高分子材料市場:2006年に向けて驚異的な伸びを示す、表示材用高分子材料


高い成長を続けてきた米国のIT関連企業の業績も2001年には調整局面に入り、IT産業をハード面で構成する半導体・液晶その他電子機器市場もその影響により一次的な需要の落ち込みを示しました。しかし、半導体ファイン化技術や高密度表面実装技術、情報通信技術等、エレクトロニクス関連技術は、近年急速に高度化し、カメラ携帯電話、デジタルスチルカメラ、車載機器等、末端機器の小型・軽量化、高性能化、多機能化を支える技術として新たな需要獲得に貢献しており、ここに来て市場活性化の傾向が顕著化してきております。

他方、次世代表示材料として注目される有機ELのフルカラー化、個人用携帯ディスプレイとして期待されるフレキシブルシート型ディスプレイの開発、ワイヤレス社会のインフラ面をカバーし携帯端末から電気自動車までをターゲットとする導電性高分子採用の新型2次電池の開発など、当該高分子材料市場は現在大きなターニングポイントを迎えています。

ここでは、限りなく軽・薄・小型化が進められる半導体・液晶・実装技術を支える、高分子・フィルム・シート等のエレクトロニクス用途の高分子材料についてマーケットを見てまいりましょう。
ナノテクノロジーの現状と将来展望について概要を見てみましょう。第1図はナノテクノロジー関連市場の全体像です。現状(2002年度売上実績)では、材料・素材市場が中心となっています。

ここで取り上げておりますエレクトロニクス高分子材料は第1表に分類されます、合計54品目です。

第1表 エレクトロニクス高分子材料カテゴリー別品目一覧表


第1図はエレクトロニクス高分子材料54品目のトータル市場規模推移をグラフ化したものです。2002年度では1兆5000億円の市場規模でありましたが、2006年には2兆6000億円規模に達すると予測されています。これは2002年をベースにして、年率15%の勢いで成長する有望な市場といえます。


第1図 エレクトロニクス高分子材料市場規模推移


第2図はカテゴリー別に市場規模推移予測をグラフ化したのもでありますが、このグラフからもお分かりのように、金額規模が大きくかつ、伸び率の大きなものに表示材用高分子材料があります。2002年は5700億円規模でありましたが、2006年には1兆3000億円規模にまで拡大すると予測しております。年率では実に23%と驚異的な伸びになります。


第2図 カテゴリー別市場規模推移


表示用高分子材料が、高い伸びを示す要因として、パソコンや携帯電話に広く使われ更なる軽量、薄肉化を求められている、液晶表示分野の拡大です。特に、日本国内では本年末から始まります地上波デジタル放送によって、大型画面でも薄型のテレビへの欲求が高まります。PDPテレビとCRTテレビの中間に位置する大型液晶テレビの市場導入が盛んになり、パソコンや携帯電話への需要増に加えて、家庭用液晶薄型テレビにも高分子材料の使用料が大幅に拡大します。これを見込んで既に、大手メーカーでは世界規模での設備投資や提携が繰り広げられています。

また、液晶の次に有望な表示デバイスの有機ELD表示技術も立上りつつあり、EL高分子を含んだ周辺材料といったこれから市場が形成すると予測されるアイテムもあり、将来的にはまだまだ拡大が予想される市場でもあります。

素材の発展が新しい部品を生みさらにそれが新しい商品を生み出します。エレクトロニクス高分子材料の分野はまだまだ未知の可能性を持った市場であると思われます。今後とも注目をしてゆきたいものです。

参考資料:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
−限りなく軽・薄・小型化が進められる半導体・液晶・実装技術を支える、
高分子・フィルム・シートの技術ロードマップ 市場展望−


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