2012 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望

2012 ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望

価格 97,000円+税 企業名 富士経済
発刊日 2012年03月21日 体裁 A4版 253ページ

はじめに

 製造業向けロボット市場は、2009年のリーマンショックによる落ち込み以降、順調な回復、成長を遂げている。2011年はこれまで低水準であった自動車関連の設備投資が欧米で活発に見られたほか、スマートフォンやタブレット関連での設備投資が活況を呈し、更なる市場拡大を遂げている。2011年後半には世界的に設備投資が停滞する局面に陥ったものの、2012年に入ってアジアを中心に設備投資が回復基調にあるほか、引き続きスマートフォンやタブレット関連での活況が見込まれるなど、2012年も市場拡大が予測され、製造業向けロボット市場の成長の勢いは止まらない。

 市場拡大の原動力はアジアにおける自動化ニーズの高まりであり、日本や欧米における市場回復、拡大も、これら地域へロボットを組み込んだ生産財の間接輸出に多くを依存しているといっても過言ではない状況となった。特に中国では人件費の高騰や製品品質要求の高まりを受けて、これまでの大手EMSやローカル家電メーカー、自動車メーカーといったロボット顧客層から、下請けまで含めた産業の裾野にまで需要が拡大しており、中小規模のローカルユーザーでのロボット需要が急速に拡大している。

 2015年頃には中国が製造業向けロボットの世界最大のマーケットに成長すると見られ、急速に増大するアジア需要を取り込むべく、主要ロボットメーカーはアジア諸国に積極的な展開を図っている。しかし、アジアでのロボット販売が拡大する一方で、価格要求や円高などがロボットメーカーの利益を圧迫し始めている。ロボットには高品質が求められることから、これまで国内生産が一般的であったが、中長期的なロボット事業の利益確保を目的としてアジアでの生産を開始するロボットメーカーが散見されるようになったほか、その他ロボットメーカーでもアジア生産の検討が開始されている。一方で、ロボットの品質維持を目的として、国内生産に拘り、ロボット生産の自動化、主要構成部材の内製、アジア下請けメーカーの起用などによるコスト対応を図るロボットメーカーもみられる。いずれの製造拠点においても、将来的には現状の2割程度のコストダウンが必要とされ、ロボットメーカー、構成部材メーカーがこれに耐えられなければ以前に見られたような業界再編が再び起こるであろう。
 日本や欧米などの既に大量のロボットを保有する先進国においては、多品種少量生産に柔軟な対応が可能なロボットの開発が進むことでの市場拡大が期待される。

 国内のモノづくりは、国内市場の閉塞感やデフレスパイラルの進行、長引く円高などを背景にエレクトロニクス製品のアジアシフトが進行している他、一大産業である自動車までもが国内生産では耐えられない状況となりつつある。経済に及ぼす影響が大きい主要製造業や生産財の海外生産シフトが進めば、モノづくりの空洞化は更に進むこととなる。
 日本のモノづくりをどのように位置付けていくのかは、もはや企業レベルではなく、国・行政主導で取り組むべき課題であり、このまま放置が続けばモノづくりの空洞化は更に進行していくであろう。

 一方、少子高齢化の進行や共働き世帯の増加、農林水産人口の減少などの社会的な背景から、非製造業向けロボットへの期待は一層高まっている。医療・介護・福祉、家事/生活支援、農作業支援などでロボットの活躍が期待されている。家庭用の掃除ロボットではコンセプト、機能、価格設定が受け入れられ、家電としての地位を築くまでになった。
 非製造業向けロボット市場の立ち上げ、創出は産みの苦しみを伴うものであるが、実証を通じてニーズとシーズの摺り合わせが進められることで、おぼろげながら取り組むべき方向性を見出すロボットメーカーも出始めており、歩みは遅いながら市場は着実に成長を遂げている。

 本調査資料は、ロボットを取り巻く市場環境の変化を捉え、今後の方向性に関するエッセンスを取りまとめたものであり、業界各社の事業戦略の一助となれば幸いである。

 尚、末筆ながら、本資料作成にあたり、快く取材に応じて頂いた企業ご担当者様に、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。


2012年 3月

株式会社 富士経済
大阪マーケティング本部
第二事業部

調査対象分野

製造業向けロボット、非製造業向けロボット、製造業向けロボット構成部材

調査対象品目

A.製造業向けロボット市場(15品目)

