世界のロボット市場 市場動向1

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製造業向けロボットは、これまでロボット化が困難であった組立工程にてヒトと協調するロボットの採用が進んでいる。簡単なティーチングや安全対策等、プロ以外が扱える工夫がなされている。製造業以外でも、介護施設、医療機関(手術)、ビルへとロボットの採用が広がっており、非プロフェッショナル化が着々と進んでいる。

今後、ロボットの採用用途は大きく広がり、ヒトとロボットが協働することが一般的になる。より簡単に安全に動作するロボットのニーズが高まっている。又、ロボットの定義にも変化が訪れており、メカ的ロボットのみでなく、AI(人工知能)による頭脳の置き換え・代替も進み始めている。

今回は、製造業向けロボット、半導体・電子部品実装向けロボット、非製造業向けロボット、サービス系ロボット、AI(人工知能)の世界市場を解説する。


■ロボットの世界市場
 2016年2025年予測2016年比
合計2兆5,615億円7兆4,814億円2.9倍
製造業向けロボット8,601億円1兆3,619億円158.3%
半導体・電子部品実装向けロボット4,846億円5,614億円115.8%
非製造業向けロボット5,474億円1兆2,272億円2.2倍
サービス系ロボット4,234億円1兆3,509億円3.2倍
AI(人工知能)2,460億円2兆9,800億円12.1倍
富士経済推定

対象品目
製造業向けロボット1.アーク溶接ロボット 2.スポット溶接ロボット 3.塗装ロボット 4.単軸ロボット 5.直交ロボット 6.電動スライダ 7.卓上型ロボット 8.パレタイジングロボット 9.取出しロボット 10.スカラロボット 11.小型垂直多関節ロボット(可搬重量20kg以下) 12.垂直多関節ロボット(可搬重量21kg以上) 13.パラレルリンクロボット 14.ヒト協調ロボット 15.ガラス基板搬送ロボット 16.ウェハー搬送ロボット
半導体・電子部品実装向けロボット1.高速モジュラーマウンタ 2.中速モジュラーマウンタ 3.低速マウンタ 4.多機能マウンタ 5.ダイボンダ 6.ワイヤボンダ 7.フリップチップボンダ
非製造業向けロボット1.自動建設ロボット 2.農業ロボット 3.インフラ点検ロボット 4.ドローン・無人ヘリ 5.AGV(無人搬送車)
サービス系ロボット1.自動建設ロボット 2.農業ロボット 3.インフラ点検ロボット 4.ドローン・無人ヘリ 5.AGV(無人搬送車)
AI(人工知能)1.自動運転自動車/運転支援システム 2.疾病診断支援ロボット 3.コールセンター支援ロボット 4.金融ロボット 5.チャットボット

製造業向けロボットはアクチュエータ系ロボットが設備投資の遅れから伸び悩んだが、アプリケーションの広がりをみせる組立・搬送系ロボットや、半導体や液晶関連の設備投資の増加で好調だったクリーン搬送系ロボットを中心に市場が拡大した。今後も製造業のロボットを活用した自動化ニーズの高まりとともに市場拡大していくものと予想される。

電子部品実装向けロボットは、スマートフォンや車載機器、産業機器分野で需要が堅調だったが、一部製品が前年の中国市場の景気減速や製品単価の下落の影響を受けたことから市場が縮小した。 半導体実装向けロボットはスマートフォンやメモリー関連、LED、車載機器関連分野で需要が堅調で、特に3D NAND関連での需要が好調であり、市場が拡大している。

非製造業向けロボットは、ドローン・無人ヘリ市場が急拡大を続けている。自動建設ロボット、農業ロボット、インフラ点検ロボットの3市場は、2020年頃から急速に拡大すると予想される。

サービス系ロボットは、医療・介護・福祉ロボット市場が医療保険の適用もあり大幅な拡大が予想される。ほか多くの製品も市場が黎明期から成長期に移りつつあり、今後拡大が期待される。

AI(人工知能)は、金融業界ではAI技術の活用が先行しており、コールセンターでも応対業務支援などの技術が利用されている。疾病診断支援ロボットは画像診断技術が癌治療などで活用されている。自動運転自動車/運転支援システムは、国土交通省が定めるLEVEL2(アクセル、ブレーキ、ハンドルのうち複数の操作が自動で行われる)の製品が既に販売されている。

■ロボットのメカ的ニーズとソフト面ニーズの展望
 現状ニーズ今後の展望




ロボット全般・工程・業務への柔軟性の高いロボット
・更なる低価格化
・パッケージ化、標準化
・機能(駆動部、アーム等)毎のモジュール化、標準化
ヒト協調ロボット・高速・高精度化
・フットプリント削減
・稼動音低減
・モータ出力80wオーバーのロボットの採用により解決
・業種特化により最適化
・樹脂減速機採用など静音に向けた開発
ロボットハンド・治具・汎用性が高く高精度なハンド・治具
・不定形物への対応(荷物、肉片など)
・食品衛生対応(防水、防錆、抗菌など)
・五指ハンド等の万能ハンド実現に向けた開発
・双腕ロボットにより治具への依存低減
・多関節ロボットで培った技術の応用





ロボット全般・プログラミング工数削減・プログラム統一化
・簡単ティーチング
・共通言語化
・ならいティーチング等の高精度化
・センサ、AI活用
ヒト協調ロボット・スキルレス化
・リスクアセスメントノウハウの提供
・自動プログラミング
・リモート接続によりロボットメーカーがサポート
・経済産業省主導でガイドラインを作成、SIerの育成
画像認識技術・認識精度向上
・不定形物の認識(荷物、肉片など)
・ロバスト性向上
・プログラミング工数削減
・AI、GPU活用
・最適システム構築・提案
機械学習・複雑パターン(ピンの曲がり方など)の学習
・プログラミング工数削減(自動学習)
・動作の無駄を自動補正
・人の作業動画からのティーチング
・導入コストダウン
・普及に伴うサンプルデータの増大。判定精度向上
・パッケージソフトをベースとしたコストダウン
富士経済推定

メカ的な精度・スピードニーズへの対応は、全般的に見ると到達点に達している。しかし、ヒト協調ロボットは、現状はモータ出力80w以下の製品が多い為、高速・高精度化のニーズが高い。今後、モータ出力80w以上のヒト協調ロボットが普及することによって解決される。また、ロボットの活用シーンが広がるなか、従来のロボットハンド・治具では対応が難しいケースが増えてきた。汎用性が高く高精度なハンドが求められている。ソフト面ではティーチング工数、プログラミング工数の負担を軽減することが必要である。従来手法の延長のみでなく、センサやAI、画像認識技術を活用して解決すべき課題である。

参考文献:2017 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望
(2017年03月23日:富士経済)


注目業界の市場動向・将来展望


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