有機-無機ナノハイブリッド材料の新展開

有機-無機ナノハイブリッド材料の新展開

Advances in Organic-Inorganic Nano-Hybrid Materials

  • 次世代機能材料の代表“有機-無機ナノハイブリッド材料”を、合成法から応用まで徹底解説!
  • 最前線の研究者総勢30名を執筆陣に迎え、新材料に秘められた無限の可能性を一挙紹介!!
価格 71,500円(税抜 65,000円) 出版社 シーエムシー出版
編集 中條善樹 発行日 2009年6月
体裁 B5判、277ページ ISBNコード ISBN 978-4-7813-0136-5
Cコード C3058 商品コード T0692

刊行にあたって

1980年代から有機-無機ハイブリッド材料が注目されるようになってきた。有機材料(例えばプラスチック)の長所(成型性や軽量性、官能基導入など)と無機材料(例えばセラミック)の長所(耐熱性や機械的強度、ガスバリア性など)を合わせもつ材料として期待されている。特に有機成分と無機成分がナノレベルや分子レベルで組み合わされた有機-無機ナノハイブリッド材料は、ナノテクノロジーの進展とともに、次世代の機能材料として注目されている。学会では毎年必ずといっていいほどハイブリッド材料に関するシンポジウムが開催され、その合成法や特性、工業的利用などが活発に議論されている。一方、産業界においても、経済的背景とも関連して、従来の材料のハイブリッド化を行えば全く新しい材料開発につながる、というハイブリッド材料の本質が受け入れられ、化学系の企業でハイブリッド材料を検討していないところはないと言い切れるほど、その開発研究が活発に行われている。

このような背景から、本書において、最近の有機-無機ナノハイブリッド材料に関する研究、技術開発の展開をまとめることとした。ハイブリッド材料の基本から応用までということを目指し、本書の構成は、有機-無機ナノハイブリッド材料の合成法、工業的利用が検討されているクレイを無機成分としたハイブリッド材料、新しいナノビルディングブロックとして注目されているシルセスキオキサンを用いたハイブリッド材料、無機成分としての金属ナノ粒子の利用、さらにハイブリッド材料の実際の工業的応用例、将来への展望、となっている。

有機-無機ナノハイブリッド材料に興味をもつ研究者、技術者にとって、本書の内容がきっかけとなり、次世代の分子複合材料が次々と開発されることを強く願っている。

(「はじめに」より一部抜粋)
2009年6月  中條善樹

著者一覧

中條善樹
京都大学 大学院工学研究科 高分子化学専攻 教授
郡司天博
東京理科大学 理工学部 工業化学科 准教授
阿部芳首
東京聖栄大学 健康栄養学部 食品学科 教授:東京理科大学名誉教授、理工学部 工業化学科 客員教授
越智光一
関西大学 化学生命工学部 副学長・教授
幸塚広光
関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科 教授
久保雅敬
三重大学大学院 地域イノベーション学研究科 教授
加藤 誠
(株)豊田中央研究所 環境材料研究部 有機材料研究室 主任研究員
臼杵有光
(株)豊田中央研究所 取締役
原口和敏
(財)川村理化学研究所 所長
菅原義之
早稲田大学 理工学術院 先進理工学部 応用化学科 教授
伊藤真樹
Dow Corning(東レ・ダウコーニング(株)) Electronics MBU
篠谷賢一
パナソニック電工(株) 新規商品創出技術開発部 電子材料開発部 副参事
鈴木 浩
東亞合成(株) 新事業企画推進部 シリコングループ グループリーダー
北村昭憲
東亞合成(株) 新事業企画推進部 シリコングループ(つくば駐在) 課長(研究主管)
渡辺 明
東北大学 多元物質科学研究所 多元ナノ材料研究センター ハイブリッドナノ組織体研究部 准教授
宮下徳治
東北大学 多元物質科学研究所 多元ナノ材料研究センター ハイブリッドナノ組織体研究部 教授
戸嶋直樹
山口東京理科大学 工学部 応用化学科 教授;先進材料研究所 所長
西田直人
山口東京理科大学 大学院基礎工学研究科 D3
中 建介
京都工芸繊維大学大学院 工芸科学研究科 物質工学部門 教授
米澤 徹
北海道大学 大学院工学研究科 材料科学専攻 教授
西浦克典
三井化学(株) マテリアルサイエンス研究所 研究員
合田秀樹
荒川化学工業(株) 光電子材料事業部 研究開発部 HBグループ グループリーダー
今井祐介
(独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 主任研究員
山田浩志
(独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 研究員
寺崎 正
(独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 研究員
李 承周
(独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 産総研特別研究員
李 晨妹
九州大学 大学院総合理工学府 物質理工学専攻
徐 超男
(独)産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 主任研究員
松川公洋
(地独)大阪市立工業研究所 電子材料研究部 研究主幹
梶原鳴雪
愛知学院大学 歯学部 教授(客員)

