LCPフィルムの市場動向 2004年版

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2004年
プラスチックフィルム・シート市場
2004年 プラスチックフィルムの市場概要(総論)
[エンプラフィルム]
PETフィルム
PENフィルム
α-POフィルム
PCフィルム
[スーパー
エンプラフィルム]
PIフィルム
PPSフィルム
LCPフィルム
アラミドフィルム
[プラスチックシート]
PCシート
フッ素樹脂フィルム/シート
LCP(液晶ポリマー)フィルムは、ガスバリアー性に優れ、接着剤を使用しないため、FPC(フレキシブル配線板)業界で使用する銅張積層板の基材フィルムとして、有用なスーパーエンプラフィルムである。

ポリイミドフィルムと比較すると、電気特性が優れており吸湿膨張係数が小さい。

LCP樹脂は、流動性が極めて良好で、溶融時に液晶性を示す樹脂である。分子構造の違いにより、全芳香族系と半芳香族系に分かれる。全芳香族系は高耐熱性が、半芳香族系は薄肉流動性が優れている。

高配向性からフィルム化が難しいとされていた液晶ポリマーを、1997年にクラレが、独自の分子配向制御技術で解決し、世界に先駆け実用化している。


■用途動向

用途名 販売量
ウェイト(%)
具体的用途例
FPC用基材
フィルム
74 銅張積層板
最終製品(携帯電話、デジタルスチルカメラ、等)
多層・高周波基板用 14 多層フレキシブル配線板
ICパッケージ用
絶縁テープ
12  
出所:富士キメラ総研

LCPフィルムは、高耐熱性があり、熱的寸法安定性が高いため(低吸湿性)、回路基板のファインピッチパターン向けの基材フィルム用途に適している。

FPCの基材フィルム用途では、LCPフィルム以外に、PIフィルム、PETフィルム、PENフィルムが競合製品として挙げられる。FPCの使用条件等によって、フィルムが使い分けされている。


■国内市場規模推移(2002〜2007年)

●市場規模推移及び予測 (単位:t、%)
  2002年 2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
販売数量 20 30 35 42 50 60
前年比 - 150.0 116.7 120.0 119.0 120.0
出所:富士キメラ総研
2003年は30tと前年比50%増という高い伸びを示している。携帯電話、デジタルスチルカメラ等の電子機器用途のFPC需要が活況であることによる。

高耐熱性と成型加工性の良さが、回路基板周りの絶縁材料、ICパッケージ用絶縁テープ等の需要増加につながっている。

2007年には、60t(2003年比2倍)に拡大する見通しである。

金額ベースでは、2003年は約7億円の実績があり、2007年は14億円と推定している。


■研究開発・技術動向

企業名 LCPフィルム製品 製品・技術概要
クラレ 製品名
 「ベクスター」
クラレのベクスターは、分子配向制御を基盤技術として、世界に先駆けて液晶ポリマーのフィルム化に成功している。
ベクスターは、高周波特性、低吸水性、耐熱性などの特徴が優れており、電子回路基板分野で評価されている。

【ベクスターの用途先】
銅張積層板、他

ジャパン
ゴアテックス
製品名
 「バイアック」
 =BIAC
バイアックは、当初、ICパッケージ及び高密度回路基板等の用途で使用する材料として、開発された液晶ポリマーフィルムである。
同フィルムは、高周波特性が優れ、高温での高い寸法安定性と電気特性、低吸湿性、難燃性が良好である。
また、リサイクル可能な物性を備えており、環境適合性の面からも期待されている。

【バイアックの用途先】
高密度実装用多層基板、高周波基板

住友化学 応用製品
「バッグインドラム、バッグインボックス、等」
【LCPフィルム応用製品の特徴】
近年、容器の再利用等を目的として、容器内部に樹脂製の内袋を入れた容器が使用されている。
液晶ポリマーを用いた袋(バッグ)は、耐薬品性、耐熱性、ガスバリア性、柔軟性に優れ、軽量で安価であり、使用済み後の焼却処理が容易である。
同バッグは、工業用薬品、塗料、食料油、乳飲料、果汁、ガソリン、灯油、エンジンオイルなどの保管、輸送用途などで幅広く利用することができる。


■参入企業とメーカーシェア (2003年)

メーカー名 販売量シェア(%)
クラレ 87
ジャパンゴアテックス 13
合 計 100
出所:富士キメラ総研

先発参入しているクラレのシェアが大きい。ジャパンゴアテックスと2社でLCPフィルム市場を形成。

クラレは「ベクスター」、ジャパンゴアテックスは「バイアック」ブランドで営業展開している。

LCPフィルムの需要分野開拓のために、新規応用製品の研究開発が行われている。


■今後の動向

当該市場は、耐熱性を活かした用途(FPCの基材分野に特化)で市場が開拓されている。今後も回路基板を中心とした需要トレンドは変わらない。

市場の成長率は大きい反面、需要量の少ないニッチ市場である。

参考文献:「2004年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」」
(2004年6月4日:富士キメラ総研)


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