AR(拡張現実)/VR(仮想現実)関連市場 市場動向1

マーケット情報TOP
2016年は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントの「PlayStation VR」に加え、Oculus VRの「Oculus Rift」、HTC「Vive」などが登場した。またSamsung El.の「Gear VR」やGoogleのスマートフォンVRプラットフォームである「Daydream」などのモバイルVRも同年から市場が本格化したことで、「VR元年」と呼ばれた。

スマートグラスなどのAR機器は、性能向上の要求がVR機器よりも高く、デバイス性能が追いついていないことなどから、市場の大幅な拡大には至っていない。空間マッピングが可能なMRスマートグラスの量産などが始まる2018年頃から市場が本格化するとみられる。一方で、スマートフォンを採用したARコンテンツの市場は、「Pokemon GO」などのゲームを中心に2016年から市場が拡大している。

AR/VR市場はハード機だけでなく、コンテンツやソリューション分野の市場拡大が期待されている。ゲームや動画関連といったBtoC向けのエンターテインメント系コンテンツに加え、遠隔支援、作業補助、設計/開発、アミューズメント、広告/営業ツールとしての用途や、不動産、医療、広告、自動車、旅行、レジャーといった業界でのBtoB/BtoBtoC向けのソリューション市場の拡大が今後進むとみられる。

今回は、AR/VRの関連機器の世界市場を市場を解説する。

■AR/VR表示機器の世界市場規模推移
 2015年2016年見込2020年予測2025年予測
合計(VR+AR)730億円3,044億円1兆5,558億円3兆968億円
 VR表示機器197億円2,246億円1兆1,189億円2兆429億円
PC/ゲーム機接続型HMD50億円815億円4,948億円4,278億円
スタンドアロン型HMD21億円2,942億円1兆4,061億円
モバイル機器 接続型HMD147億円1,410億円3,299億円2,090億円
 AR表示機器533億円797億円4,369億円1兆539億円
スマートグラス28億円51億円1,977億円7,481億円
HUD495億円746億円2,392億円2,392億円
△:僅少富士キメラ総研推定
※略語:AR(Augmented Reality) VR(Virtual Reality) HMD(Head Mounted Display) HUD(Head Up Display)

VR表示機器は、2016年に発売された「PlayStation VR」「Vive」「Oculus Rift」などのPC/ゲーム機接続型HMD、またモバイル機器接続型HMDが市場拡大をけん引しており、当面はこれらが市場の中心になるとみられる。一方、PCやゲーム機への接続が不要なスタンドアロン型HMDの需要は現状限定的である。しかし、CPU・GPUの性能向上によるMR対応や無線接続機能の搭載などにより高機能化を実現することで2017年頃から大幅な需要増加が予想される。

AR表示機器は、現状HUDが大半を占めている。スマートグラスはBtoB向けで工場作業や修理現場などでの採用が中心であるが、性能が低いためARコンテンツを活かしきれていないことが多い。 今後、電池やディスプレイの性能向上や、MR対応スマートグラスの小型化により2018年以降は大幅な伸びが予想される。将来的には遠隔医療やロボット操縦などでの採用増加も期待される。民生向けエンターテインメント分野のコンテンツが多いVRと比べて、ARは業務向けでの採用が中心となるため当面の伸びは緩やかであるが、2020年以降は加速するとみられる。


■AR/VR対応スマートフォンの世界市場規模推移
 2015年2016年見込2020年予測2025年予測
 AR対応製品500万台2億5,000万台17億5,000万台
AR対応率0.4%15.3%100.0%
 VR対応製品5,000万台9,000万台6億5,000万台17億5,000万台
VR対応率3.8%6.4%39.8%100.0%
スマートフォン世界市場13億2,000万台14億台16億3,200万台17億5,000万台
富士キメラ総研推定

AR対応製品は、「Tango」プラットフォーム対応品のようなリアルタイムでの空間把握が可能なスマートフォンを対象とした。写真合成アプリや代表的なARゲームである「Pokemon GO」などは、ローエンドスマートフォンも含めて全てのスマートフォンで対応可能であるため、対象外とした。AR対応製品は2016年にLenovoが1機種を出荷したのみである。今後、対応機種が増加していくとみられる。AR対応機種の本格出荷は2018年以降になる見込みである。2025年にはすべての機種が対応すると見られる。

VR対応機種は、「Daydream」対応品および、各社ブランドメーカーが展開しているHMDとの組み合わせを推奨している機種を対象とした。Appleとソニーモバイルを除く大手ブランドメーカーのフラッグシップモデルの大半が対応製品を出荷しており、2016年は9,000万台、2017年には1億8,000万台まで対応機種が増加すると予測した。2017年の「Android OS」のハイエンド機種に関しては、大半が「Daydream」対応となる見込みである。特に中国メーカーの対応が積極的であり、スマートフォンの差別化の一つとしてVR対応を位置付け、独自のコンテンツをそろえる等を行っている。

VR対応がミドルレンジ機種まで広がっていくのは2018年~2019年頃になると予測される。その頃には、フラッグシップモデルが5G対応製品で出荷され一段上のVR体験を楽しめる機種が登場すると見込まれる。


参考文献:2017 AR/VR関連市場の将来展望
(2017年01月24日:富士キメラ総研)


注目業界の市場動向・将来展望


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