デジタルAV機器市場:
2010年(1兆8千億円)に向け年率3.3%成長のデジタルAV


1996年、衛星デジタル放送が開始され、2003年12月からは、3大都市エリアより地上波デジタル放送が予定されています。また、家庭内のパソコン利用が一般化され、ADSLサービス加入者は既に700万件を突破するなど、インターネットのブロードバンドサービスも本格化しています。映像コンテンツの入手が放送・通信(IPネットワーク)と多岐にわたり、本格的なデジタルAV機器の時代に入ろうとしています。

特に、映像機器は、デジタルテレビ、フラットパネルテレビやDVDレコーダーを中心に市場を牽引しています。その中で、映像記録装置は書き換え型DVDやHDDレコーダーの登場により、ビデオホームサーバーによるホームネットワークへの道が開かれてきました。

またデジタルスチルカメラは、2002年一年間の国内出荷で620万台の販売量に達し、パソコンによる画像編集やホームプリンタによる出力保存と銀塩カメラに代替する市場にまで大きく成長しました。

音響機器は、MDディスク搭載システムコンポとポータブルMDを連動してユーザーが利用し、ポータブル関連機器が安定した市場となっています。

情報・通信機器は、ビジネス向けパソコンが低迷している中で、コンスーマ向けパソコンが2002年拡大しております。その内AVパソコンでは、DVDマルチドライブ搭載によってDVDビデオ鑑賞やDVDによるビデオ編集が可能となってきております。

2003年はブロードバンドインフラが、家庭内に一層普及する事により、パソコンを中心としたネットワークスタイルと、来たる地上波デジタル放送の開始に向け映像蓄積による、TVを中心としたネットワークスタイルをユーザーが選択する時期がきたと言えます。今後AV機器が有線/無線をとわず家庭内でネットワーク化され、コンテンツ利用の形態も変化していくものと考えられます。

■ 年率3.8%で市場拡大見込まれる映像機器

表示機器は2003年末からの地上波デジタル放送開始に伴い、デジタルTVへの買い替えが本格化していくものと思われます。また、テレビの大画面化がリビングを中心に進むと見込まれます。特に40〜50インチ市場の中心はPDP-TVとなると予測されます。表示デバイス間の競合も予想され、2005年には表示機器の50%以上を占めるとみられる14〜20インチのパーソナルTVは、液晶TVがをカバーし、CRT-TVは、25〜30インチのゾーンが中心となり、デジタル対応のVTRやDVDのモニターとしても利用され用途の拡がりが予測されます。

第1図からもお分かりのように、映像機器(表示)は2010年にAVデジタル機器全体の半分近くを占める大きな市場に成長すると予測しております。

第1図 デジタルAV機器の需要トレンド


録画・蓄積機器ですが、先ず、DVDの記録メディアは、DVD-RAM、DVD-R/RW、DVD+R/RWと規格統一がなされずに、企業の販売力にゆだねられた形となってしまいました。市場はVTRからDVDへ大きくシフトしていくと見られます。2005年にはVTR単品では3%と言う僅かな比率であり、DVDとの複合化商品が主流となるでしょう。また次世代記録メディア(Blue-Ray Disk等)の登場もみられディスク記録が一般化していくと見ております。2010年にはVTRはかつての黄金期から衰退し、DVDも次世代メディアへと移行していくと見られています。

次に入力機器ですが、MPEG−4の圧縮方式を採用した商品開発が進んできており、DVDプレーヤー/レコーダーやTV、携帯電話などでの対応も進められています。MPEG−4画像を楽しめるモバイルタイプのビューワーや小型のデジタルビデオカメラなどの商品展開も進めらます。録画・蓄積メディアとして、家庭内での中心的な存在となりDVDメディアを利用することで、各種AV機器への映像情報の共有が容易に可能な環境構築が行なわれていく事が予測されます。

■ ホームシアター、SACDが期待できる音響機器市場

デジタルハイビジョン受信機の普及でホームシアター需要が拡大し、AVコンポやスピーカーなどマルチチャンネルサラウンドに対応した製品の堅調な伸びが期待できます。この事は、従来のシステムコンポの市場を奪い、エントリーユーザーを中心として容易にホームシアターの構築が可能なシアターシステムパッケージへの需要シフトが進むものと見られます。マルチチャンネルサラウンド再生が可能な高音質音楽メディアとしてSACD(スーパーオーディオCD)やDVDオーディオが登場し、新しいソフトの増加が期待されます。

尚、デジタルAV機器の分類は第2図の通りです。映像機器と音響機器の二つに分類し、それぞれを機能別に分けております。前出の第1図グラフは下記分類にて需要を算出しております。




表 示 記録蓄積 入 力
CRT
LCD
PDP
VTR
VTR+DVD
DVHS
DVD(P)
DVD(R)
Blue Ray Disk
デジタルスチールカメラ
ビデオカメラ



据 置 携 帯
システムコンポ
ホームステレオ
シリコンオーディオ
CD、MD
カセット

以上のように、地上波デジタル放送の始まりが国内AV機器マーケットに大きなインパクトを与え、アナログ放送が無くなる2011年までには経済波及効果200兆円(片山総務相)と言われるくらい、大きな、国を挙げての改革です。まだ具体的な商品が店頭に並ぶところまで至っておりませんので、身近には感じませんが、今年の年末商戦には店頭で各社のデジタル製品が揃い、徐々に応用製品も出てくることにより普及が広まっていくことと思います。

特にデジタル化はパソコンとAV機器の融合がうまく図られ、全く新しいコンセプトの製品が出現することもあり、期待の持てる市場であると言えます。

※本記事は富士経済グループ各社の独自調査により編集したものです。

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