フッ素樹脂フィルム/シートの市場動向 2004年版

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2004年
プラスチックフィルム・シート市場
2004年 プラスチックフィルムの市場概要(総論)
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フッ素樹脂フィルム/シート
フッ素樹脂フィルムは、耐候性をはじめ、耐熱性、耐薬品性、耐蝕性、潤滑性、非粘着性、電気絶縁性、高周波特性等が優れたエンプラ製品である。

フィルム用に使用される代表的なフッ素樹脂は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等が挙げられる。フッ素樹脂フィルムの中ではPTFEの需要量が最も多い。

■用途動向

用途名 販売量ウェイト(%) 具体的用途例
防食ライニング 32 ライニング(配管材、タンク用)
電気絶縁材料 27 モータトランスのコイル絶縁、ケーブル・ワイヤの絶縁テープ、離型フィルム
農業用 16 温室ハウスや園芸用の被覆資材
建材用、その他 25 摺動材、屋内スポーツスタジアムの屋根材
出所:富士キメラ総研

フッ素樹脂フィルムの需要分野は、電気絶縁性、非粘着性を活かした防食ライニングや電気絶縁材料、摺動材が主な用途先である。

ETFEフィルムは、主に電線被覆材、離型用フィルム、温室ハウス用フィルム(10年以上の長期展張後もフィルム特性の低下が少なく、耐久性を保持し張り替えの手間を大幅に削減できる)、スポーツ施設の屋根材等で使用実績がある。

PVF(ポリビニルフルオライド)は、通常フィルムの形状で市販されており、金属、木材、プラスチック等に貼り合わせて、外装・内装建材、屋根表面材に使用されている。


■国内市場規模推移(2002〜2007年)とフッ素樹脂別フィルム販売ウェイト(2003年)

●市場規模推移及び予測 (単位:t、%)
  2002年 2003年 2004年
見込
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
販売数量 1,830 1,850 1,940 2,000 2,040 2,080
前年比 - 101.1 104.9 103.1 102.0 102.0
出所:富士キメラ総研
2003年は1,850tの実績があり、2007年は2,080tに拡大すると予測されている。

フッ素樹脂フィルムは競合製品が少ない等、当面は限定された用途で需要を確保し2005年以降、年率2〜3%の伸長率で推移すると推定している。

金額ベースでは、2003年は113億円の実績があり、2007年は125億円と予測している。

●フッ素樹脂別フィルム販売ウェイト(2003年)
樹脂 販売数量ウェイト(%)
PTFE 65
ETFE、PFA、PVDF、PVF等 35
合 計 100
出所:富士キメラ総研

フィルム用に使用されるフッ素樹脂は、PTFE、ETFE、PFA、PVDF、PVF等が挙げられる。中でも需要量が最も多いのはPTFEフィルムである。

ETFEフィルムは、旭硝子が主に販売している。


■製品開発・販売動向

企業名 製品名 製品開発・販売概要
旭硝子 高機能フッ素樹脂
「フルオンETFEフィルム」

(日本での商標は
アフレックス)
2006年ワールドカップ・ドイツ大会の開幕戦に使用されるサッカースタジアム「アリアンツ・アリーナ」の膜構造建築物向けに、旭硝子のフッ素樹脂ETFEフィルムが採用された。(受注量は約15万m2

(1)透明で軽い (2)曲線状の施工が可能 (3)汚れがつきにくくメンテナンスが容易 (4)劣化しにくく寿命が長い等の特徴が評価され、受注に至っている。

同スタジアムは、側面及び屋根部分のセルに2重構造のフィルムをはめ込み、そのクッション内部を空気圧力で膨らませる構造になっている。

太陽工業 日除けシェルター
「サンポラックスNEO」
同社は、ポリカーボネート(PC)の優れた透光性の持続と耐久性強化を目指した、日除けシェルター「サンポラックスNEO」を開発した。PC板とフッ素フィルムを一体成形することで強度が増し、汚れの原因となる風雨による小さな傷を、つきにくくしている。
フッ素フィルムによる表面耐候処理は、紫外線を遮断し樹脂の黄変が少なく耐候性が持続する。

【販売用途先】
バス停、タクシー乗り場、通路(商業施設)用の日除けシェルター



■参入企業とメーカーシェア (2003年)
下記はPTFEフィルムのシェアを示す。
メーカー名 販売量ウェイト(%)
日東電工 50
日本バルカー工業 13
ニチアス 9
中興化成工業 9
その他 19
合 計 100
出所:富士キメラ総研

日東電工が50%のシェアを占めており、2位以下を大きく引き離している。絶縁テープ用途における圧倒的な強さが起因している。


■今後の動向

フッ素樹脂フィルムは、比較的競合製品が少なくその特殊性から新規用途の開発例も見られる。当面は限定された既存の用途分野で安定した需要を確保しながら、低い市場伸長率で推移していくと予測される。

参考文献:「2004年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望」」
(2004年6月4日:富士キメラ総研)


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