2011 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望

2011 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望

価格 97,000円+税 企業名 富士経済
発刊日 2010年12月14日 体裁 A4版 281ページ

はじめに

 製造業向けロボット市場は2009年に過去に例が無い程の苦渋を味わったが、2010年には、自動車関連、半導体・液晶などの業界において設備投資が再開された他、これまで人手に頼ることが多かった中国において人件費の高騰を背景にロボットによる自動化が急速に進み、2008年並の市場規模にまで回復を遂げた。

 中国は、急速な経済発展に伴い、世界最大の需要地及びエレクトロニクス製品の生産地となりつつある。大手EMSやローカル家電メーカー、自動車メーカーなどでロボットが大量に導入されているほか、それら下請けまで含めて産業の裾野にまで需要が拡大している。また、先端技術が必要とされる液晶パネルや半導体の製造にも積極的に乗り出すなど、日本や欧米を急速にキャッチアップしている。また、アジア圏では大手EMSにおけるロボット内製の取組みや韓国、台湾ロボットメーカーが完成度を高め、着実に実績を拡大させてきている。

 日本や欧米では自動車、デジタル家電、PC、携帯電話などの生産においてロボットが自動化を担ってきたが、先進国におけるこれらアプリケーションの市場は買い替えが中心となりつつあり、ロボット導入は、生産量の拡大が問われる場面から質が問われる場面に変化してきており、多品種少量生産に柔軟な対応が可能なロボットの開発が進むことでの市場拡大が期待される。

 また、国内のモノづくりにおいては、市場の閉塞感やデフレスパイラルの進行などを背景に、エレクトロニクス製品のアジア生産シフトが進行している他、自動車までもが国内生産では耐えれない状況となりつつある。海外市場に活路を見出し、グローバル展開に取組むロボットメーカーにおいては、これまで高い信頼性に拘った国内生産、海外輸出で対応がなされてきたが、昨今の円高トレンドは海外での事業拡大の取組みを一瞬にして消し去る勢いであり、海外メーカーとの価格差にも大きな影響を及ぼしている。これに嫌気をさして、近い将来、構成部材メーカーを含めてロボットの海外生産・部材調達の流れが出てくると見られる。また、半導体、液晶製造装置などの先端技術装置産業においては、景気後退下に相当数の技術開発者がアジア圏に流出したと見られ、アジアローカルメーカーがキャッチアップのペースを速めている。経済に及ぼす影響が大きい主要製造業や生産財の海外生産シフトが進めば、モノづくりの空洞化は更に進むこととなる。日本のモノづくりをどのように位置付けていくのかは、もはや企業レベルではなく国・行政レベルで取り組むべき問題であり、対策如何によっては空洞化は更に進行していくであろう。2007年のピーク水準を上回り、再び市場拡大路線を歩むことを切に願うばかりである。

 生産財市場の先行きの不透明感から非製造業向けロボット市場への期待は一層高まっている。社会的に見ても少子高齢化の進行や共働き世帯の増加、農業人口の減少など、医療・介護・福祉、家事、農作業支援においてもロボットの活躍が期待される。新たな市場の立ち上げ、創出には産みの苦しみを伴うものではあるが、実証を通じてニーズとシーズの摺り合わせが進められることで、おぼろげながら取り組むべき方向性を見出すロボットメーカーも出始めており、歩みは遅いながら市場は着実に成長を遂げている。
 海外に目を向けると、米国や欧州、韓国などでも積極的にサービスロボットの事業化に向けた取り組みが進められており、軍事や医療・福祉・介護など分野によっては日本以上に事業化が進んでいるところもある。導入補助や法規制に柔軟な国での事業展開を図る動きが今後ますます活発化してくると見られる。

 本調査資料は、ロボットを取り巻く環境の変化を捉え、今後の方向性に関するエッセンスを取りまとめたものであり、業界各社の事業戦略の一助となれば幸いである。

 なお、末筆ながら、本資料作成にあたり、快く取材に応じていただいた企業ご担当者様に、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。


2010年 12月

株式会社 富士経済
大阪マーケティング本部
第二事業部

調査対象分野

製造業向けロボット、非製造業向けロボット、製造業向けロボット構成部材

調査対象品目

A.製造業向けロボット市場(16品目)

