自動車用ポリアセタール(POM)樹脂の市場動向

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国内自動車用高分子材料市場
国内自動車用高分子材料の市場規模を2006年まで予測 (総論)
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■自動車分野におけるポリアセタール(POM)樹脂の市場概要

ポリアセタール(POM:ポリオキシメチレン)樹脂は、バランスのとれた機械的特性と優れた成形性、耐疲労性、耐クリープ性、摩擦摩耗特性、耐薬品性を備えていることから、金属の代替材料として自動車部品、電機、各種機械、建材等の分野で広く用いられている。

国内のPOM需要は、1998年に90,000t を下回り、2001年には77,800tに減少している。

自動車用POM需要も同様の傾向で推移しており、2001年は世界的なIT不況、米経済低迷の影響を受けて35,100t まで落ち込んだが、2002年の販売量は37,900tに回復している。

日本国内のPOM樹脂需要量は約8.2万t/2002年であり、その内自動車用途で、約3.8万t(国内需要量の46%を占有)が消費されている。


■用途動向

用途先 販売量ウェイト(%) 主な採用部位
機構部品 75 ギア、レバー部品、ガスキャップ、メーター部品、ばね、クリップ、燃料タンクモジュール
内装品、その他 25 ドアロック/カバー、シートベルト、シートアジャスター、ファスナー
出所:富士キメラ総研
自動車部品用途のPOM樹脂は、強度、耐疲労性が評価されシートベルト、ドアハンドル等に、バネ弾性、耐薬品性に優れているため、燃料タンクモジュール(燃料タンクと燃料ポンプの複合部品)、ファスナー等に採用されている。

機構部品用途が75%と多く、機械的強度、摺動性から特にギア(ワイパーギア、他)やレバー等の小型機構部品に比較的多く使用されている。

フューエルポンプ(フューエルタンクの燃料をエンジンに供給するポンプ)の材料は、混合燃料油性、寸法安定性、強度等の性能が要求される。このポンプを樹脂化する場合には、エンドカバーに高剛性のPOM樹脂が選択されている。

■国内市場規模推移及び予測(2002〜2006年) 

●市場規模推移及び予測(2002〜2006年) (単位:t、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 37,900 40,100 40,900 41,700 42,500
前年比 - 105.8 102.0 102.0 101.9
出所:富士キメラ総研

自動車用POM市場は、2001年は世界的なIT不況、米経済低迷の影響を受けて35,100t まで落ち込んだが、2002年は37,900tに回復。さらに2004年以降は前年比2%増のペースで推移すると予測している。2006年には42,500tに増加(2002年比1.12倍)する見通しである。

金額ベースでは、2002年は約154億円の実績があり、2006年には172億円に拡大すると予測している。


■研究開発・技術動向

企業名 技術課題 製品・技術概要
ポリプラス
チックス
金属インサート成形品等における、クリープ破壊寿命を大幅に改善したPOM樹脂を開発 【技術開発の背景】
POM樹脂は、他の熱可塑性樹脂に比べクリープ変形しにくいが、成形品の形態や利用形態によってはクリープ破壊が生じやすくなることが知られている。
例えば、POM樹脂を用いた金属インサート成形品は、成形時の成形歪や成形後のPOM樹脂の後収縮により発生する応力が原因で、短時間で応力集中部にクラックが発生したり、製品自体が破壊する場合がある。

【POM樹脂の改良技術】
高分子量のPOM樹脂の靱性を向上させ、応力緩和を起こしやすくさせることで、金属インサート成形品等におけるPOM樹脂のクリープ破壊寿命(クリープ特性)を大幅に改善した。

【POM樹脂の用途】
自動車用スルーアンカー等への採用が可能である。


■参入企業とメーカーシェア(2002年)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
ポリプラスチックス 57
旭化成 14
DuPont 13
三菱エンジニアリングプラスチックス 12
その他 4
合 計 100
出所:富士キメラ総研

上位4社で市場の96%を占めており、ポリプラスチックスが自動車用POM樹脂市場をリードしている。

ポリプラスチックスが2位以下を大きく引き離している。2〜4位のメーカーは、12〜14%台の僅差でシェアを分けあっている。

主なPOM樹脂は「デルリン」「ジュラコン」「テナック」「ユピタール」の知名度が高く、機械的特性等が優れており自動車部品用途における使用率が高い。

■今後の動向

自動車(部品)業界におけるPOM樹脂は、金属の代替材料として高機能化及び軽量化を主目的に、近年、幅広く採用されてきたが、ここ数年は新たに採用される部位が少なく、同樹脂の適用先が固定されてきている。

参考文献:「2003年 自動車用高分子材料の現状と将来展望」」
(2003年10月29日:富士キメラ総研)

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