2009 ワールドワイドFAロボット/RT関連市場の現状と将来展望

2009 ワールドワイドFAロボット/RT関連市場の現状と将来展望

価格 97,000円+税 企業名 富士経済
発刊日 2009年09月25日 体裁 A4版 279ページ

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はじめに

 世界的な景気後退を受けて自動車関連、半導体・液晶などの業界において生産設備に対する設備投資抑制が見られるようになり、これまで右肩上がりの成長を遂げてきた産業用ロボット市場も大幅な縮小を余儀なくされている。2009年を折り返した時点において、デジタル家電生産ラインの稼働率の高まり、電動自動車向け部材や太陽電池パネル工場の建設、中国における液晶パネル工場建設、韓国大手電機メーカーの設備投資再開など、徐々に回復の兆しが出始めており、2010年以降市場は緩やかな回復に向かうと見られるが、依然として予断を許さない状況が続く。

 日本や欧米における自動車、デジタル家電の普及率は景気後退前から既に高い水準にあり、今後生産能力の増強に伴うロボット需要の大幅な拡大が見込めない状況である。一方、太陽電池、電動自動車など環境・エネルギー関連製品の需要が高まりを見せており、ロボットの成長アプリケーションとして期待される。既存のアプリケーションにおいては、より人に近い動作、判断が可能な柔軟なロボットの製品化に向けた研究開発を継続して行くことで、自動化が遅れるセル生産における複雑な組立作業や中小製造業などにおける潜在需要を掘り起こしていく必要があろう。

 中国においては、これまで安価な人件費などを頼って各国が生産拠点シフトを進めてきたが、急速な経済発展に伴い、世界最大の需要地となりつつある。人件費の高騰や品質要求の高まりから、ロボットによる自動化に対する意識が大手EMSやローカル家電メーカーなどで浸透しつつある他、ロボットが必要不可欠な液晶パネルや半導体の製造に乗り出すなど、日本や欧米を急速にキャッチアップしようとする動きがロボット市場拡大の大きな原動力となる。

 過去に例が無い程の苦渋を味わった2009年は、ロボット業界関係者にとって忌まわしき記憶として残ることであろうが、主力アプリケーションに期待できない状況下において産業用ロボット市場が取り組むべき方向性、課題を浮き彫りにし、真摯に向き合う機会を与えたという意味ではまさに「第二のロボット元年」であると言えよう。日本や欧米のロボットメーカー、また技術格差を縮めつつあるアジアロボットメーカーの高い技術力をもってすれば、潜在する自動化ニーズに対応可能なロボットの製品化も実現不可能ではない。2007年のピーク水準を上回り、再び市場拡大路線を歩むことを切に願うばかりである。

 産業用ロボット市場がこのような苦しい状況にある中で、もう一つのロボット市場であるサービスロボット市場への期待は一層高まっている。だがこちらも景気悪化の影響を受け、開発費の削減やユーザーの業績悪化などにより方針転換を余儀なくされているロボットメーカーもある。また、サービスロボット先進国と言われて久しい日本であるが、サービスロボット市場というこれまでにない新市場を立ち上げる産みの苦しみを味わい続けている。これまでのように高度な技術開発によって立ち上げを進めることももちろん重要であるが、これからはより一層ユーザーのニーズを掴んだ開発やビジネスを進めることや、個々のメーカーの力だけでなく産官学が連携してサービスロボットが受け入れられるような市場環境を構築することが求められている。

 海外に目を向けると、米国や欧州、韓国などでも積極的にサービスロボットの事業化に向けた取り組みが進められており、軍事や医療・福祉・介護など分野によっては日本以上に事業化が進んでいるところもある。そういった先行する取り組みも参考にし、そこに日本の強みである技術力などの特徴を活かすことで、日本としてのサービスロボット市場の方向性を定め、市場の立ち上げにつなげていくことが必要であろう。

 本調査資料は、ロボットを取り巻く環境の変化を捉え、今後の方向性に関するエッセンスを取りまとめたものとなっており、業界各社の事業戦略の一助となれば幸いである。

 なお、末筆ながら、本資料作成にあたり、快く取材に応じていただいた企業ご担当者様に、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。

