2012 電池関連市場実態総調査 上巻

2012 電池関連市場実態総調査 上巻

価格 97,000円+税 出版社 富士経済
発刊日 2012年01月18日 体裁 A4版 361ページ

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はじめに

2008年9月のリーマンショックに端を発する世界的な景気後退からようやく世界経済が立ち直りつつあったところに、2009年10月のギリシャの財政危機は、イタリアやスペインなど欧州全土に伝染し、さらに世界全体にも景気先行き不透明感を与えている。今回の状況は、リーマンショックを契機とする時以上の経済大打撃になるかもしれないと予想する見方もでている。

電池業界では、2009年のリーマンショックによる景気の後退により需要が大きく減退したが、早くも2010年には立ち直り、2011年も引き続き電池市場の回復さらには拡大傾向にあった。
ところが日本では、2011年3月に東日本大震災があり、電池業界のみならず自動車や他の電子機器のサプライチェーンが大きく崩れ、数か月間生産が全面的にストップする状況となった。これにより、リスク分散の点からも、電池メーカーなどでは海外へ生産拠点を移したり、新設したりする動きが加速した。2011年4月~7月は乾電池などが品薄になり、震災特需となった。
中東・北アフリカ情勢の緊迫化は、中国の山寨機(コピー製品)市場とそれに搭載される電池にも大きく影響を与えている。
さらに2011年7月タイの大洪水が発生し、HDDやデジカメ関連部品などの生産がストップした。今のところPCメーカーはHDDの在庫を持っているためノートブックPC市場に大きな影響はないが、2012年以降の受給状況は注視しなければならない。
ここ数年来の電池材料の高騰が一服し、コスト低減が可能になりつつあるものの、製品価格の下落はおさまらず、電池メーカーの収益を圧迫している。そのため電池メーカーにとっては、シェアの小さい製品の事業継続が困難な状況となっており、他社からの調達に切り替えるなどの対応が促進されている。今後も、各社が強みを有する電池製品に開発・生産の経営資源を集中させ、それ以外の電池については提携によって補完するといったスタンスがさらに強まるものとみられ、この動きが大きくなれば、業界の再編にもつながっていく。その大きなトピックスとして、パナソニックと三洋電機の経営統合が挙げられる。いよいよ2012年1月より、その変革の全貌が明らかになり、新体制のもとリチウムイオン二次電池にシフトした事業展開を行うとみられる。大手電池メーカー同士のこの動きは、少なからず他の電池メーカーに影響が生じるものとみられる。

次世代電池の国を挙げての開発が日本、米国、中国などで進められているが、まだ実用化されている電池はない。
そのため現状ではリチウムイオン二次電池が、高性能化し、各種需要を取り込んで市場を拡大している。日系電池メーカーは生産体制を整備し、海外電池メーカーも大型投資による増産を行っている。当面は堅調な需要が見込まれ、市場も堅調に推移するものとみられる。

自動車分野に目を向けると、性能面や安全性の向上などにより、電動自動車へのリチウムイオン二次電池の搭載が2009年より本格的に立ち上がっている。既にリチウムイオン二次電池に大きくシフトした充電式電動工具向け電池などと同様に、車載用電池もニッケル水素電池からリチウムイオン二次電池へシフトが進んでいる。現在、電気自動車やハイブリッド車向けのリチウムイオン二次電池の開発・生産について、電池メーカーと自動車メーカーとの間で提携が結ばれ、工場建設など供給の準備が進行し、本格生産が開始されている。
電力貯蔵(ESS)用では、スマートグリッドでの採用や、工場向け、家庭用など定置用のモジュール製品化が進んでおり、電気自動車を電力貯蔵用に使用するといった構想もあり、新たな需要の獲得が図られている。
ポータブル機器でも、従来の主要用途であるノートブックPC、スマートフォンに加え、タブレットPCなど急成長用途が出現している。

韓国リチウムイオン二次電池メーカー大手2社と日系同電池メーカーとのシェア争いも激しさが増している。韓国電池メーカーでは、ウォン安という為替のメリットを最大限に生かした販売展開を行っている。

電池事業の収益性は、ユーザーからの低価格要求が引き続き厳しさを増しており、厳しい状況は変わらない。そのため大型の設備投資を行い、量産体制を整備することも重要となっている。コバルト、ニッケルなどのレアメタルや、鉛などの主要部材の高騰が沈静化しているものの、検査などを含めた製造コストは上昇傾向にあり、電池メーカーを取り巻く市場環境は厳しいことには変わりがない。


