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位相差フィルムは光の位相差を補正し、視野角やコントラストを向上させる製品である。
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| ● |
位相差フィルムの構造は、TAC/PVA/TAC/位相差フィルム/液晶セル/位相差フィルム/TAC/PVA/TACで構成されている。他には、TAC/PVA/位相差フィルム/液晶セル/位相差フィルム/PVA/TACという構造の製品も販売されている。本稿では両者を対象とする。
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| ■エレクトロニクス分野における高分子材料・部品の特徴 |
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位相差フィルムは従来、TACフィルムの上に配置されていた。近年は、偏光子保護機能と位相差機能を合わせ持った製品が増えている。製造方法は、偏光板保護フィルム(TACフィルム)に特殊コーティングを施すことにより、位相差機能を付与している。
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| ● |
位相差フィルムの使用枚数と材料構成は各社各様であり、モード(TN、VA、IPS方式)や製品のグレードにより使い分けられている。
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| ■用途動向(2007年見込 世界需要) |
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| 用途 |
販売量構成比 |
具体的用途例 |
| TFT-TN |
47 |
液晶モニタ、ノートPC、カーナビゲーションシステムなど |
| TFT-VA |
41 |
液晶テレビ、業務用液晶パネル |
| TFT-IPS |
10 |
液晶テレビ、業務用液晶パネル、大型液晶モニタ |
| STN |
2 |
携帯電話など |
| 合計 |
100 |
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| ● |
液晶モニタやノートPC用の販売量が最も多く、TFT-TNモード向けが半数近くを占めている。ノートPC向けは減少しているが、中型液晶テレビ用(20インチクラス)がその減少分を補っている。
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| ● |
TFT-IPSモードの液晶パネルメーカーはLG.Philips LCDとIPSアルファテクノロジの2社であり、IPS向けの販売量は少ない。LG.Philips LCD(韓国のLG Electronicsと蘭Philipsの合弁企業)は2008年3月に社名をLG Displayに変更した。
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| ● |
TFT-VAとIPSモードの用途は主に液晶テレビである。液晶パネルが大型化し将来的にはTFT-VAモードの伸長が予測される。
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| ■LCD用位相差フィルムの市場規模推移(2006~2009年、2011年予測:世界需要) |
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| 年次 |
2006 |
2007見込 |
2008予測 |
2009予測 |
2011予測 |
| 販売数量 |
135,100 |
186,850 |
241,250 |
311,750 |
508,750 |
| 前年比 |
― |
138.3 |
129.1 |
129.2 |
― |
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| ● |
上記の数表は、TFT-LCD用途とSTN-LCD用途で販売されている位相差フィルムの合計値である。2007年(見込)におけるTFTとSTNの販売量構成比は98対2であり、圧倒的にTFT-LCD向けの販売量が大きい。
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| ● |
LCD用位相差フィルムの世界市場(2007年見込)は、前年比138.3%の1億8,685万㎡、販売金額は同106.8%の1,795億円と見込まれ、2011年には2007年比173.8%の3,119.3億円と予測される。
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| ■採用素材動向(2007年見込 世界需要) |
| 構成部材 |
使用樹脂 |
販売量構成比(%) |
| 基材 |
TAC |
88 |
| シクロオレフィン樹脂(COP) |
11 |
| PC、PMMA樹脂 |
1 |
| コーティング剤 |
LCP、PI樹脂ほか |
△ |
| 合計 |
100 |
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| ● |
位相差フィルムの基材にTACフィルムを採用しているは、富士フイルム、コニカミノルタオプト、日東電工、新日本石油である。
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| ● |
日本ゼオン(オプテス)、JSR、積水化学はCOP樹脂(シクロオレフィンポリマー)を使用した位相差フィルムを販売している。
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| ■参入企業とメーカーシェア(2007年見込 世界需要) |
| TFT-LCD市場が対象(STN-LCDは対象外) |
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| メーカー名 |
販売量シェア(%) |
| 富士フイルム |
60 |
| コニカミノルタオプト |
20 |
| 日本ゼオン |
11 |
| 日東電工 |
6 |
| その他 |
3 |
| 合計 |
100 |
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| ● |
TFT-LCD向けの位相差フィルム市場では富士フイルムがトップである。同社はTACフィルムメーカーであり、位相差機能付きTACフィルムが汎用的に使用されている。
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| ● |
コニカミノルタオプトの位相差フィルム「N-TAC」はVAモード向けがほぼ全量である。
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| ● |
日本ゼオンのゼオノアフィルムは子会社のオプテス(2009年1月に日本ゼオンが吸収合併した)が製造販売を行っている。
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| ■今後の動向 |
| ● |
大型液晶パネルの需要増加に伴い、2008年以降位相差フィルムの市場拡大が予測される。
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| ● |
今後、シャープでは第10世代液晶パネルの生産工場が稼働する計画がある。液晶パネルは大型化しているため、フィルム原反幅の拡大やハイエンド品対応に向けた動きが活発化している。
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参考文献:「2008年版 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」 (2007年12月7日:富士キメラ総研)
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