次世代自動車のための熱設計・評価手法と放熱・実装技術

次世代自動車のための熱設計・評価手法と放熱・実装技術

Thermal Management and Electronics Packaging Technology for the Next-generation Vehicles

  • 電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、自動運転車など次世代自動車開発に求められる電子制御技術を俯瞰した一冊!
  • 世界各国の燃費規制および自動運転社会の構築に向けて次世代自動車市場の普及期が到来!
  • 次世代自動車普及の鍵を握る「エネルギー効率向上」、「センシング技術」に必要な、電子部品の小型・高性能化に伴う高放熱実現のための設計・実装技術!
価格 62,000円+税 出版社 シーエムシー出版
発行日 2014年10月31日 監修 神谷 有弘
ISBNコード ISBN 978-4-7813-1004-6 商品コード T0953
体裁 B5判、215ページ    

発刊にあたって

2009年8月に“バイオプラスチックの素材・技術最前線”が発行されておよそ5年が経過した。この間、同書が紹介したバイオプラスチックの動向にも大きな変化が生じている。当時はバイオマス由来ポリエチレンの登場が話題の一つであったが、今やポリエチレンテレフタレートも含むこの種の、既存プラスチックをバイオマス原料由来とした、いわば“ドロップイン型”が国内外市場構成の上位を占める時代となった。とは言え、当時の主役であったポリ乳酸を筆頭とするバイオプラスチックの存在感が薄れた訳では無い。例えば、生分解性を活かしたシェールガス掘削部材としての活用や、今後のものづくりを根本的に変え得るとされる3Dプリンター用造形資材に溶融粘度特性がマッチする等、5年前には試用段階であった需要が本格化されてきている。正に、バイオプラスチックもまた、適材適所で発展してきたプラスチックの歴史を踏襲した役割分担の再構成を迎えたとも見てとれよう。即ち、別の見方をすれば、バイオプラスチックも非バイオプラスチックだけでは無く、“身内同士”でも“競合”の時代に入ってきたとも言える。

本書は、この様な観点から、5年を経た現時点でのバイオプラスチックの現状を、市場動向、製造技術の現状と個別適用事例、中でも特にその具体的な製品見本事例、更に5年前には全く触れる余裕が無かった資源・環境との関わりの中での国際的な定義・評価の構築、国、自治体、及び民間での普及を目指した取り組みの現状、いささか使い古された用語になってしまった感が強いが循環資源化システムにおける、更には今後のバイオリファイナリーにおける役割と期待をまとめた編を新たに設けている。

またバイオプラスチックの国内市場の規模と構成、海外における普及を目指した政策動向、加えて、近年改めて国産バイオマスとして関心が寄せられてきた竹粉、セルロース・ナノファイバー、非食用米等の樹脂類との複合化、及びその材料設計技術、高機能化に向けた分子設計技術も本書で初めて整理・体系化された形で紹介することもできた。所、当該分野第一線で活躍されている方々の好意を得て最新情報を織り込みながらご執筆戴けた。図らずも監修者の立場から初稿を拝読する機会を得たが、熱い想いが伝わってくるもので、必ずや読者各位のご期待に沿えるものと信じている。

キーワード

電気自動車/ハイブリッド自動車/プラグインハイブリッド自動車/自動運転車/熱挙動/熱設計/放熱/実装/熱特性評価/信頼性解析/ガソリンエンジン制御/アイドルストップ制御/空調制御/車載機器/ECU/回路基板/高熱伝導性樹脂/シリコーン系材料/二次電池/パワー半導体

著者一覧

神谷有弘
(株)デンソー
冨田栄二
岡山大学
田中淳弥
工学院大学
菅沼直樹
金沢大学
原潤一郎
カルソニックカンセイ(株)
門田健次
電気化学工業(株)
堀江英明
東京大学
田中秀憲
京セラ(株)
上之園竜一
京セラ(株)
橋本信行
古河電気工業(株)
菅沼克昭
大阪大学
上利泰幸
(地独)大阪市立工業研究所
吉原秀輔
(株)カネカ
山田邦弘
信越化学工業(株)
山本真義
島根大学
畠山友行
富山県立大学
徐一斌
(独)物質・材料研究機構
中村隆治
沖エンジニアリング(株)

