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今回は中国・アジアを舞台に再び成長し始めた樹脂コンパウンドの世界市場についてまとめた。対象とした市場は汎用樹脂5品目、エンプラ7品目、スーパーエンプラ4品目の計16品目である。特に需要が拡大している中国と東南アジア・インド市場をクローズアップし、また、注目されるバイオプラスチック、難燃剤についてもその市場動向の概略を記した。
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◆対象とした品目群
| 汎用樹脂コンパウンド | PP、PE、PS、ABS、PVC |
| 用エンプラコンパウンド | PC、POM、PBT、PA6、PA66、m-PPE、GF-PET |
| スーパーエンプラコンパウンド | PPS、PA6T、PA9T、LCP |
| その他 | バイオプラスチック、難燃剤 |
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| ■調査結果の概要 |
| | 2010年 | 2009年比 | 2015年予測 | 2010年比 |
| 汎用樹脂 | | 2,202 | 113.6% | 2,623 | 119.1% |
| 日本 | 113 | 117.7% | 122 | 108.0% |
| エンプラ | | 229 | 110.3% | 352 | 117.7% |
| 日本 | 35 | 109.4% | 34 | 97.1% |
| スーパーエンプラ | | 15 | 125.0% | 22 | 146.7% |
| 日本 | 4 | 100.0% | 5 | 125.0% |
| 合計 | | 2,517 | 113.3% | 2,996 | 119.0% |
| 日本 | 152 | 115..2% | 160 | 105.3% |
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2010年の世界市場は前年比13.3パーセント増の2,517万トンとなった。内、152万トンが国内(日本)市場である。今後国内市場の伸びは鈍化するが、世界市場は当面安定拡大し、2015年には2,996万トンになると予測される。
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| ■汎用樹脂(汎用樹脂コンパウンド) |
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2010年の世界市場は前年比13.6パーセント増の2,202万トンとなった。2009年に金融危機の影響で落ち込んだものの、主に中国・アジアの需要拡大に支えられ回復し、2011年以降は年率3%以上の拡大が予想される。
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PVC(ポリ塩化ビニール)とABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)が用途の広さと物性の良さ等から市場の80%を占め、拡大を牽引している。PP(ポリプロピレン)は自動車生産の拡大、PE(ポリエチレン)は中国における電線被覆材の需要拡大、PS(ポリスチレン)は液晶テレビの普及や大型化が追い風となっている。
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| ■エンプラ(汎用エンプラコンパウンド) |
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2010年の世界市場は前年比10.3パーセント増の299万トンとなった。特に家電・OA機器や電気電子部品、自動車部品で大量に使用されるPC(ポリカーボネート)とPBT(ポリブチレンテレフタレート)、PA6(ポリアミド6)、PA66(ポリアミド66)、太陽電池や電気自動車/ハイブリッド自動車関連部品で使用されるm-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)の実績が大きい。今後も市場は年率3%以上の拡大が期待され、2015年には350万トン以上になると予測される。
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| ■スーパーエンプラ(スーパーエンプラコンパウンド) |
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2010年の世界市場は前年比25.0パーセント増と大幅に拡大し、15万トンとなった。PPS(ポリフェニレンサルファイド)の実績、伸び率ともに最も大きく、市場の牽引役となっている。
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今後PPSやPA6T(ポリアミド6T)は、電気自動車/ハイブリッド自動車の生産拡大に伴う電装関連部品向け需要の拡大が期待される。特にPPSはハイブリッド自動車のインバーター部品向け需給が既に逼迫し始めており、主要メーカーも生産能力の増強を検討している。またスマートフォンやタブレットPCのコネクタ向けでLCP(液晶ポリマー)やPA9T(ポリアミド9T)の需要拡大が続く見通しである。その他、照明用LEDの拡大によってLEDリフレクター向けでPA9Tの需要拡大が予想される。
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| ◆プラスチック供給動向 |
| ■電気製品業界 |
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ハウジング等の外装部品としてPP、PS、ABS等の汎用樹脂、PC、m-PPE等のエンプラが用いられ、また配線被覆にPVC やPE、コネクタ等の内部部品にPAやPBT、POM等のエンプラ、PPS、LCP、芳香族PA 等のスーパーエンプラが用いられている。
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モバイル情報端末やデジタル家電を中心に薄肉化、高集積化が進んでおり、プラスチックにも高耐熱性や高強度、高い電気特性および薄肉成形性の向上等が求められ、これまでABSやPC/ABSの採用が主流であった携帯電話端末の筐体にPA(MXD-PA)の採用が増えるなどの動きもある。
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電気製品では一定の難燃基準のクリア(外装部品でUL-V1、コネクタ等の内部部品でUL-V0等)が求められるケースが多い一方で、AppleやDell、HP、Nokia等、欧米の電機メーカーを中心にノンハロ対応が強く求められている。筐体ではPSやABSからリン系難燃剤を使用できるPC/ABSへの移行が進んだが、高い難燃性が求められるコネクタ等の部品で多く用いられるPAやPBTはノンハロ対応が難しく進展していない。一方、難燃剤を必要としないLCPやPPSの採用拡大の可能性もあるが、LCPではコストアップ、PPSはハロゲン系物質を含む点などが問題となる。
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外装部品に用いられ、使用量も多い汎用樹脂は現地調達が主流となり、重合拠点やコンパウンド拠点も電気製品の9割近くが生産されている中国やその他アジアに集中している。PCのように使用量が多く生産規模も大きいエンプラについては、コンパウンドはもとより重合拠点についても、中国をはじめとしたアジアでの新増設が活発である。
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高耐熱や高強度が求められる部品や小型精密部品に用いられるPPS、LCP、芳香族PA等のスーパーエンプラについては、コンパウンディングおよびモールディングに高い技術が求められ、コネクタなど小型部品に用いられるケースが多く、輸送コストも高くないため、成形品として中国やその他アジアに輸出されるケースも多い。しかし、近年は中国やその他アジアの現地企業が技術力を高めており、コンパウンディングやモールディングも現地で行う動きが強まっている。
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| ■自動車業界 |
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自動車業界ではコスト削減などを目的に材料を現地調達する傾向が強まっており、樹脂についても特にポリプロピレンやPVCなどの汎用樹脂については現地調達が一般的となっている。そのため、汎用樹脂については重合拠点、コンパウンド拠点ともに自動車生産拡大が続く中国やその他アジアでの新増設の動きが活発である。
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エンプラについては、重合拠点は大手エンプラメーカーの拠点がある欧米や日本に残っているものの、より川下に近いコンパウンド拠点については中国、その他アジアへのシフトが顕著である。生産量の多い汎用エンプラについては重合拠点も中国やその他アジアにシフトする動きも強まっている。
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電装品や機構部品に用いられるPPSやLCP、芳香族PA等のスーパーエンプラについては、コンパウンディングおよびモールディングに高い技術力が求められ、樹脂の需要は欧米や日本が大きな比率を占めていた。しかし、近年は中国など現地メーカーの技術力が高まっており、同地域への樹脂輸出量が増加している。
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参考文献:「2012 コンパウンド市場の展望と世界戦略」 (2011年09月13日:富士経済)
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