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近年、射出成形および押出成形において、さまざまな形状や樹脂での成形が行われている。 特にITの急速な進展に伴い、関連機器へのプラスチック製品(導光板・コネクタ・レンズ等)の応用が急拡大している。それに伴い、金型温調機の温度制御範囲や温度精度に対する要求も高くなってくるとともに、オゾン層破壊対策による特定フロン規制のような地球環境保護に対する取り組みも求められている。 そこで、IT機器製品関連製品および環境政策への対応策として、新冷媒「R 407C」を採用したチラーを使用すると共に、高圧・大流量ポンプを搭載することにより、さまざまな精密成形品に最適な温度で媒体を供給できる機器として、小型金型冷温調機「KCW-03Hεz・05Hεz」(媒体温度10〜95℃)「KCW−03fz・05fz」(媒体温度7〜30℃)の紹介をする。 |
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1.チラーの必要性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2.冷温調機の新機能 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
つぎに各係数等の説明をする。
地球温暖化は上記のように、TEWIが提案されており、これは冷媒による地球温暖化の寄与と運転に伴う CO 2の排出による地球温暖化に対する寄与を総合的に判断しようとするものである。 したがってTEWIを評価するとき、レイケンのチラーでは、クローズループで冷媒を循環させており、冷媒漏れがないと、 (1)式をゼロにすることができる。また、(2) 式は機器の廃棄時の回収と再利用を確実にすることによりほとんどゼロにすることが可能である。 したがって、(3)式のエネルギー効率のみ評価すればよいことになる。仮に何らかのトラブルによって冷媒ガスを排出することになったとしても,R 407Cの冷凍サイクルはオゾン層の破壊は行わず、ガスの中に熱エネルギーをもつが、ガス自身がエネルギーを発散することがなく、エネルギー効率が高いためもっとも優れたシステムであると考えている。 また、一般にいわれる冷凍サイクルの実際の成績係数は、必要冷却能力(kW)/冷却消費電力(kW)比となる。 今回のR407Cを使用したチラーでは、成績係数が4.5以上を目標に行った。 成績係数=冷却能力(kW)/冷却消費電力(kW) 以上のことより、レイケンではR-22に代わる冷媒としては、地球温暖化係数が小さく安全性の高い冷媒であるR-407C が最適であると判断し選択した。 2-2. 信頼性の高い高効率チラーの開発
2-3. 新型コントローラを搭載
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3.特徴と構成 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
KCW-Hεzは、10〜95℃の幅広い温度域、KCW-fzは、7〜30℃の低音域を一年通じて制御が可能であ る。 また、わが国の環境において水冷式クリーニングタワーおよび水道水を使用した場合、冷却水の温度は、冬場0〜5℃(下限)夏場30〜35℃(上限)という環境になる。この場合 冷凍サイクルを持たない通常の金型温調機の場合、40℃以下での温度調節はクリーニングタワー水温度の影響を受けて困難となり冬場は希望温度で温度調節が可能であっても、夏場では2〜3℃ひどい場合は、10〜20℃も金型温度が上昇してしまい成形サイクルおよび成形品の品質に悪影響を及ぼす場合がある。 そこで金型温度40℃付近あるいは40℃以下とし、一年 を通じて(春夏秋冬)同一金型温度・同一成形条件で成形を行うためには必ず必要となる.したがって、媒体温度10〜95℃の広範囲な温度域で成形されるハイサイクル成形や高精度成形にはKCW-03Hεz・05Hεzが最適である。 ![]() チラー能力により、つぎの2種類がある。 型式では 1)KCW-03Hεz(3馬力)、2)KCW-05Hεz(5馬力) 全体の外観は写真1、仕様書は表4、フローシートは図4、冷却能力は図5、媒体ポンプの吐出流量と圧力は、図6に示す。 また、媒体温度設定7〜30℃の低音域のみ使用されるハイサイクル成形を行う場合には、KCW-03fz・05fzが適する。 チラー能力により、つぎの2種類がある。 型式は、1)KCW-03fz(3馬力)と、2)KCW-05fz(5馬力) 仕様書は表5、フローシートは図7、媒体ポンプの吐出流量と圧力は図8に示す。 主な機能としては、冷媒ガスとしてR407Cを使用した冷凍サイクルによって媒体温度に比例した冷水を冷水タンクに 作る。この冷水を媒体循環ユニットに冷却が必要な量に応じて冷水を入れ必要に応じて冷却する。また加熱が必要な場合はヒーターをONにすることにより設定温度に媒体を調節する。また、多機能コントローラにより媒体温度を設定することにより冷水温度が自動的に設定され、常に冷凍能力の高い冷水温度で運転を可能にした。 レイケン自社比較で媒体温度の設定を60℃にしたときの冷却能力を比較すると、従来方式(冷水温度の設定が7 ℃で固定) での最大冷却能力が15kwであったのに対し、KCW-05Hεz(50Hz)を使用した場合、媒体温度設定が40℃以上のとき、冷水温度の設定は30℃(29〜31℃)とる。冷却能力は、23kwで1.5倍もの能力で運転でき、当然 成績係数も5.0から7.12に上がり(表3)、単位冷却能力を発揮するための電力消費量が下がるとともに総合温暖化因子も小さくすることができた。また、媒体温度安定精度は、通常運転時は±0.5℃で高い精度が保持できる。 表4 KCW−03,05Hεz仕様
表5 KCW−03,05Hfz仕様
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4.今後の対応 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
新冷媒の採用と高効率で信頼性の高いチラー並びに多機能のコントローラをシステマチックに組み合わせた金型冷温調機ダイナサーモz・ダイナクールzシリーズを紹介した。 今後はこの技術を超小型の金型冷温調機(KCW-01Hεz)ならびに大型の金型冷温調機(10〜50馬力)にも拡大するとともに、多機能コントローラは金型冷温調機に止まらず、早期にレイケンの製品に拡大して行く予定である。 |
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株式会社レイケンのHPへは、こちらから http://www.reikeninc.co.jp ![]() |
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