PCフィルム(芳香族)の市場動向 2004年版

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2004年
プラスチックフィルム・シート市場
2004年 プラスチックフィルムの市場概要(総論)
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ポリカーボネート(PC)フィルムは、汎用PCフィルムと芳香族PCフィルムに分類される。ここでは、光学特性が優れている芳香族PCフィルムについてまとめた。

ポリカーボネート樹脂は透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、更に加工性に優れることから、光学用途に広く利用されている。例えば、レーザー光を使用する光ディスクは、高密度、大容量の記録媒体として種々の研究開発、商品化が行われている。

芳香族PCフィルムとしては、帝人化成の「ピュアエース」ブランドが代表的な製品であり、全光線透過率が89〜90%以上という光学特性を有している。

■用途動向

用途名 販売量
ウェイト(%)
具体的用途例
位相差フィルム 84 LCD偏光板
タッチパネル 7 透明導電性フィルムの電極、等
プラスチック基板 7 携帯電話、PDA、DVD、他
その他 2 光ディスク用カバーレイヤー
出所:富士キメラ総研

光学用途の中では、LCD偏光板に使用されている位相差フィルム用途が、大部分を占めている。

他にはタッチパネル、プラスチック基板(携帯電話、PDA向け)、光ディスクが挙げられる。

光ディスクでは、2005年以降、光ディスクのカバーレイヤー用途で需要拡大が期待されている。

位相差フィルム用途の基材フィルムには、芳香族PCフィルム、LCPフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)フィルム等が使用されている。各種基材フィルムのうち、PCフィルムが最も需要量が多い。


■国内市場規模推移(2002〜2007年)と世界の地域別販売量(2003年)

●市場規模推移及び予測 (単位:t、%)
  2002年 2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
販売数量 360 450 550 650 750 900
前年比 125.0 122.2 118.2 115.4 120.0
出所:富士キメラ総研
2003年は450tの実績があり、2007年には2倍に拡大する見込である。

金額ベースでは、2003年は44億円の実績があり、2007年には約90億円に拡大すると予測している。

位相差フィルムに使用されている芳香族PCフィルムは、液晶ディスプレイ等の画像表示装置市場の拡大に連動し、高い伸びが期待されている。

帝人化成のPCフィルム(ピュアエース)は、液晶表示用位相差フィルムとして使用される大型液晶TV用の需要増に備えるために、生産設備の拡大を図っている。


●世界の地域別販売量(2003年)
国・エリア 数量ウェイト(%)
日   本 90
そ の 他 10
合 計 100
出所:富士キメラ総研

2003年の世界販売量は500tである。

日本が芳香族PCフィルムの最大の販売エリアであり、国内の位相差フィルムメーカーが主な需要家である。


■研究開発・技術動向

企業名 新製品 新製品・技術概要
帝人化成
「ピュアエース」

次世代光ディスク規格の一つであるブルーレイ・ディスク(BD)のカバーレイヤー用途に、同社のPCフィルムが採用された。
【新製品】
BDの保護層に、光学用PCフィルム「ピュアエース」が採用された。

この保護層は、ディスク表面から0.1mmという浅い位置にある信号層(記録層)を、傷や汚れから保護する目的で使用する。芳香族PCフィルムを、高密度の光ディスク用の透明保護層として用いれば、光学歪みを発生させない光ディスクが製造できる。

【技術の特徴】
BDの表面に80〜90μmの厚さで、PC樹脂の薄膜を流延法という加工方法で製作する。

■参入企業とメーカーシェア(2003年)

メーカー名 販売量シェア(%)
帝人化成 67
カネカ 22
その他 11
合 計 100
出所:富士キメラ総研

帝人化成はポリカーボネート樹脂メーカーであり、樹脂原料からフィルム加工生産まで展開している企業である。

帝人化成と鐘淵化学工業が製造した芳香族PCフィルムの多くは、主に位相差フィルムメーカーに販売されている。

代表的な位相差フィルムメーカーは、日東電工、ポラテクノ、住友化学工業、サンリッツである。


■今後の動向

位相差フィルム用に使用されている基材フィルムは、芳香族PCフィルム以外には、新たにLCPフィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルムなどのエンプラフィルムが上市されている。

これらの新規エンプラフィルムは、需要家の使用目的や要求特性に対応して開発されており、芳香族PCフィルム以外のフィルム需要が今後、徐々に増える傾向にある。

参考文献:「2004年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」」
(2004年6月4日:富士キメラ総研)


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