| ● |
半導体関連製品の業界では、高分子材料をベースとしたコーティング材料が多く使用されている。例えば、半導体封止材はICなどのシリコンチップや電子部品チップを防塵、衝撃から保護し、外部環境の変化を防ぐことを目的としたパッケージ材料である。
|
| ● |
半導体の樹脂封止材にはトランスファモールドタイプ、ポッティングタイプ、アンダーフィルタイプに分類される。本稿ではポッティング封止材とも呼ばれている液状封止材を対象とする。
|
|
| ■液状封止材における材料特性 |
| ● |
液状封止材は樹脂の種類や剤型により、熱硬化・熱可塑、溶剤・無溶剤、一液・二液型などに分類される。
|
| ● |
液状封止材の構成材料はエポキシ樹脂が主に使用されている。必要に応じて可塑性ポリマー等の樹脂や、カップリング剤、希釈剤、難燃剤、消泡剤等の添加材が使用される。
|
| ● |
可塑性ポリマーを添加する目的は、液状封止材の可塑化、可撓化以外には、液状封止材コンパウンドの反応において粘度上昇を抑制するメリットがある。添加できる可塑性ポリマーとしては、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。
|
| ● |
熱硬化タイプの液状封止材ではエポキシ樹脂系が主流であるが、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂などを用いた製品も販売されている。
|
| ● |
例えば日立化成工業では、エポキシ樹脂系の溶剤及び無溶剤(両者とも一液)型や、耐熱性の熱可塑性芳香族ポリアミド樹脂をベース樹脂とした溶剤(一液)型液状封止材を上市している。
|
|
| ■用途別ウェイト(2004年 世界需要) |
| 用途名 |
具体的用途例 |
販売数量ウェイト(%) |
| TCP |
LCD表示パネル、ドライバーIC接続 |
54 |
| COG/COF |
サーマルヘッド、他 |
46 |
| その他 |
BGA(ボールグリッドアレイ) |
△ |
| 合 計 |
|
100 |
|
| ● |
液状封止材は、Tape Carrier Package(TCP)やChip On Glass(COG)/Chip On Film(COF)といったパッケージ実装の封止材料に使用されている。
|
| ● |
用途先を実装方式別に分類するとTCP(ICチップをテープフィルムと接続し、樹脂で封止するTAB技術を用いたパッケージ)用途の販売数量が25tであり販売ウェイトは54%を占める。TCP向けの液状封止材には優れた成膜性、速乾性が要求される。
|
|
| ■液状封止材の市場規模推移(2004〜2008年 世界需要)) |
|
|
| |
2004年 |
2005年見込 |
2006年予測 |
2007年予測 |
2008年予測 |
| 国内販売数量 |
24 |
24 |
26 |
26 |
27 |
| 前年比 |
― |
100.0 |
108.3 |
100.0 |
103.8 |
| 海外販売数量 |
22 |
25 |
27 |
29 |
32 |
| 前年比 |
― |
113.6 |
108.0 |
107.4 |
110.3 |
| 世界販売数量 |
46 |
49 |
53 |
55 |
59 |
| 前年比 |
― |
106.5 |
108.2 |
103.8 |
107.3 |
|
| ● |
2004年の液状封止材の世界市場は販売量が46t、販売金額(メーカー出荷ベース)は27億円となり、前年比は各々9.5%増、8.0%増と高水準で伸長している。2008年の世界市場は販売量が59t、販売金額は33億円と予測している。
|
| ● |
半導体回路の高集積化に伴い、従来主流であったタブレット状の固形型(トランスファタイプ)から液状タイプに移行しているため、今後も堅調な推移が予想される。しかし、液状封止材はトランスファタイプと比較すると桁違いに高価格であるため、今後、製品の低価格化がマーケティング課題となっている。
|
|
| ■参入企業とメーカーシェア(2004年 世界需要) |
| メーカー名 |
販売数量シェア(%) |
| ナミックス |
33 |
| 住友ベークライト |
15 |
| 日立化成工業 |
15 |
| 松下電工 |
13 |
| その他 |
24 |
| 合 計 |
100 |
|
| ● |
住友ベークライトは、液状封止材を含む半導体封止材の世界最適生産を推進し、国内(福岡)、中国、台湾、シンガポールにおいて量産拠点の有効活用を展開している。
|
| ● |
日立化成工業は2004年に高機能封止材の生産を倍増した。下館事業所に約3億円を投下し年産40tの生産ラインを新設した(2004年1月)。この設備投資により同事業所の総生産能力は年産80tとなった。
|
|
| ■今後の動向 |
| ● |
小型・低背化、多ピン化、実装形式の多様化などに対応するため、少量多品種生産に適するTCP、COB(Chip on Board)向けに従来から液状封止材が採用されてきた。
|
| ● |
携帯電話、デジタルスチルカメラ、PDAなどの情報・通信機器分野では、今後ますます電子部品の高集積化・高密度実装化を目指した技術開発が推進されており、今後は、液状封止材に対する要求特性が更に高度化していく。
|
|
参考文献:「2005年版 機能性塗料・コーティングの現状と将来展望」 (2005年1月31日:富士キメラ総研) |
※本記事は富士経済グループ各社の独自調査により編集したものです。 |
マーケット情報TOPへ
|