アーク溶接ロボット、スポット溶接ロボット、塗装ロボット、単軸型ロボット、直交型ロボット、 電動スライダ、卓上型ロボット、パレタイジングロボット、取り出しロボット、スカラ型ロボット、 小型垂直多関節ロボット、小型垂直多関節ロボット(スリム・高速・双腕タイプ)、 パラレルリンクロボット、ガラス基板搬送ロボット、ウエハ搬送ロボット


B.製造業向けロボット構成部材市場(6品目)

FAケーブル、精密制御減速機、ロボット用サーボモータ、オートツールチェンジャ、力覚センサ、 ビジョンシステム


C.非製造業向けロボット市場(12品目)

掃除ロボット、ホームセキュリティロボット、コミュニケーションロボット、 パワーアシスト・増幅スーツ、医療ロボット、受付・案内ロボット、レスキューロボット、 施設点検ロボット、ヒューマノイドロボット、枝打ちロボット、農業用無人ヘリ、搾乳ロボット


D.非製造業向けロボットの先進的な研究開発事例(40事例)

調査期間

2011年12月~2012年3月

調査方法

弊社専任調査員による対象企業へのヒアリングを実施した。

目次

Ⅰ.総括編

  • 1.ロボット市場全体俯瞰 (1)
  • 2.ロボット市場拡大の方向性 (2)
  • 1)製造業向けロボット市場拡大の方向性 (2)
  • [1]全体俯瞰 (2)
  • [2]需要地の拡大 (3)
  • [3]需要分野の拡大 (4)
  • [4]複雑な作業の代替 (5)
  • 2)非製造業向けロボット市場拡大の方向性 (6)
  • [1]全体俯瞰 (6)
  • [2]システム・周辺機器との連携の方向性 (7)
  • [3]既存製品のブラッシュアップの方向性 (8)
  • [4]想定される市場本格化時期と見通し (9)
  • 3.製造業向けロボット市場動向 (10)
  • 1)カテゴリ別市場規模推移 (10)
  • [1]全体市場規模(2010年実績~2015年予測、2020年予測・金額ベース) (10)
  • [2]溶接・塗装系 (11)
  • [3]アクチュエータ系 (16)
  • [4]組立・搬送系 (21)
  • [5]クリーン搬送系 (26)
  • 2)地域別市場規模 (31)
  • [1]グローバル市場規模(2010年実績~2012年見込・金額ベース) (31)
  • [2]アジア市場規模(2010年実績~2012年見込・金額ベース) (32)
  • [3]グローバル市場規模予測(2011年実績、2015年予測、2020年予測・金額ベース) (33)
  • 3)アプリケーション別市場動向(数量ベース) (34)
  • [1]アプリケーション別市場動向推移(2010年実績~2012年見込) (34)
  • [2]アプリケーション分野別ロボット需要構成(2011年→2012年数量ベース) (35)
  • 4)アジア市場の動向 (38)
  • [1]全体市場規模推移 (38)
  • [2]地域別市場規模推移(2010年実績~2020年予測・金額ベース) (39)
  • [3]主要ロボットメーカーの取り組み動向 (43)
  • 5)市場の課題と見通し (45)
  • 6)主要ロボットメーカーの事業戦略 (46)
  • 4.非製造業向けロボット市場動向 (49)
  • 1)カテゴリ別市場動向 (49)
  • 2)ロボット別市場動向 (50)
  • 3)先進的なロボット開発動向分析 (51)
  • [1]研究開発の概要 (51)
  • [2]ロボット導入ターゲットと普及課題・対応策 (54)
  • [3]市場顕在化見通し (57)
  • [4]想定される参入プレーヤー (62)
  • 4)海外での取り組み動向 (65)
  • [1]市場動向 (65)
  • [2]研究開発の取り組み動向 (65)

