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太陽熱遮断塗料は、NASAがスペースシャトルのエンジン部分の氷着防止用に開発したコーティング技術を、民間のスペリア・プロダクツ社が応用・製品化した高レベルの断熱塗料であり、90%以上の熱エネルギーの進入を遮断する。日本では屋根メンテナンス会社の大高商会がスペリア社の「クールサーム」を販売したのちは、各社が類似製品の開発や販売を行なっている。
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原料にセラミックビーズを配合することで、グラスウールなど従来型断熱材と比較して 1/100以下の膜厚で同レベルの断熱性能が得られるため、室内の冷暖房の負荷低減等、省エネルギー効果を発揮している。
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| ■太陽熱遮断塗料における材料特性 |
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太陽熱遮断塗料は、揮発分 (水等の溶剤) の重量ウェイトが約45%で、塗膜形成材料(樹脂、添加剤)が55%とやや多くなっている。
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セラミック粒子のサイズや形状、中空率等の相違、粒子の配合、均一な分散技術に各社のノウハウがあり、製品の差別化ポイントになっている。セラミック粒子は、先行するクールサームの他は、中空状 (中空ガラスビース) 粒子が採用されている。
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バインダー樹脂はアクリル樹脂エマルジョンが主体であるが、他にはシリコーン樹脂(弱溶剤型)、フッ素樹脂(水溶性)も使用されている。
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| ■用途動向(2002年ベース) |
| 用途名 |
販売量ウェイト(%) |
具体的用途例 |
| 建築物(屋根等) |
75 |
工場、倉庫、体育館、冷凍庫、化学プラント、薬品タンク、畜舎、集会施設、工場・店舗・ホテル・社屋・物流センター等の屋根、壁、床、等 |
| その他 |
25 |
乗用車、バス、鉄道、船舶、飛行機、等 |
| 自動販売機、電力・ガス・熱用パイプ、タンク、ボイラー、ヒーター、タービン、コンテナ、他 |
| 合 計 |
100 |
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| ● |
太陽熱遮断塗料の供給先は工場、倉庫などの屋根や壁等が主であり、遮熱効果を必要とする用途・部位が中心である。特に工場の屋根用途は塗布面積が大きく、最大の需要ウェイトを占めている。
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| ● |
屋根に塗布するメリットは、夏場は太陽熱の遮断、冬場は暖房保温効果を挙げている。広域の冷暖房設備を導入している工場、倉庫などでは、省エネルギーの観点から評価されている。その他には一般住宅への適用、バス・電車等の車両遮熱向けなどの需要拡大が目立ってきている。
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| ■太陽熱遮断塗料の市場規模推移(2002〜2006年:国内販売ベース) |
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| 年次 |
2002年 |
2003年 見込 |
2004年 予測 |
2005年 予測 |
2006年 予測 |
| 販売数量 |
200 |
250 |
300 |
400 |
500 |
| 前年比 |
― |
125.0 |
120.0 |
133.3 |
125.0 |
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| ● |
国内では1993年に太陽熱遮断塗料が市場投入され、1996年頃に市場が立ち上がったが、PRの遅れもあり需要はさほど獲得できなかった。その後、認知度が高まり2002年には200t、4.5億円規模に拡大した。2006年は9億円に拡大すると予測している。
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| ● |
近年、工場やプラント設備、自治体向け施設等において、太陽熱遮断塗料の断熱特性が注目され、工場のISO14001取得に有利であるなど、今後も市場拡大が予測されている。
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| ■商品開発・製品特性 |
| 企業名 |
商品開発 |
製品特性 |
| 関西ペイント |
遮熱性の高い住宅屋根用塗料を開発 |
同社は住宅用屋根の表面温度の上昇を抑える遮熱塗料を開発し、2005年10月から一般住宅向けリフォーム会社に販売を開始する。 開発した「アレス屋根遮熱システム」は、遮熱性の高い顔料を配合した下塗り塗料と赤外線反射率が向上した上塗り塗料を組合わせた構成となっている。 遮熱塗料は太陽光線を効率的に反射することによって、住宅内の室温上昇を抑制できる。 |
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| ■研究開発・技術動向 |
| 企業名 |
技術開発 |
開発・技術概要 |
| 日本特殊塗料 |
遮熱効果を備えた航空機用塗料を開発 |
同社は、高い耐候性、密着性、耐水・耐油性等の塗膜物性が優れ、遮熱効果を備えた航空機用塗料を開発した。日射反射率が13%以上の着色顔料で構成される航空機用遮熱塗料である。 航空機、特にジェット機の場合、地上(気温が35℃)と、高高度の飛行中(気温が−20℃以下)との間には著しい温度差があり、短時間で繰り返される離着陸による温度変化は、塗膜劣化の大きな要因となっている。 そのため、その機体に塗装する塗料には、高耐久性が求められ、2液硬化型ポリウレタン樹脂、フッ素樹脂等の強靭で柔軟性を有する塗膜形成が必要であり、さらに金属に密着性の高い樹脂が使用されている。
そこで、塗料に遮熱性(太陽光の熱エネルギーを塗膜自身が反射する性質)を持たせることによって、塗膜の劣化作用が軽減でき、塗膜の耐久性を高めることが可能である。 また、航空機に塗布された遮熱塗料による遮熱効果は、外気温が高温になった場合、機内温度の上昇を防止できるため、航空機の省エネルギー対策に寄与する。そのため、同社は主として使用する顔料(白系顔料、赤系顔料、青系顔料等)を特定することにより、遮熱効果を発揮する航空機用塗料を開発している。 |
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| ■参入企業とメーカーシェア(2002年:国内ベース) |
| メーカー名 |
販売量シェア(%) |
| 大高商会 |
70 |
| その他(長島特殊塗料、日本ペイント、他) |
30 |
| 合 計 |
100 |
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NASAの宇宙工学がベースになっており、セラミックスを塗料に融合する技術を応用した「クールサーム」(大高商会の製品名)が海外及び国内で先行販売されており、断熱性能の信頼性が高く、大型物件も多く手掛けており、国内では7割のシェアを占めている。
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| ■今後の動向 |
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高い熱反射性を示し、室内冷暖房の大幅なコストセーブができる点が注目され、太陽熱遮断塗料に対する引き合いが急速に増加している。(初期投資費用を早期に回収できるなど、省エネルギー効果の高さが評価されている。)
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参考文献:「2003年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」 (2003年1月24日:富士キメラ総研) |
※本記事は富士経済グループ各社の独自調査により編集したものです。 |
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