンスフリーの評価が確立している。建築物の長寿命化ニーズは増加しており、ライフサイクルコストの低減に寄与する塗料として需要が増加している。
|
| ● |
2002年のフッ素樹脂塗料市場は3,400t、67億円である。2003年以降、前年比4%前後の伸び率で推移していく。2006年は77億円に拡大すると予測している。
|
| ● |
近年、建築着工件数の低迷に加え、施工コスト低減の流れから初期コストの負担が掛かる当該品は採用されにくいという側面もあり、数%の伸びに留まっている。
|
|
| ■商品開発・製品特性 |
| 企業名 |
商品開発 |
製品特性 |
| 旭硝子 |
フッ素樹脂塗料専用の洗浄剤 「ルミピカ」 |
同社はフッ素樹脂塗料「ルミフロン」ベース専用の洗浄剤「LUMIPICA -ルミピカ」をライオンと共同開発し、2002年3月から販売を開始している。 同製品は研磨剤フリーなので、塗膜表面を傷つけることなく洗浄能力を大幅に向上させている。 食品添加物を採用するなど環境に優しい中性洗浄剤であり、塗料の汚れを容易に洗い流すことができる。 |
|
| ■研究開発・技術動向 |
| 企業名 |
技術開発 |
開発・技術概要 |
| 富士ゼロックス |
高い摺動性を持つ無端ベルト、定着ベルトを開発 |
同社は、PI(ポリイミド)樹脂の持つ本来の強度を低下させずに、高い摺動性を持つ無端ベルト、定着ベルトを開発した。 無端ベルトは、物体の搬送や回転装置の駆動用途に使用される。扱いやすさやコストの面から樹脂製が好ましい。特に、耐久性と耐熱性の観点で、PI樹脂製が良好である。 同社が開発した無端ベルトは、内周面側から第1PI樹脂層と第2PI樹脂層とが設けられている。第1PI樹脂層中には固体潤滑剤が分散されている。 また、定着ベルトは、PI樹脂を用いた耐熱樹脂ベルトの表面に定着されるトナーの剥離性のため、フッ素樹脂層が設けられている。その材料はPTFE、PFA、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂が挙げられる。 PI樹脂層の表面にフッ素樹脂層を形成するには、フッ素樹脂が溶剤に不溶性であるため、フッ素樹脂の粉体を、界面活性剤を用いて水等の溶媒に分散した塗料を、PI樹脂層上に塗布した後溶媒を乾燥し、焼成して加熱溶融する方法がとられる。同社が開発した無端ベルトを用いた定着ベルトの供給先は、複写機やレーザープリンタ等の電子機器用途に適している。 |
|
| ■参入企業とメーカーシェア(2002年:国内ベース) |
| メーカー名 |
販売量シェア(%) |
| 大日本インキ化学工業 |
24 |
| 日本ペイント |
19 |
| 大日本塗料 |
16 |
| トウペ |
12 |
| 旭硝子コートアンドレジン |
11 |
| その他 |
18 |
| 合 計 |
100 |
|
| ● |
原料のフッ素樹脂を扱っている大日本インキ化学工業がトップに位置している。続く、日本ペイント、大日本塗料、トウペ、旭硝子コートアンドレジンを合わせた5社で市場の約8割を越えている。
|
|
| ■今後の動向 |
| ● |
フッ素樹脂塗料は焼付タイプのウェイトが高く、常温乾燥タイプの認知度が低いため、「フッ素樹脂塗料イコール工場塗装向け」という認識が一般的である。今後、常乾タイプの認知度が上昇していくならば、既築建造物の塗り替え需要が期待できる。
|
|
参考文献:「2003年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」 (2003年1月24日:富士キメラ総研) |
|