  • アーク溶接ロボット、スポット溶接ロボット、塗装ロボット、バリ取りロボット、
  • スカラロボット、小型垂直多関節ロボット、垂直多関節ロボット(スリム・高速・双腕タイプ)、
  • パラレルリンクロボット、卓上型ロボット、パレタイジングロボット、取り出しロボット、
  • 単軸ロボット、直交ロボット、電動スライダ、ガラス基板搬送ロボット、ウエハ搬送ロボット

B.製造業向けロボット構成部材市場(3品目)

  • ロボット用ケーブル、精密制御減速機、ロボット用サーボモータ

C.非製造業向けロボット市場(14品目)

  • 家事/生活支援ロボット(掃除ロボット、セキュリティロボット、ホビーロボット)
  • 医療・介護・福祉ロボット(パワーアシスト・増幅スーツ、セラピーロボット、手術ロボット)
  • 業務ロボット(荷役・搬送ロボット、水中作業ロボット、受付・案内ロボット、ヒューマノイドロボット
  • 施設点検ロボット、レスキューロボット、業務用セキュリティロボット)
  • 農業ロボット(収穫ロボット)

D.非製造業向けロボット事業取組み事例(40事例)

調査期間

2010年9月~2010年12月

調査方法

弊社専任調査員による対象企業へのヒアリングを実施した。

目次

I.総括編

  • 1.ロボット市場全体俯瞰 (1)
  • 2.製造業向けロボット市場動向 (2)
  • 3.製造業向けロボットと非製造業向けロボットの関連性/非製造業向けロボットへの普及可能性 (3)
  • 1)展開状況・方向性 (3)
  • 2)関連性・普及可能性 (4)
  • [1]制御技術 (4)
  • [2]搭載デバイス・ソフトウェア技術 (4)
  • [3]安全対策 (5)
  • [4]低価格化 (5)
  • [5]参入企業の特徴 (6)
  • [6]ビジネスモデル (6)
  • 4.非製造業向けロボット市場動向 (7)
  • 1)カテゴリー別市場動向 (7)
  • 2)ロボット別市場動向 (8)
  • 5.製造業向けロボットカテゴリー別市場動向 (9)
  • 1)カテゴリー別市場規模推移 (9)
  • 2)溶接・塗装系(アーク溶接、スポット溶接、塗装、バリ取り) (10)
  • 3)組立・搬送系(スカラ、小型垂直多関節、垂直多関節、パラレルリンク、卓上型、パレタイジング、取り出し) (14)
  • 4)アクチュエータ系(単軸、直交、電動スライダ) (18)
  • 5)クリーン搬送系(ガラス基板搬送、ウエハ搬送) (22)
  • 6.製造業向けロボット地域別需要動向(2010年実績・金額ベース) (26)
  • 1)グローバル市場 (26)
  • 2)アジア市場 (27)
  • 7.製造業向けロボットのアプリケーション動向 (28)
  • 1)アプリケーション分野別導入実績および伸長率(数量ベース) (28)
  • 2)アプリケーション分野別ロボット需要構成(2009年→2011年数量ベース) (29)
  • 8.中国市場の動向 (32)
  • 1)ロボット別市場動向 (32)
  • 2)主要ロボットメーカーの取組み (33)
  • [1]販売動向 (33)
  • [2]生産動向 (35)
  • [3]アジアローカルロボットメーカーの動向 (36)
  • 9.市場の課題と見通し (37)
  • 10.主要ロボットメーカーの事業戦略 (38)
  • 11.非製造業向けロボット市場・参入企業事例の分析 (41)
  • 1)参入業種・背景 (41)
  • 2)ロボット導入ターゲット及び販売方法 (44)
  • 3)アライアンス動向 (46)
  • 4)普及課題と対応策 (49)
  • 5)製品化・市場見通し (51)
  • 6)市場形成・拡大事由 (54)
  • 7)新規参入の可能性分析 (56)
  • 12.非製造業向けロボットの海外の取組み動向 (58)
  • 1)海外における取組み動向 (58)
  • 2)国/地域別動向 (58)
  • 3)メーカー別取組み動向 (59)

