α-POフィルムの市場動向 2004年版

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2004年
プラスチックフィルム・シート市場
2004年 プラスチックフィルムの市場概要(総論)
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エンプラフィルム]
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[プラスチックシート]
PCシート
フッ素樹脂フィルム/シート
当該市場では、JSRの非晶性PO樹脂であるノルボルネン系の「アートンフィルム」と日本ゼオンが生産しているシクロオレフィンポリマー(COP)をフィルム化した「ゼオノアフィルム、ゼオネックスフィルム」の市場についてまとめている。

ノルボルネン系耐熱透明樹脂(アートン)は、熱変形温度164と高い耐熱性と、光学特性(透明性が高く、低歪み)、低吸水性(アクリル樹脂の5分の1)、密着性が優れている。アートンフィルムは、JSRが独自に開発した高耐熱透明フィルムである。

日本ゼオンは、熱可塑性高機能透明樹脂のシクロオレフィンポリマーを用い、溶融押し出し法によるゼオノアフィルムを、2002年から製造販売を開始した。

ゼオノアフィルムは高透明性、低複屈折、低波長分散、低光弾性等の光学特性と低吸湿性、高耐熱性などの特徴がある。フラットパネルディスプレイ分野において、大型液晶TV向けの大画面用光学フィルムとして市場開拓を目指している。

■用途動向

用途名 販売量(t) 販売量ウェイト(%) 具体的用途例
光学フィルム 520 100 位相差フィルム、タッチパネル、透明導電フィルム、拡散板、有機EL基板

液晶テレビ及びパソコンモニター等の液晶ディスプレイ用途が需要分野である。

主な用途先は位相差フィルムであり、これら用途の原材料フィルムとして需要が伸びている。

位相差フィルムの使用目的は,複屈折性による光学的歪みや視覚方向による変調が原因でおこる表示、着色等を補正するものであり、光学補償用に利用される材料である。


■国内市場規模推移(2002〜2007年)と世界の地域別販売量(2003年)

●市場規模推移及び予測 (単位:t、%)
  2002年 2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
販売数量 500 520 600 660 720 780
前年比 - 104.0 115.4 110.0 109.1 108.3
出所:富士キメラ総研
2004年の販売量は600t(前年比15.4%増)が見込まれておりその伸びが顕著である。その成長要因は薄型TVをはじめ、液晶ディスプレイ向け位相差フィルムの需要拡大が起因している。

金額ベースでは、2003年は約18億円の実績があり、2007年には27億円に拡大すると予測している。

JSRが先発メーカーであり2002年に日本ゼオンが本格参入し、現在2社で市場を形成している。


●世界の地域別販売量(2003年)
国・エリア 数量ウェイト(%)
日   本 42
韓   国 33
台湾、 他 25
合 計 100
出所:富士キメラ総研

2003年における世界の販売量は約1,220トンである。

エリア別には日本の販売量が42%を占め、最大の販売エリアである。

残りは、韓国、台湾などのアジア地域が占めている。今後、アジア地域の需要増が予測されている。


■研究開発・技術動向

企業名 新製品・技術概要
日本ゼオン
新製品:新ゼオノアフィルム
当社は、NEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)の助成金を活用し、東北大学未来科学技術共同研究センター大見忠弘教授の指導を受け、大型液晶テレビを主な用途とする光学部材、新ゼオノアフィルムの開発に成功している。
新ゼオノアフィルムは、低複屈折性、高い位相差機能の実現と、広幅フィルムで均一な位相差の発現を目指している。
LCDパネルにおいて、従来、複数枚使用していたフィルムの枚数削減が可能になる。さらに、位相差機能と偏光板の保護膜としての機能を共有する構造設計にすることにより、部材削減、及び製造プロセスの簡略化によってコスト削減が可能となり、液晶テレビの低価格化の促進に貢献できる。

■参入企業とメーカーシェア(2003年)

メーカー名 販売量シェア(%)
JSR 87
日本ゼオン 13
合 計 100
出所:富士キメラ総研

樹脂原料からフィルム加工生産まで展開しているのは、JSRと日本ゼオンの2社である。

日本ゼオンは、子会社のオプテス(高岡工場が生産拠点)が製造・販売を対応している。


■今後の動向

α-POフィルム市場は、薄型TVをはじめとした液晶ディスプレイ分野向けの位相差フィルム用途で需要が拡大しており、市場参入しているJSRと日本ゼオンは、近年、非晶性PO樹脂の生産能力を増強するなど工場の新設を図っている。

今後は位相差フィルム用途以外に、透明導電フィルム、有機EL基板、導光板などの需要拡大が期待されている。

参考文献:「2004年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」」
(2004年6月4日:富士キメラ総研)


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