目次

序章 有機-無機ナノハイブリッド材料中條善樹

  • 1. はじめに
  • 2. ナノハイブリッド材料に期待される特性
  • 2.1 表面コーティング
  • 2.2 ハイブリッドフィラー
  • 2.3 ガスバリアー性
  • 2.4 耐溶剤性
  • 2.5 異種材料の接着
  • 2.6 傾斜材料
  • 3. ハイブリッド化思考による先端分子複合材料の創製

【第I編 有機-無機ナノハイブリッド材料の創製】

第1章 ゾルゲル反応による有機-無機ナノハイブリッド材料の合成中條善樹

  • 1. はじめに
  • 2. 水素結合を利用した有機-無機ナノハイブリッド材料の合成
  • 3. 天然資源の有効利用
  • 4. -電子相互作用を利用したナノハイブリッド材料の合成
  • 5. イオン間相互作用等を利用したナノハイブリッド材料の合成
  • 6. ハイブリッド材料合成のための相溶化剤
  • 7. 成型性に優れたナノハイブリッド材料
  • 8. 光応答性ナノハイブリッド材料
  • 9. In-situ重合法によるナノハイブリッド材料の合成
  • 10. In-situ加水分解法によるポリビニルアルコールハイブリッド材料の合成
  • 11. おわりに

第2章 アルコキシシロキサンの合成郡司天博、阿部芳首

  • 1. はじめに
  • 2. エトキシオリゴシロキサンの合成
  • 2.1 ペンタエトキシジシロキサン(PEDS)およびヘキサエトキシジシロキサン(HEDS)の合成
  • 2.2 PEDSからのノナエトキシテトラシロキサン(NETS-i、NETS-o)、デカエトキシテトラシロキサン(DETS)の合成
  • 2.3 オクタエトキシトリシロキサン(OETS)の合成
  • 3. オクタアルコキシかご型シルセスキオキサン(QR8)の合成
  • 4. おわりに

第3章 エポキシ樹脂のハイブリッド化越智光一

  • 1. はじめに
  • 2. アルコキサイドモノマーからのハイブリッド材料
  • 2.1 In-situ型エポキシ/シリカハイブリッド体の調製
  • 2.2 In-situ型エポキシ/シリカハイブリッド体の熱的・力学的性質
  • 3. アルコキサイドオリゴマーからのハイブリッド材料
  • 4. シルセスキオキサン構造を骨格とするエポキシ樹脂
  • 5. おわりに

第4章 有機・無機ハイブリッド薄膜の面内応力幸塚広光

  • 1. はじめに
  • 2. 応力に関する基礎
  • 3. コーティング膜における応力の発生と基材の反り
  • 4. 溶液から作製されるコーティング膜における応力発生の基本的な原因
  • 4.1 溶媒の蒸発
  • 4.2 重合反応や縮合反応
  • 4.3 膜と基材の熱膨張係数の不一致
  • 5. 溶液から作製される無機薄膜と有機薄膜における応力
  • 6. 有機・無機ハイブリッド薄膜における応力
  • 6.1 有機・無機ハイブリッド薄膜における応力発生に及ぼす有機成分の効果
  • 6.2 不均質な有機・無機ハイブリッド薄膜における応力発生

第5章 共役高分子のナノハイブリッド材料久保雅敬

  • 1. はじめに
  • 2. 過去の研究例
  • 3. シリカとハイブリッドを形成可能な共役高分子
  • 3.1 ポリアリーレンビニレン
  • 3.2 ポリチオフェン
  • 3.3 ポリフルオレン
  • 4. 共役高分子含有シリカハイブリッド材料の応用
  • 4.1 有機EL発光素子
  • 4.2 白色LED用蛍光体
  • 5. 自己ドープ型ポリチオフェンとシリカとのハイブリッド
  • 6. おわりに

【第II編 クレイを利用したハイブリッド材料】

第6章 ポリマークレイナノコンポジット材料加藤誠、臼杵有光

  • 1. 緒言
  • 2. ポリマークレイナノコンポジット
  • 3. ポリマークレイナノコンポジットの作製方法
  • 3.1 層間重合法
  • 3.2 ポリマーインターカレーション法
  • 3.3 共通溶媒法
  • 4. ポリマークレイナノコンポジットの特性
  • 4.1 力学物性
  • 4.2 ガスバリア特性
  • 4.3 疲労特性
  • 4.4 難燃性
  • 4.5 流動特性
  • 4.6 リサイクル性
  • 4.7 電気絶縁性
  • 4.8 摺動特性
  • 5. まとめ