II.品目別市場編

  • A.製造業向けロボット
  • 1.アーク溶接ロボット (67)
  • 2.スポット溶接ロボット (73)
  • 3.塗装ロボット (79)
  • 4.バリ取りロボット (85)
  • 5.単軸ロボット (91)
  • 6.直交ロボット (97)
  • 7.電動スライダ (103)
  • 8.スカラロボット (109)
  • 9.小型垂直多関節ロボット (115)
  • 10.垂直多関節ロボット(スリム・高速・双腕タイプ) (121)
  • 11.パラレルリンクロボット (127)
  • 12.卓上型ロボット (133)
  • 13.パレタイジングロボット (139)
  • 14.取り出しロボット (145)
  • 15.ガラス基板搬送ロボット (151)
  • 16.ウエハ搬送ロボット (157)
<共通調査項目>
 1.製品概要/定義
 2.市場規模推移/予測
 3.エリア別市場規模推移
 4.メーカー別シェア
 5.アプリケーション別需要動向
 6.主要メーカーの中国展開状況
 7.市場の課題と見通し
 8.主要参入企業一覧

  • B.製造業向けロボット構成部材
  • 1.ロボット用ケーブル (163)
  • 2.精密制御減速機 (171)
  • 3.ロボット用サーボモータ (179)
<共通調査項目>
 1.製品概要/定義
 2.市場規模推移/予測
 3.エリア別市場規模推移
 4.メーカー別シェア
 5.アプリケーション別需要動向
 6.市場の課題と見通し
 7.主要参入企業一覧

  • C.非製造業向けロボット
  • 1.掃除ロボット (187)
  • 2.セキュリティロボット (191)
  • 3.ホビーロボット (195)
  • 4.パワーアシスト・増幅スーツ (199)
  • 5.セラピーロボット (203)
  • 6.手術ロボット (207)
  • 7.荷役・搬送ロボット (211)
  • 8.水中作業ロボット (215)
  • 9.受付・案内ロボット (219)
  • 10.ヒューマノイドロボット (223)
  • 11.施設点検ロボット (227)
  • 12.レスキューロボット (231)
  • 13.業務用セキュリティロボット (235)
  • 14.収穫ロボット (239)
<共通調査項目>
 1.製品概要
 2.市場形成・開発状況
 3.市場規模推移・予測
 4.アライアンス動向
 5.メーカー別シェア・取組み状況
 6.市場の課題・見通し
 7.主要参入企業/機関一覧

III.非製造業向けロボット事業取組み事例編

  • D.取組み事例
  • 1.iRobot Corporation (243)
  • 2.セールス・オンデマンド(株) (244)
  • 3.(株)テムザック (245)
  • 4.近藤科学(株) (247)
  • 5.サイバーダイン(株) (249)
  • 6.アクティブリンク(株) (251)
  • 7.(株)知能システム (253)
  • 8.Intuitive Surgical, Inc. (255)
  • 9.(株)ココロ (256)
  • 10.ED Corporation., Ltd (258)
  • 11.三井造船(株) (259)
  • 12.本田技研工業(株) (261)
  • 13.大和ハウス工業(株) (262)
  • 14.トピー工業(株) (264)
  • 15.国立大学法人岡山大学 (266)
  • 16.Lely Holding S.à r.l. (267)
  • 17.川崎重工業(株) (268)
  • 18.パナソニック(株) (270)
  • 19.(株)安川電機 (272)
  • 20.キヤノン(株) (274)
  • 21.トヨタ自動車(株) (275)
  • 22.Segway Inc. (275)
  • 23.川田工業(株)  (275)
  • 24.富士重工業(株)  (276)
  • 25.綜合警備保障(株)  (276)
  • 26.フィグラ(株)  (276)
  • 27.三菱電機特機システム(株)  (277)
  • 28.MDA Spase Missions  (277)
  • 29.SeaBotix, Inc.  (277)
  • 30.Boston Dynamics  (278)
  • 31.Rotundus AB.  (278)
  • 32.Otto Bock HealthCare GmbH  (278)
  • 33.(株)前川製作所  (279)
  • 34.セコム(株)  (279)
  • 35.(株)富士通研究所  (279)
  • 36.(株)村田製作所  (280)
  • 37.産業技術総合研究所 知能システム研究部門  (280)
  • 38.KUKA Roboter GmbH  (280)
  • 39.(株)サンワハイテック  (281)
  • 40.General Motors Corporation  (281)
<共通調査項目> ※対象企業により、調査項目が若干異なる場合があります。
 1.企業プロフィール
 2.参入経緯・背景
 3.製品・技術概要
 4.アライアンス動向
 5.販売実績・見通し
 6.導入ターゲット
 7.普及課題と対応策
 8.製品化・市場の見通し