自動車用ポリカーボネート(PC)樹脂の市場動向

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国内自動車用高分子材料市場
国内自動車用高分子材料の市場規模を2006年まで予測 (総論)
[汎用エンプラ]
(自動車用) 
ポリアミド(PA)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)
ポリアセタール(POM)
ポリカーボネート(PC)
変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)
GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)
[スーパーエンプラ]
(自動車用) 
ポリフェニレンサルファイド(PPS)
ポリアリレート(PAR)
液晶ポリマー(LCP)
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
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■自動車分野におけるポリカーボネート(PC)樹脂の市場概要

世界のポリカーボネート(PC)樹脂の生産能力は約270万tと言われており、その需要量は220万tである。日本国内のPC樹脂需要量は約25万t/2002年であり、その内自動車用途に、2.8万t(国内需要量の約11%を占有)が消費されている。

ポリカーボネートは、耐衝撃性、耐熱性、高透明性、形状安定性の4大特性をバランスよく兼ね備えたエンプラである。他には、耐候性、衛生性に優れ、光沢があり、燃えにくく、電気特性が良好で、外観も良い等多くの特性が評価されている。


■用途動向

用途先 販売量
ウェイト(%)
主な採用部位
電装部品 54 ヘッドランプレンズ
内装部品、他 25 メーターパネル、他
外装品 21 ドアハンドル、ルーフレール、他
出所:富士キメラ総研
自動車分野におけるPC樹脂は、金属やガラス等の他素材を代替する材料の1つであり、ヘッドランプレンズ、ドアハンドル等、自動車部品の一部にPC樹脂が使用されている。将来的には、ボディの一部を樹脂化するための研究開発が進められている。

ヘッドランプレンズにPC樹脂を採用されているのは、透明性、軽量性、耐衝撃性、耐熱性、成形性等が優れているためである。

ドアハンドルは、PC樹脂以外に種々のエンプラ(POM、等)が使用されているが、PCの場合、耐衝撃性、耐熱性、寸法精度の良さが採用のポイントになっている。

内装材のコンソールボックスは、耐熱性、耐衝撃性が評価され、PC/ABSアロイが採用されている。

PC樹脂は透明でかつ非常に割れにくいことから、安全性、軽量化、デザインの自由度等の特性が注目され、自動車用窓ガラスに、一部利用され始めている。

■国内市場規模推移及び予測(2002〜2006年) 

●市場規模推移及び予測(2002〜2006年) (単位:t、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 28,000 28,000 28,500 29,000 29,500
前年比 - 100.0 101.8 101.8 101.7
出所:富士キメラ総研

2002年は28,000tの実績があり、2006年に29,500tに推移(2002年比1.05倍)する見通しである。

金額ベースでは、2002年は135億円の実績があり、2006年には141億円に増加すると予測している。

窓ガラスやボディを対象としたPC樹脂の研究開発が進められているが、自動車メーカーの設計思想等の絡みもあり、市場の立ち上がり時期は明確になっていない。


■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
帝人化成 PC樹脂ケミカルリサイクル技術の開発。※

「同リサイクル技術の特徴は、回収した廃PC樹脂を解重合し、ビスフェノールAを分離精製して高純度な状態に再生するものである。」

PC樹脂は幅広い分野(自動車、電気・電子、OA機器、シート等)で使用されており、全世界で220万t/年が消費されている。

同社は、PC樹脂の廃材から、良質の高純度ビスフェノールA(PC樹脂の主原料)を回収する「ケミカルリサイクル」技術を開発した。このリサイクル技術を利用すれば、再生PC樹脂を石油由来のPC樹脂と同等の品質、コストで製造が可能となる。

経済産業省から技術開発費の補助を受け、帝人化成・松山工場にて、実証プラントを2005年2月に完成後、「実証テスト」を行う予定である。

※この技術は自動車用途に限らず汎用的な技術である。

旭化成 CO2を原料とするPC樹脂製造技術の開発。※

「本技術は、ホスゲン法の持つ課題を解決し、収率が高く省資源、省エネルギーを達成し、CO2削減にも寄与している。」
旭化成は世界で初めて、CO2を原料とするPC樹脂製造技術を開発した。この技術に基づいて、「旭美化成」(旭化成と台湾・奇美実業との合弁会社)が工業化プラント(年産能力5万t)を建設し、2002年6月に商業運転を開始した。(旭化成は、同技術に対してGSC賞経済産業大臣賞を受賞した。)

本技術は、CO2、エチレンオキシド、ビスフェノールAの3原料から、高性能PC樹脂と高純度エチレングリコールの2つの製品を高収率で製造するものである。

CO2は化学的に安定しており、これをPC樹脂の主骨格に取り入れることは困難とされてきた。旭化成は化学反応を巧みに利用し、CO2の全量を製品中に取り入れる技術に成功している。
同技術はロシアの企業にライセンス供与することが決まっている

※この技術は自動車用途に限らず汎用的な技術である。


■参入企業とメーカーシェア(2002年)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
帝人化成 25
三菱エンジニアリングプラスチックス 24
日本ジーイープラスチックス 22
バイエル、その他 29
合 計 100
出所:富士キメラ総研

自動車用PC樹脂市場は上位3社で71%を占めている。上位3社のシェア格差は小さく、20%台のウェイトで市場を分け合っている。

■今後の動向

近年、自動車は軽量化の方向に向かっており、自動車用PC樹脂はガラスレンズからの代替をはじめ、ヘッドランプ、ドアハンドル、ドアバイザー、クラスター、メータ類等、外装内装部品への採用が進んでいる。

今後、軽量化が期待されている部位は、窓ガラスとボディが挙げられている。窓ガラスを軽量化する適用材料としてはPC樹脂が注目されている。特に、自動車の後部全体をPC樹脂に置き替える研究開発が進められている。

参考文献:「2003年 自動車用高分子材料の現状と将来展望」」
(2003年10月29日:富士キメラ総研)

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