第7章 有機-無機ソフトハイブリッド材料原口和敏

  • 1. はじめに
  • 2. ソフトハイブリッド材料を構成する高分子(PMEA)の特性
  • 3. 有機-無機ソフトハイブリッド(M-NC)の合成
  • 4. M-NCの特性
  • 4.1 透明性と表面形態
  • 4.2 水膨潤性
  • 4.3 有機溶媒中での膨潤性
  • 4.4 力学物性
  • 5. M-NCの構造
  • 5.1 M-NCの成分分析
  • 5.2 透過型電子顕微鏡観察
  • 5.3 モデル構造と形成機構
  • 6. M-NCの機能
  • 6.1 細胞培養性と剥離性
  • 6.2 無機多孔質体
  • 7. おわりに

第8章 グラフト反応を利用した無機層状物質のナノハイブリッド化菅原義之

  • 1. はじめに
  • 2. インターカレーション反応とグラフト反応
  • 2.1 インターカレーション反応
  • 2.2 グラフト反応
  • 3. 代表的なホストのグラフト反応
  • 3.1 層状ケイ酸/層状ケイ酸塩
  • 3.2 カオリナイト
  • 3.3 遷移金属オキシハロゲン化物
  • 3.4 イオン交換性層状ペロブスカイト
  • 4. おわりに

【第III編 シルセスキオキサンを基盤としたハイブリッド材料】

第9章 シルセスキオキサンの合成、構造と特徴伊藤真樹

  • 1. はじめに
  • 2. シルセスキオキサン類の合成法
  • 3. ポリシルセスキオキサン・シリコーンレジンの構造と反応化学
  • 4. 種々のシルセスキオキサンとその特徴と応用
  • 5. シルセスキオキサンのハイブリッド材料への応用
  • 6. おわりに

第10章 シルセスキオキサンのナノビルディングブロックとしての利用篠谷賢一

  • 1. はじめに
  • 2. ハイブリッド効果及びそれを発現させる材料設計指針
  • 3. 当社でのハイブリッド開発事例(トップダウンアプローチ)
  • 3.1 エポキシ樹脂/クレーナノハイブリッド開発
  • 3.2 エポキシ樹脂/Mg(OH)2粒子ハイブリッド開発
  • 4. 当社でのハイブリッド開発事例(ボトムアップアプローチ)
  • 4.1 エポキシ硬化シルセスキオキサンナノハイブリッド開発
  • 4.2 ヒドロシリル硬化シルセスキオキサンナノハイブリッド開発

第11章 超耐熱性シルセスキオキサン誘導体鈴木浩、北村昭憲

  • 1. はじめに
  • 2. VH-SQとは(超耐熱性材料を目指した材料の創製)
  • 3. VH-SQの合成
  • 4. VH-SQの硬化および硬化物の耐熱性評価
  • 4.1 Pt触媒によるヒドロシリル化架橋
  • 4.2 無触媒系での熱硬化
  • 4.3 硬化メカニズムのまとめ
  • 5. おわりに

第12章 シルセスキオキサン系ハイブリッド材料渡辺明、宮下徳治

  • 1. はじめに
  • 2. シルセスキオキサン系ハイブリッドポリマー
  • 3. シルセスキオキサン系ポリマーフィルムの特性
  • 4. シルセスキオキサン系ポリマーフィルムへの金属微細配線形成

【第IV編 金属ナノ粒子のハイブリッド材料】

第13章 エネルギー・情報関連素材としての金属ナノ粒子ハイブリッド材料戸嶋直樹、西田直人

  • 1. はじめに
  • 2. エネルギー分野への展開
  • 2.1 燃料電池用電極触媒
  • 2.2 熱電変換材料
  • 3. 情報分野への展開
  • 3.1 高速度応答液晶表示素子
  • 3.2 高密度磁気記録材料
  • 4. おわりに

第14章 金属ナノ粒子のハイブリッド組織化中建介

  • 1. はじめに
  • 2. ナノ粒子ビルディングブロックの設計法
  • 3. ポリマーグラフト化金属ナノ粒子
  • 4. 共役高分子-金属ナノ粒子ハイブリッド
  • 5. 刺激応答性ナノ粒子
  • 6. かご型シルセスキオキサンによるハイブリッド組織化
  • 6.1 二次元組織化
  • 6.2 三次元組織化
  • 6.3 ナノコンポジット
  • 7. おわりに