目次

1章 次世代自動車の電子制御技術と動向

  • 1 環境保全を目指した高精度化するパワトレイン系制御技術
  • 1.1 ガソリンエンジンンの燃焼と制御冨田栄二
  • 1.1.1 はじめに
  • 1.1.2 ガス流動制御
  • 1.1.3 空燃比および酸素量の制御
  • 1.1.4 混合比分布の制御
  • 1.1.5 点火の制御
  • 1.1.6 燃焼の制御
  • 1.1.7 排気ガスの制御
  • 1.1.8 おわりに
  • 1.2 アイドルストップ制御(ISSとエネルギーマネジメント)田中淳弥
  • 1.2.1 緒論
  • 1.2.2 アイドリングストップによる燃料消費量抑制のメカニズム
  • 1.2.3 実車両による実験的な検討例
  • 2 自律走行自動車のための周辺環境センシング菅沼直樹
  • 2.1 諸言
  • 2.2 実験装置概要
  • 2.3 Occupancy Grid Mapsを用いた周辺環境認識
  • 2.3.1 OGMに基づく静止障害物検出
  • 2.3.2 OGMに対する移動物体の影響の低減化
  • 2.3.3 Binary Bayes Filterを用いた移動物体の検出と追跡
  • 2.4 結言
  • 3 快適性向上のための空調制御技術原潤一郎
  • 3.1 はじめに
  • 3.2 空調快適性とは
  • 3.2.1 衣服内気候
  • 3.2.2 皮膚温と温冷感申告
  • 3.2.3 体温調節系
  • 3.3 自動車の車室内に特有の課題とは
  • 3.3.1 人体部位ごとの快適気温
  • 3.3.2 異なる上下気温
  • 3.3.3 快適な上下気温
  • 3.4 カーエアコン(自動車用空調装置)による空調快適性
  • 3.4.1 空調装置
  • 3.4.2 空調制御
  • 3.4.3 高度な快適性制御
  • 3.4.4 新しいセンサ
  • 3.4.5 より燃費改善につながる制御
  • 3.5 今後への展望

2章 各種電子製品の構成と放熱・実装技術

  • 1 HEV/PHEVとモータ設計、インバータ実装技術とそれぞれの放熱設計技術門田健次
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 HEV/PHEVに用いられるモータとインバータ
  • 1.3 モータの放熱設計
  • 1.4 インバータの放熱設計
  • 1.5 おわりに
  • 2 二次電池の構成と熱挙動解析/熱システム設計手法堀江英明
  • 2.1 先進型環境車両を支える高性能二次電池
  • 2.2 二次電池の発熱挙動
  • 2.2.1 反応熱
  • 2.2.2 ジュール熱
  • 2.3 環境車両用電池における熱解析手法/熱デザイン
  • 3 車載電子制御システムの構成神谷有弘
  • 3.1 はじめに
  • 3.2 フィードバック制御とフィードフォワード制御
  • 3.3 エンジン制御システム事例
  • 3.4 一般的なECUの構成
  • 3.5 電源回路
  • 3.6 入力処理回路
  • 3.7 ECUの構成部品
  • 4 車載電子製品に求められる要件神谷有弘
  • 4.1 はじめに
  • 4.2 信頼性
  • 4.3 小型・軽量化
  • 5 ECU系電子製品神谷有弘
  • 5.1 はじめに
  • 5.2 放熱技術
  • 5.2.1 基板の放熱性向上
  • 5.2.2 高耐熱・高放熱デバイスパッケージ
  • 5.2.3 デバイスパッケージの放熱実装構造
  • 5.3 小型実装技術
  • 5.3.1 樹脂回路基板の実装技術
  • 5.3.2 セラミック回路基板の実装技術
  • 5.4 樹脂封止技術
  • 5.5 この節のまとめ