当該資料では、前々回より中国市場に注目し、中国のリチウムイオン二次電池・ニッケル水素電池市場を本格的に調査している。今回も、メーカーの実績・シェア動向などを把握するため、入念な現地取材を行った。
当調査資料は、このような市場環境や業界動向を総合的に俯瞰すると共に、主要な日系電池メーカーの増産状況、伸長が著しい海外電池メーカーの動向を踏まえ、電池の各品目ごとにワールドワイドの生産出荷ベースで市場を捉えた最新データを提供し、電池市場の現状と将来展望を総合的にまとめ上げた。

末筆になりましたが、今回の資料作成にあたり、快く取材などに御協力頂きました企業様、御担当者様に深く感謝致しますとともに、当調査資料が業界発展の一助となれば幸いです。

2012年1月

株式会社 富士経済
大阪マーケティング本部 
プロジェクト

調査対象品目/メーカー

調査対象品目

  • 【一次電池】  8品目
  • 【二次電池】  13品目
  • 【次世代電池】  5品目
  • 【主要リチウムイオン二次電池応用製品】  14品目

【取材対象メーカー】

パナソニック エナジー社、三洋電機、ソニー、ジーエス・ユアサ コーポレーション、NECトーキン、日立マクセルエナジー、新神戸電機、FDK、東芝、プライムアースEVエナジー、Samsung SDI、LG Chemical、Rocket Electric、BYD、天津力神電池、BAK、B&K、Coslight、ATL、 広州市虎頭電池、福建南平南孚電池、上海白象天鵝電池、E-ONE MOLI ENERGY、Johnson Controls、EnerSys、Energizer Battery、The Procter & Gamble Company、Spectrum Brands、Saft Group、VARTA Microbatteryほか大手電池メーカー

調査期間

2011年9月~2011年12月

目次

I.電池市場総括編

  • 1.電池市場展望(現状と将来展望)
  • 1)電池市場の現状と将来展望 (1)
  • [1]一次電池(8品目)の市場規模推移 (1)
  • [2]二次電池(13品目)の市場規模推移 (3)
  • 2)全体市場動向 (5)
  • 3)一次電池市場動向 (6)
  • 4)二次電池市場動向 (7)
  • 5)世界経済の停滞による電池市場への影響 (9)
  • [1]世界経済の概観(リーマンショック後~現在)
  • [2]主要国・地域別経済見通し
  • [3]リーマンショック前を100とした場合の電池関連企業2社の実績推移
  • 2.グローバルにおける主要二次電池市場動向
  • 1)日・韓6大リチウムイオン二次電池メーカーのリチウムイオン二次電池タイプ別(ポータブル端末用)実績推移分析 (12)
  • 2)各メーカーの注力電池タイプ/注力応用製品比較 (13)
  • 3)リチウムイオン二次電池(角・シリンダ・ラミネート)における日・韓・中の実績比較 (15)
  • 3.注目電池メーカーの戦略、取組み
  • 1)主要電池メーカーの位置付け (16)
  • 2)主要電池メーカーの製品ラインナップ及び注力状況 (17)
  • 3)主要リチウムイオン二次電池メーカーの展開状況
  • [1]主要リチウムイオン二次電池メーカーの展開状況、方向性 (21)
  • [2]日系電池メーカーのリチウムイオン二次電池増産計画 (23)
  • 4)提携、OEM供給関係相関図 (24)
  • 5)電動自動車駆動用二次電池展開状況
  • [1]リチウムイオン二次電池(提携・出資相関図/供給関係)(26)
  • [2]ニッケル水素電池(供給関係)(29)
  • [3]主要電池メーカーの生産計画(電動自動車向けリチウムイオン二次電池)(30)
  • [4]大手自動車メーカーの電動自動車投入計画 (32)
  • 6)リチウムイオン二次電池メーカー → モバイル・ポータブル端末メーカー供給関係 (37)
  • 7)主要メーカー/拠点の生産能力推定
  • [1]メーカー別 [2]電池種類別 (38)
  • 4.注目用途の展開・需要性 (54)
  • 1)主要ポータブル/モバイル端末 2)充電式電動工具 3)電動自動車/自転車
  • 4)スマートグリッド 5)家庭用・産業用・ESS用
  • 5.次世代電池の市場展望 (59)
  • 6.電池、キャパシタ等の競合、棲み分け状況 (60)
  • 7.電池回収・リサイクルシステムの動向 (62)
  • 1)リサイクル関連団体の動向 2)国内電池メーカー/関連企業・団体の取り組み
  • 3)海外における二次電池のリサイクルシステム
  • 8.行政・研究機関などのロードマップ策定状況 (66)
  • 9.市場トレンド・予測
  • 1)一次電池 (71)
  • 2)二次電池 (76)
  • ―共通―
  • [1]中期的市場規模推移(数量ベース)
  • [2]2010年を100%としたときの中期見通し(数量ベース)
  • [3]電池別メーカーシェア(数量ベース:2010年)
  • [4]アプリケーション別ウェイト(数量ベース:2010年)
  • [5]アプリケーション動向
  • 10.電池別集計
  • 1)一次電池 (82)
  • 2)二次電池 (86)
  • ―共通―
  • [1]市場規模推移、予測
  • [2]メーカーシェア(2010年ベース)
  • 11.電池別主要参入企業一覧 (93)
  • 1)一次電池・二次電池編
  • 2)次世代電池編
  • 3)中国主要電池メーカー一覧
  • 4)中国主要電池メーカー分布図
  • (参考資料)主要メーカーのリチウムイオン二次電池スペック一覧 (110)

