中国経済の現状と中国エンプラの市場動向 総論

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中国経済の現状と中国エンプラの市場動向
中国経済の現状と中国エンプラの市場動向 総論
ポリカーボネート(PC)
ポリアミド(PA)
ポリアセタール(POM)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)/ポリエチレンテレフタレート(PET)
変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)
中国の2003年の自動車生産実績
■中国経済の現状

 中国経済は1991年以降国内総生産(GDP)が7%以上の高成長を維持しており、改革・開放路線が定着、海外直接投資受入額がアセアンを上回り「世界の工場」に成長した。潤沢な外資と私営企業の興隆に支えられた好調な投資、輸出の伸びが中国経済を牽引してきた。

 中国の2004年1〜3月期の国内総生産(GDP)は2兆7千106億元(約35兆円)と前年同期比実質で9.7%増えた。分野別の伸び率では第一次産業が4.5%、第二次産業が11.6%、第三次産業が7.7%であり、内需拡大に向けて中国政府が目指すサービス業が主導する形の成長に十分移行できていない。2003年7〜9月期から3・4半期連続で9%台の成長だが、需給関係を無視した過剰投資で、エネルギーや資材の不足、価格高騰などの弊害が深刻化している。急成長の最大の牽引役は昨年同様、投資と輸出である。1〜3月の固定資産投資(公共事業と企業の設備投資)は約8千8百億元と前年同期比43%増の異常な伸びを示している。

 過剰投資の典型は鉄鋼、アルミ、セメントなどの素材産業で、この1〜2月の鉄鋼産業の投資は前年同期比で172%も増えた。中国企業の積極投資の影響で原油、鉄鋼などの国際価格が高騰している。原材料やエネルギー価格の上昇が中国企業の業績を悪化させるとともに国際市況を揺さぶる可能性が高まっている。
 輸出は34.1%伸びたが、輸入が42.3%も急増し、貿易収支は84億ドルの赤字となった。工業生産は18%増えたが、国内消費は実質9%増にとどまっている。膨大な投資に見合うだけの内需が伸びず、最終消費財は慢性的な在庫過剰状態にある。

 素材価格は急騰しても、消費財メーカーは価格に転嫁できない現状では、下半期以降に企業収益が悪化し、国有銀行の不良債権が再び増勢に転じる可能性が大きい。 電力消費はされに16%増えた。石炭、電力、石油の供給不足が深刻化し、全国24の省・自治区が電力の供給制限を実施、鉄道輸送は需要の約4割しかこなせない状況である。9%台の成長を持続するにはあらゆる面で無理がある。

 中国経済はまだ計画経済から市場経済への過渡期にあり、過度に市場原理に依存していてはハードランディングの懸念が高まりかねない状態にあると言える。


■中国の主要エンプラの市場動向

 中国は今や世界の生産工場として、電気・電子機器、自動車・車両、機械産業、光学用関連などの多くの企業が進出しており、欧米はじめ日本のプラスチックメーカーもその動向に注目している。
 中国の過去5年間の主要エンプラ(PA,PC,POM,PBTおよびm-PPE)の輸入量推移をみると、1998年の約31.7万トンから2002年には78.4万トンと約2.5倍に増加しており、平均伸び率は25.6%になっている。日本から中国へのエンプラの輸出量も年々増加していることは言うを俟たない。


●中国の主要エンプラ輸入量推移(2003年) (単位:千トン、%)
種類 1998 1999 2000 2001 2002 平均伸び率
PA 117.5 150.0 193.6 133.7 183.0 12.6
PC 108.8 160.5 236.4 265.7 415.0 40.9
POM 64.3 90.6 108.2 109.0 136.0 21.9
PBT 19.0 21.0 22.0 23.0 33.0 15.8
m-PPE 7.8 8.9 9.6 13.0 17.0 21.8
合計 316.5 431.0 569.8 544.4 784.0 25.6

 また、1998〜2002年の中国の主要エンプラ需要量推移を見ると、この5年間の年平均伸び率は約30%と大幅な伸びを示し、とりわけPCの伸びは突出しており、年平均伸び率は43.5%になっている。

●中国の主要エンプラ需要量推移 ●中国の主要エンプラ需要量推移(予測)
中国の主要エンプラ需要量推移 中国の主要エンプラ需要量推移(予測)

 なお、主要エンプラの輸入量と需要量の差は殆どが繊維用として使用されている。中国国内のエンプラ重合能力はPAを中心に50万トン以上と考えられるが、その殆どは繊維用である。
 中国工程塑料工業協会が、中国エンプラの需要動向調査を始めており、その主要エンプラ需要量予測によれば、2003年には日本の需要に並び、2005年には日本の1.5倍の大きな伸びを予測する。


参考文献: 「プラスチックス、Vol.55 No.4 」   (2004年4月 工業調査会)
「プラスチックス・機能性高分子材料事典」
(2004年 産業調査会事典出版センター編)
「2002年 中国・アジアプラスチック市場の現状と将来展望」
(2002年5月30日:富士経済)


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