3章 車載電子製品を支える部品、材料、実装・放熱技術

  • 1 高温焼成基板田中秀憲、上之園竜一
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 セラミック多層基板の構造
  • 1.3 セラミックス多層基板の材料物性
  • 1.4 新高温焼成セラミック多層基板材料AO630
  • 1.5 まとめ
  • 2 ヒートパイプとその活用橋本信行
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 ヒートパイプの構造・作動原理・特徴
  • 2.2.1 ヒートパイプの構造・作動原理・特徴
  • 2.3 ヒートパイプの発展経過と活用事例
  • 2.4 自動車への活用事例および応用事例
  • 2.4.1 ジャンクションボックスの冷却
  • 2.4.2 バックライトの冷却
  • 2.4.3 ヘッドライト(前照灯)の冷却
  • 2.4.4 バッテリー温度マネジメントシステム
  • 2.4.5 インバータ素子冷却
  • 2.5 ヒートパイプ使用にあたっての注意点
  • 2.5.1 寒冷地での使用
  • 2.5.2 廃棄時
  • 3 車載機器実装の接続信頼性向上菅沼克昭
  • 3.1 はじめに
  • 3.2 鉛フリーはんだ付けと信頼性
  • 3.2.1 ウィスカ
  • 3.2.2 エレクトロマイグレーション
  • 3.3 高温鉛フリーはんだの開発
  • 3.3.1 はんだ付け
  • 3.3.2 焼結接合
  • 3.3.3 望まれる実装の低温化と導電性接着剤
  • 3.4 まとめ
  • 4 放熱を支える材料上利泰幸
  • 4.1 はじめに
  • 4.2 高分子材料の複合化による熱伝導率の向上
  • 4.3 放熱性コーティング材の高機能化
  • 4.4 応用分野と将来展望
  • 5 高熱伝導性樹脂の開発と応用展開吉原秀輔
  • 5.1 はじめに
  • 5.2 樹脂材料の高熱伝導化へのアプローチ
  • 5.3 HPシリーズ
  • 5.4 ベース樹脂の高熱伝導化の研究背景
  • 5.4.1 Bruggemanの理論
  • 5.4.2 樹脂の熱伝導率
  • 5.4.3 樹脂自体の高熱伝導化の研究例
  • 5.5 ベース樹脂の高熱伝導化とその熱伝導率発現機構
  • 5.5.1 開発した液晶ポリエステルの特徴
  • 5.5.2 樹脂/MgO複合材料の熱伝導率
  • 5.5.3 樹脂/MgO複合材料の高熱伝導率発現機構
  • 5.6 想定される応用展開
  • 5.7 おわりに
  • 6 シリコーン系放熱材料山田邦弘
  • 6.1 はじめに
  • 6.2 シリコーンの性質
  • 6.3 シリコーン放熱材料の組成
  • 6.4 シリコーン放熱材料の種類・用途
  • 6.5 車載用各種放熱材料の特徴
  • 6.6 おわりに

4章 半導体デバイスの実装技術と熱評価技術

  • 1 新材料パワー半導体における車載用パワーモジュール実装技術山本真義
  • 1.1 はじめに
  • 1.2 インバータにおける誤オンの問題点
  • 1.2.1 ハイブリッドカーの電気系システム
  • 1.2.2 インバータにおける誤オンのメカニズム
  • 1.2.3 Si IGBTとSiC MOS-FETによる三相インバータの効率比較
  • 1.3 汎用シミュレータによる誤オンのモデル化
  • 1.3.1 ゲート・ソース間電圧観測モデルの構築方法
  • 1.3.2 ゲート・ソース間電圧観測モデル
  • 1.3.3 ゲート・ソース間電圧観測モデルと実機整合性の確認
  • 1.3.4 真のゲート・ソース間電圧の観測
  • 1.4 誤オン抑制可能なパワー半導体モジュール設計
  • 1.4.1 ドレイン側インダクタンスの調整による誤オン抑制手法
  • 1.4.2 ソース側インダクタンスの調整による誤オン抑制手法
  • 1.5 まとめ
  • 2 半導体デバイスの発熱予測とその対策畠山友行
  • 2.1 はじめに
  • 2.2 解析手法
  • 2.2.1 ドリフト・ディフュージョン(DD)モデル
  • 2.2.2 流体力学(HD)モデル
  • 2.2.3 モンテカルロ(MC)シミュレーション
  • 2.3 解析結果の一例
  • 2.4 まとめ

5章 放熱を中心とした材料の熱設計徐一斌

  • 1 はじめに
  • 2 複合材料熱伝導率のシミュレーション
  • 2.1 複合材料熱伝導率の理論的考察
  • 2.2 解析解による熱伝導率の計算
  • 2.3 有限要素法シミュレーション
  • 2.4 複合材料熱物性予測システム
  • 3 界面熱抵抗の予測と測定
  • 3.1 複合材料における界面熱抵抗の影響
  • 3.2 界面熱抵抗に関するフォノン理論
  • 3.3 界面熱抵抗の測定
  • 3.4 界面熱抵抗の組織依存性
  • 4 まとめ

6章 電子部品の熱特性評価およびその信頼性解析への応用中村隆治

  • 1 はじめに
  • 2 熱抵抗測定方法
  • 2.1 熱電対を使用する方法
  • 2.2 ダイオードのVFを利用する方法
  • 2.3 熱過渡解析による測定法
  • 2.4 熱抵抗測定と解析
  • 3 サーモグラフィによる温度特性評価
  • 3.1 サーモグラフィについて
  • 3.2 赤外線温度測定を用いた実装基板の劣化診断
  • 3.3 ロックイン赤外線発熱解析法(LIT)
  • 3.3.1 原理
  • 3.3.2 特徴
  • 3.4 LITを用いた故障解析事例
  • 4 おわりに