| フィルム分類 |
利点・有望用途 |
欠点・不利な用途 |
ITOフィルム (スパッタ) |
1.高い導電性、透過率、優れた光学特性、耐環境性を有する。
2.信頼性が高く、タッチパネル・電子ペーパー用電極基板に採用されている。次世代デバイスの有機系太陽電池、有機EL用でも実用化の最有力候補である。 |
1.耐屈曲性が劣るため、デバイスのフレキシブル化によってクラックの発生が懸念される。
2.成膜は高温スパッタリングで生産コストが高い。また、原料のインジウムがレアメタルで供給不安がある。 |
ウェットITOフィルム (塗布式) |
1.ITOインクを塗布したもので摺動性、耐屈曲性、筆記・打鍵耐久性に優れる。
2.上記の利点により抵抗膜式タッチパネル用で実用化されている。 (3)塗布・転写を適用することで成膜工程を簡略化し製造コストを低減できる。 |
1.分散剤等が添加されるため、表面抵抗値が高くなる。また、エッチング性に難がある。
2.そのため、静電容量式タッチパネル、有機系太陽電池、有機EL向けでの採用は難しい。 |
| 導電性ポリマー系フィルム |
1.主にポリチオフェンが使用されており、耐屈曲性、打鍵耐久性等に優れる。
2.塗布・印刷を適用することで成膜工程を簡略化し製造コストを低減できる。
3.タッチパネル用で実用化されている他、比較的スペックの緩い電子ペーパー用で採用が検討されている。 |
1.導電性ポリマーは有機物であるため、耐熱・耐湿性に劣り耐環境性が不十分である。また、色味がやや青色である。
2.現状の特性では静電容量式タッチパネル、有機系太陽電池、有機EL用での採用は難しい。耐環境性(表面抵抗値)、光学特性(透過率)の改善が必要となる。 |
| 銀インク系フィルム |
1.銀の高効率電導によって、0.1Ω~数千Ωまでの幅広い抵抗値に設定可能である。
2.低い抵抗値が要求される大型静電容量式タッチパネル用で実用化されている。更に10□/Ω以下の抵抗値が求められる有機系太陽電池用に有望である。
3.屈曲性良好で成膜工程簡略化も可能。 |
1.全光線透過率が劣るため、グリッド状・メッシュ状パターンの可視が問題となる。また、スパッタITOフィルムに比べ光学特性も劣る。
2.パターン跡可視のため小型の静電容量式タッチパネルには不向きである。 |
| 銀ナノワイヤー系フィルム |
1.高屈曲耐性、透過率に優れる。
2.日本写真印刷とCambrios 社が静電容量式タッチパネル用に共同開発している。 |
1.銀ナノワイヤー同士の接触不良で十分な導電性を得られない。
2.タッチパネル以外の展開は見られない。 |
| カーボンナノチューブ・フィルム |
1.ナノ粒子で透明性、導電性良好である。
2.塗布・印刷を適用することで高屈曲耐性、高描画耐久性、成膜工程簡略化を実現している。
3.タッチパネル、電子ペーパー、有機系太陽電池、有機EL用をターゲットとしている。 |
1.カーボンナノチューブの長さや純度などによって、生産性や価格、特性に差異がある。
2.そのため、材料選択と印刷法・塗布法の最適な選択、量産技術の向上などが要求される。 |
| グラフェン・フィルム |
1.導電性、強度・硬度、大電流への耐性に優れる。また、塗布・印刷法を採用することで製造コストの低減も可能である。
2.Samsung El社がタッチパネル用で2012年上市予定。 |
1.研究が主体であるため、導電性・透過率などの基礎的な検討がなされている。
2.量産化するには効率的な生産法の開発が必須である。 |
| ZnOフィルム |
1.常温成膜できるため、製造コストを抑制できる。
2.原料の亜鉛の生産量は多く、価格はインジウムの100分の1ほどで材料コストを低くできる。 |
1.経時劣化による長期安定性の低下、高温高湿時の抵抗値の変動等の問題があり、実用化には至っていない。
2.製法の確立と量産性の向上も求められている。 |