II.電池市場編

1)一次電池
  • 1.マンガン乾電池 (121)
  • 2.アルカリマンガン乾電池 (127)
  • 3.アルカリボタン電池 (134)
  • 4.酸化銀電池 (140)
  • 5.二酸化マンガンリチウム電池(コイン) (146)
  • 6.二酸化マンガンリチウム電池(シリンダ) (152)
  • 7.塩化チオニルリチウム電池 (158)
  • 8.空気亜鉛電池 (164)
2)二次電池
  • 1.鉛蓄電池 (169)
  • 2.ニカド電池 (178)
  • 3.ニッケル水素電池(小型) (184)
  • 4.ニッケル水素電池(大型) (192)
  • 5.リチウムイオン二次電池(シリンダ) (198)
  • 6.リチウムイオン二次電池(角) (208)
  • 7.リチウムイオン二次電池(ラミネート) (219)
  • 8.リチウムイオン二次電池(車載専用) (229)
  • 9.リチウムイオン二次電池(産業用・ESS用) (250)
  • 10.リチウム二次電池(コイン) (257)
  • 11.電気二重層キャパシタ(小容量) (263)
  • 12.電気二重層キャパシタ(中・大容量) (269)
  • 13.ナトリウム硫黄電池(NAS電池) (276)
共通調査項目
 1.製品特徴
 2.市場規模推移、予測 (数量・金額)
 3.メーカーシェア
 4.用途別構成
 5.価格動向
 6.開発・生産拠点状況
 7.新製品開発動向
 8.今後の市場展開予測
3)次世代電池
  • 1.全固体型リチウム二次電池(281)
  • 2.金属空気二次電池(285)
  • 3.ナトリウムイオン二次電池(288)
  • 4.マグネシウムイオン二次電池 (290)
  • 5.レドックスフロー電池 (292)
共通調査項目
 1.近年の注目ポイント
 2.想定アプリケーション
 3.製品定義/製品特性
 4.製品開発
 5.開発ステージ/市場展望
 6.研究開発機関、企業動向

III.リチウムイオン二次電池パック市場編

  • 1.ノートブックPC向けリチウムイオン二次電池パック市場 (295)
共通調査項目
 1.主要用途別パック、システム概要
 2.市場規模推移、予測
 3.パッカーシェア
 4.供給関係
 5.今後の市場展開予測

IV.リチウムイオン二次電池主要応用製品市場編

  • 1.ノートブックPC (299)
  • 2.タブレットPC (303)
  • 3.フィーチャーフォン(従来型携帯電話) (308)
  • 4.スマートフォン (313)
  • 5.デジタルスチルカメラ(DSC) (319)
  • 6.デジタルビデオカメラ (323)
  • 7.携帯ゲーム機 (327)
  • 8.ポータブルオーディオ・メディアプレーヤ(PMP)(331)
  • 9.充電式電動工具 (335)
  • 10.電気自動車(EV) (340)
  • 11.ハイブリッド車(HEV) (344)
  • 12.プラグインハイブリッド車(PHEV) (348)
  • 13.電動アシスト自転車 (352)
  • 14.電力貯蔵システム(ESS) (356)
共通調査項目
 1.応用製品市場
 2.応用製品向けリチウムイオン二次電池市場
 3.応用製品メーカーのリチウムイオン二次電池調達
 4.リチウムイオン二次電池調達関係