自動車用ポリアミド(PA)樹脂の市場動向

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国内自動車用高分子材料市場
国内自動車用高分子材料の市場規模を2006年まで予測 (総論)
[汎用エンプラ]
(自動車用) 
ポリアミド(PA)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)
ポリアセタール(POM)
ポリカーボネート(PC)
変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)
GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)
[スーパーエンプラ]
(自動車用) 
ポリフェニレンサルファイド(PPS)
ポリアリレート(PAR)
液晶ポリマー(LCP)
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
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■自動車分野におけるポリアミド(PA)の市場概要

ポリアミド(PA)樹脂は、自動車用途では、軽量性、耐熱性、耐油性、機械的強度等の特性を活かし、エンジンルーム内においてその需要量が増えている。インテークマニホールドを筆頭にラジエータタンク、キャニスター、エンジンカバー等の機構部品にPAが採用されている。金属代替を目的として、自動車部品の樹脂化を目指した動きが加速している。

PA樹脂には、PA6、PA66、PA11、PA12、PA9T等の種類があり、ここではPA6、PA66を中心にまとめている。

自動車分野では、エンジニアリングプラスチックの中で最も需要量が多いのはPA樹脂である。


■用途動向

●ポリアミド樹脂(PA6とPA66)の用途先
用途先 販売量
ウェイト(%)
主な採用部位
機構部品、その他 43 ファン、ファスナー
22 インテークマニホールド
21 エンジンカバー、キャニスター、ラジエータタンク
外装品 14 フェンダー、ドアミラーステイ、外板
出所:富士キメラ総研
近年、PA6、PA66は、軽量性をはじめ耐熱性、遮音性、耐油性、強度、 高剛性等の特徴を活かし、アルミ合金の代替材料として、自動車のエンジン周辺部品に採用されている。

インテークマニホールドは、エンジンルーム内で使用されており、吸気マニホールド、キャブレタから各シリンダに対して、混合気を配給するための分岐管である。

ファンやインテークマニホールドには、PA6が採用されている。

キャニスターは、エンジンルーム内にあり長さ10cm、直径5cm程度の黒い筒状の部品であり、耐衝撃性、耐振動性に優れているPA66が採用されている。

■国内市場規模推移及び予測(2002〜2006年) 

●PA6とPA66を合計したポリアミド樹脂の販売量 (単位:t、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 92,000 96,400 103,200 112,300 119,100
前年比 104.8 107.1 108.8 106.1
出所:富士キメラ総研

PA6の需要先は分野別にはフィルム用途が最も多く、次いで自動車用途が30%弱を占めている。

一方、PA66は自動車用途が60%を占める。これは、PA66の方が高耐熱性を有し、高温環境下のエンジン周りの部品に適性があるからである。

自動車用途では、PAの高耐熱性、耐摩擦性を活かしてラジエータタンクやエンジンカバー等のエンジン周辺部品、インテークマニホールド等の機構・駆動部品に採用されるケースが増えており、参入メーカーは、生産能力の拡充を図っている。

2002年は92,000tの実績があり、2006年に119,100tに拡大(2002年比1.29倍)する見通しである。

金額ベースでは、2002年は408億円の実績があり、2006年には513億円に拡大すると予測している。


■研究開発・技術動向

  企業名   製品名 製品・技術概要
クラレ 耐熱性
ポリアミド樹脂
ジェネスタreg9.gif」=(PA9T)
ジェネスタreg9.gifは、クラレが開発した原料モノマー「ノナンジアミン(炭素数9のジアミン)」とテレフタル酸を原料として、新しく開発したポリアミド樹脂(PA9T)である。融点が306℃であり、耐熱性、低吸水性、摺動性、耐薬品性等が優れている。

【ジェネスタreg9.gifの用途】
電気電子分野では、カードコネクタ用途で高耐熱材料として需要が拡大している。自動車分野では、エンジンルーム内のベアリングリテーナー、各種ギア等への採用が期待されている。

出所:富士キメラ総研

■参入企業とメーカーシェア(2002年)

<PA6>
メーカー名 販売量ウェイト(%)
宇部興産 33
三菱エンジニアリングプラスチックス 28
東レ 25
ユニチカ 9
その他 5
合 計 100
出所:富士キメラ総研

上位3社で86%を占めており、宇部興産がPA6市場をリードしている。同社は2004年、タイの生産拠点においてPA樹脂の生産能力を増強している。


<PA66>
メーカー名 販売量ウェイト(%)
東レ 34
Dupont 33
旭化成ケミカルズ 25
宇部興産 4
その他 4
合 計 100
出所:富士キメラ総研

日本の自動車メーカーによるアジアへの生産拠点の移転や、エアバッグ用基布需要の急増に対応し、東レは最適生産を行うために、中期的な重合拠点の整備方針を打ち出している。

■今後の動向

PA樹脂は自動車分野においてその耐熱性、耐摩擦性、機械特性等が評価されており、当該市場は今後、需要拡大が予測されている。

国内のメーカー各社は、自動車分野を成長分野と位置付け生産能力の増強を図っている。

現状ではエンジン周りの機構部品に使用されている比率が高い。今後は、他素材とのアロイ化によって、外装品用途等、採用範囲の拡大が期待されている。

参考文献:「2003年 自動車用高分子材料の現状と将来展望」」
(2003年10月29日:富士キメラ総研)

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