Ⅱ.品目別市場編

A.製造業向けロボット
  • 1.アーク溶接ロボット (67)
  • 2.スポット溶接ロボット (72)
  • 3.塗装ロボット (77)
  • 4.単軸型ロボット (82)
  • 5.直交型ロボット (87)
  • 6.電動スライダ (92)
  • 7.卓上型ロボット (97)
  • 8.パレタイジングロボット (102)
  • 9.取り出しロボット (107)
  • 10.スカラ型ロボット (112)
  • 11.小型垂直多関節ロボット (117)
  • 12.小型垂直多関節ロボット(スリム・高速・双腕) (122)
  • 13.パラレルリンクロボット (127)
  • 14.ガラス基板搬送ロボット (132)
  • 15.ウエハ搬送ロボット (137)
<共通調査項目>
 1.製品概要/定義
 2.エリア別市場規模推移/予測
 3.アジア市場の動向
 4.メーカーシェア
 5.アプリケーション別需要動向
 6.市場拡大要因と方向性
 7.市場の課題と見通し
 8.主要参入企業一覧
B.製造業向けロボット構成部材
  • 1.FAケーブル (143)
  • 2.精密制御減速機 (151)
  • 3.ロボット用サーボモータ (159)
  • 4.オートツールチェンジャ (163)
  • 5.力覚センサ (168)
  • 6.ビジョンシステム (173)
<共通調査項目>
 1.製品概要/定義
 2.エリア別市場規模推移/予測
 3.アジア市場の動向
 4.メーカーシェア
 5.アプリケーション別需要動向
 6.市場の課題と見通し
 7.主要参入企業一覧
C.非製造業向けロボット
  • 1.掃除ロボット (179)
  • 2.ホームセキュリティロボット (183)
  • 3.コミュニケーションロボット (187)
  • 4.パワーアシスト・増幅スーツ (191)
  • 5.医療ロボット (195)
  • 6.受付・案内ロボット (199)
  • 7.レスキューロボット (203)
  • 8.施設点検ロボット (207)
  • 9.ヒューマノイドロボット (211)
  • 10.枝打ちロボット (215)
  • 11.農業用無人ヘリ (219)
  • 12.搾乳ロボット (223)
<共通調査項目>
 1.製品概要
 2.市場形成・開発状況
 3.市場規模推移・予測
 4.システム・周辺機器との連携の方向性
 5.メーカーシェア
 6.既存製品のブラッシュアップの方向性
 7.市場の課題・見通し
 8.主要参入企業/機関一覧
    D.非製造業向けロボットの先進的な研究開発事例
    • 1.ホビーロボット (227)
    • 2.スマートハウスロボット (228)
    • 3.モビリティロボット (229)
    • 4.盲導犬ロボット (230)
    • 5.細胞自動培養ロボット (231)
    • 6.視覚障害者支援ロボット (232)
    • 7.見守り・通報ロボット (233)
    • 8.移乗ロボット (234)
    • 9.食事支援ロボット (235)
    • 10.着衣支援ロボット (236)
    • 11.原発廃炉処理ロボット (237)
    • 12.荷役搬送ロボット (238)
    • 13.清掃ロボット (239)
    • 14.アミューズメントロボット (240)
    • 15.水中作業ロボット (241)
    • 16.洗髪ロボット (242)
    • 17.収穫ロボット (243)
    • 18.ロボット用サーボモータ(非製造業向け) (244)
    • 19.画像認識デバイス (245)
    • 20.音声認識デバイス (246)
    • 21.炊事ロボット (247)
    • 22.車椅子ロボット (247)
    • 23.歩行アシストロボット (247)
    • 24.寿司ロボット (248)
    • 25.アスベスト対策工事ロボット (248)
    • 26.遠隔操作車両 (248)
    • 27.洗濯物仕分けロボット (249)
    • 28.自律走行型搬送ロボット (249)
    • 29.除草ロボット (249)
    • 30.漁業ロボット (250)
    • 31.圧電アクチュエータ (250)
    • 32.減速機 (250)
    • 33.人工鞭毛モータ (251)
    • 34.知能化ソフトウェアモジュール (251)
    • 35.給電システム (251)
    • 36.超音波センサ (252)
    • 37.ジャイロセンサ (252)
    • 38.触覚センサ (252)
    • 39.全方位センサ (253)
    • 40.細胞利用においセンサ (253)
    <共通調査項目> ※対象ロボットにより、調査項目が若干異なる場合があります。
     1.研究開発の概要
     2.導入ターゲット分野
     3.普及課題と対応策
     4.市場顕在化見通し
     5.想定される参入プレーヤー