2009年 9月

株式会社 富士経済
大阪マーケティング本部
第一事業部

調査対象分野

産業用ロボット、サービスロボット、構成部材、周辺機器

調査対象品目

A.産業用ロボット(17品目)

  • アーク溶接ロボット、スポット溶接ロボット、塗装ロボット、シーリングロボット、バリ取りロボット、研磨仕上げロボット、
  • 単軸型ロボット、直交型ロボット、卓上型ロボット、パレタイジングロボット、取り出しロボット、スカラ型ロボット、
  • 小型垂直多関節ロボット、双腕ロボット、パラレルリンクロボット、ガラス基板搬送ロボット、ウェハ搬送ロボット

B.サービスロボット(20品目)

  • 業務用ロボット
  • (受付・案内ロボット、清掃ロボット、セキュリティロボット、荷役・搬送ロボット、レスキューロボット、施設点検ロボット、
  • 水中作業ロボット、モビリティロボット、ヒューマノイドロボット)
  • 医療・介護・福祉用ロボット
  • (パワーアシスト・増幅スーツ、上肢支援ロボット、下肢リハビリロボット、手術ロボット、移乗ロボット、
  • 車椅子ロボット、セラピーロボット)
  • 家庭用ロボット
  • (掃除ロボット、ホームセキュリティロボット、コミュニケーションロボット、ホビーロボット)

C.構成部材(6品目)

  • ロボットコントローラ、精密制御減速機、FAケーブル、オートツールチェンジャ、
  • ロボット用ビジョンシステム、ロボット用力覚センサ

D.周辺機器(3品目)

  • スライダ、XYテーブル、リニアガイド

調査期間

2009年7月~2009年9月

調査方法

弊社専任調査員による対象企業へのヒアリングを実施した。

注記

  • 注:シェア算出に際しては、少数点第2位を四捨五入して表記している
  • その結果、シェア合計値が100%にならない場合も便宜上合計値を100%とみなしている。
  • 注:調査レポート中の実績は販売ベースで集計を行った。
  • 実績換算に使用した為替レートは1US$:105円、1ユーロ:155円、1ウォン:0.01円である。
  • 尚、産業用ロボットについてはグローバル市場を対象にし、サービスロボット、構成部材、周辺機器については
  • 日系メーカーのグローバル販売実績と、外資系メーカーの日本国内販売実績を対象としている。
  • 注:当調査レポート中の販売実績並びに見通しは全て、参入企業へのヒアリングをベースとした
  • 富士経済の推定に基づくデータである。

目次

I.総括編

  • 1.ロボット関連市場動向
  • 2.ワールドワイド産業用ロボット市場動向
  • 3.ワールドワイド産業用ロボットメーカーランキング(上位40社:2008年実績・金額ベース)
  • 4.ワールドワイド産業用ロボット需要動向(2008年実績・金額ベース)
  • 1)グローバル市場
  • 2)アジア市場
  • 5.カテゴリー別産業用ロボット市場動向
  • 1)カテゴリー別市場規模推移
  • 2)溶接・塗装系(アーク溶接、スポット溶接、塗装、シーリング、バリ取り、研磨仕上げ)
  • 3)組立・搬送系(卓上型、パレタイジング、取り出し、スカラ型、小型垂直多関節、双腕、パラレルリンク)
  • 4)アクチュエータ系(単軸型、直交型)
  • 5)クリーン搬送(ガラス基板搬送、ウェハ搬送)
  • 6.産業用ロボット主要アプリケーション動向
  • 1)アプリケーション分野別導入実績および伸長率(数量ベース)
  • 2)アプリケーション分野別ロボット需要構成(2008年→2010年数量ベース)
  • 7.成長アプリケーション分野における産業用ロボット導入状況/将来予測 (太陽電池、二次電池)
  • 1)成長アプリケーション市場規模・新規設備投資規模/予測
  • 2)成長アプリケーションにおける主要エンドユーザーの新規設備投資動向
  • 3)成長アプリケーションの製造工程とロボット採用状況
  • 8.産業用ロボットビジネス展開状況
  • 1)主要ロボットメーカーの海外戦略
  • 2)技術開発・新製品投入トレンド
  • 3)産業用ロボット中古機市場の動向
  • 9.産業用ロボット市場拡大の方向性
  • 1)市場拡大の方向性
  • 2)製造業における生産課題とロボット需要顕在化の方向性
  • 3)省力化以外のシーンでのロボット導入拡大の方向性
  • 10.サービスロボット/RT搭載機器ビジネス展開状況/拡大シナリオ
  • 1)サービスロボット市場規模推移
  • (1)全体市場
  • (2)カテゴリー別市場
  • 2)日本のサービスロボットビジネス拡大の方向性
  • 3)ビジネス拡大に向けた取り組みの動向
  • (1)企業/研究機関のアライアンスの動向
  • (2)行政/関連団体による普及に向けた取り組み
  • (3)RT関連キーデバイスの開発動向
  • (4)RTの既存機器への搭載動向
  • 4)海外における販売/開発/研究動向
  • (1)海外市場の概要
  • (2)地域別販売/開発/研究動向
  • (3)海外メーカーの日本におけるロボット関連特許登録主要事例(2007年)
  • 11.ロボット関連市場規模推移
  • 1)市場規模推移
  • 2)カテゴリー別トレンド分析
  • 3)品目別市場ランキング(金額ベース)