第15章 ハイブリッドナノ粒子米澤徹

  • 1. はじめに
  • 2. 高分子錯体形成能が使われた、合金ハイブリッドナノ粒子
  • 3. 単分子膜形成能が使われた、ハイブリッドナノ粒子
  • 4. ハイブリッドの特性を生かした遷移金属微粒子・ナノ粒子―有機分子によって築かれる新しい金属元素代替―
  • 5. おわりに

【第V編 ハイブリッド材料の工業的利用】

第16章 ガスバリア性と耐摩耗性を有するハイブリッドコート材料の開発西浦克典

  • 1. はじめに
  • 2. ゾル-ゲル法を用いた有機-無機ハイブリッドコート材料
  • 3. ポリビニルアルコール/ポリアクリル酸とシリカからなるハイブリッドコート材料
  • 4. PVA/PAA-シリカハイブリッドコート膜の酸素バリア性評価
  • 5. 膜構造と酸素バリア性の関係
  • 6. よりハイバリアなコート膜を目指すために
  • 7. おわりに

第17章 汎用ポリマーとシリカゲルの分子ハイブリッド化合田秀樹

  • 1. ゾル-ゲルハイブリッド
  • 2. 分子ハイブリッドの分子設計
  • 3. 異なった性質を持つ2種類のシリカ
  • 4. 融けないプラスチック―エポキシ樹脂系ハイブリッド
  • 5. 強靭な樹脂―フェノール樹脂系ハイブリッド
  • 6. ウエットメッキが可能なポリイミド系ハイブリッド
  • 7. 柔らかいゴム状シリカハイブリッド―ウレタン系ハイブリッド
  • 8. ポリイミドに代わる安価エンプラ―アミドイミド系ハイブリッド

第18章 応力発光性ハイブリッド材料今井祐介、山田浩志、寺崎正、李承周、李晨妹、徐超男

  • 1. はじめに―応力発光とは―
  • 2. 応力発光材料―種類・合成・構造的特徴―
  • 3. 応力発光材料の発光特性
  • 4. 応力発光塗膜による応力分布のイメージング
  • 5. 応力発光材料のナノ粒子化
  • 6. AFMを利用した単一粒子応力発光特性評価装置
  • 7. おわりに

第19章 ハイブリッド材料による屈折率制御松川公洋

  • 1. はじめに
  • 2. ポリシラン-シリカハイブリッドによる屈折率制御
  • 3. ポリシラン-ジルコニアハイブリッドによる熱光学特性
  • 4. ポリシラン-シリカナノ粒子ハイブリッドによる低屈折率薄膜
  • 5. ビスフェニルフルオレン誘導体を用いた高屈折率ハイブリッド
  • 6. おわりに

【第VI編 ナノハイブリッド材料に期待すること】

第20章 先端-後端材料と有機-無機ハイブリッド材料梶原鳴雪

  • 1. はじめに
  • 2. 化学工業プロセスと材料の変遷
  • 2.1 絹
  • 2.2 石鹸
  • 2.3 食塩の電解
  • 2.4 歯冠修復材料
  • 2.5 カーバイト(アセチレン工業)
  • 2.6 フロンガス
  • 3. ハイブリッド材料
  • 3.1 光配線材料
  • 3.2 耐光透明樹脂
  • 3.3 ケミカルナノテクノロジーと種々の機能性材料製品
  • 3.4 耐光、耐熱有機-無機モレキュラーハイブリッド
  • 3.5 耐熱性弾性及び高電気絶縁性材料
  • 3.6 ハイブリッドガラス
  • 3.7 ハイブリッドイオン
  • 4. 新世代の錬金術及びハイブリッド技術と既存類似材料
  • 4.1 アスベスト代替材料
  • 4.2 Nafion代替材料膜
  • 4.3 ITOガラス代替材料
  • 4.4 ぺロブスカイトタイプ代替材料
  • 4.5 白金代替材料
  • 5. おわりに

第21章 含ケイ素ナノハイブリッド材料開発における最先端技術郡司天博、阿部芳首

  • 1. はじめに
  • 2. 新しい出発原料
  • 2.1 シランモノマー
  • 2.2 オリゴ、ポリおよびカゴ型シロキサン
  • 3. ナノハイブリッドの設計法
  • 4. ハイブリッド材料開発における最先端技術
  • 4.1 同時および逐次重合
  • 4.2 自己組織化
  • 4.3 共重合、in situ重合
  • 4.4 有機および無機ポリマーまたはモノマー両成分の複合
  • 5. おわりに