II.品目別市場編

  • A.産業用ロボット
  • 1.アーク溶接ロボット
  • 2.スポット溶接ロボット
  • 3.塗装ロボット
  • 4.シーリングロボット
  • 5.バリ取りロボット
  • 6.研磨仕上げロボット
  • 7.単軸型ロボット
  • 8.直交型ロボット
  • 9.卓上型ロボット
  • 10.パレタイジングロボット
  • 11.取り出しロボット
  • 12.スカラ型ロボット
  • 13.小型垂直多関節ロボット
  • 14.双腕ロボット
  • 15.パラレルリンクロボット
  • 16.ガラス基板搬送ロボット
  • 17.ウェハ搬送ロボット
<共通調査項目>
 1.製品概要/市場概況
 2.ワールドワイド市場規模推移
 3.エリア別市場規模推移
 4.メーカーシェア動向
 5.アプリケーション分野別需要動向
 6.技術開発・新製品投入状況
 7.省力化以外のシーンへの対応・方向性
 8.主要メーカーの海外生産・販売戦略と展開状況
 9.市場の課題と見通し
 10.主要参入企業一覧

  • B.サービスロボット
  • 1.業務用ロボット
  • (受付・案内、清掃、セキュリティ、荷役・搬送、レスキュー、施設点検、水中作業、モビリティ、ヒューマノイド)
  • 2.医療・介護・福祉用ロボット
  • (パワーアシスト・増幅スーツ、上肢支援、下肢リハビリ、手術、移乗、車椅子、セラピー)
  • 3.家庭用ロボット
  • (掃除、ホームセキュリティ、コミュニケーション、ホビー)
<共通調査項目>
 1.製品概要/定義
 2.市場概況/普及段階
 3.市場規模推移
 4.メーカーシェア動向
 5.海外における販売/開発/研究動向
 6.市場拡大に向けた取り組み動向
 7.市場の課題と見通し
 8.主要参入企業一覧

  • C.構成部材
  • 1.ロボットコントローラ
  • 2.精密制御減速機
  • 3.FAケーブル
  • 4.オートツールチェンジャ
  • 5.ロボット用ビジョンシステム
  • 6.ロボット用力覚センサ
<共通調査項目>
 1.製品概要/市場概況
 2.市場規模推移
 3.エリア別販売規模推移
 4.メーカーシェア動向
 5.アプリケーション分野別需要動向
 6.技術開発・新製品投入状況
 7.新市場へのアプローチ状況
 8.主要メーカーの海外生産・販売戦略と展開状況
 9.市場の課題と見通し
 10.主要参入企業一覧

  • D.周辺機器
  • 1.スライダ
  • 2.XYテーブル
  • 3.リニアガイド
<共通調査項目>
 1.製品概要/市場概況
 2.市場規模推移
 3.エリア別販売規模推移
 4.メーカーシェア動向
 5.アプリケーション分野別需要動向
 6.技術開発・新製品投入状況
 7.新市場へのアプローチ状況
 8.主要メーカーの海外生産・販売戦略と展開状況
 9.市場の課題と見通し
 10.主要参入企業一覧