自動車用GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)樹脂の市場動向

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国内自動車用高分子材料市場
国内自動車用高分子材料の市場規模を2006年まで予測 (総論)
[汎用エンプラ]
(自動車用) 
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GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)
[スーパーエンプラ]
(自動車用) 
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液晶ポリマー(LCP)
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
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■自動車分野におけるGF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)樹脂の市場概要

GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)は、帝人がPET樹脂にガラス繊維を配合し1964年に、はじめて工業化を開始した汎用エンプラである。GF-PET樹脂は、機械的強度、耐熱性が飛躍的に向上しており、同社は、射出成形材料「FR-PET3030シリーズ」として製品化している。

GF-PETは、ガラス繊維で補強されているため、機械的強度、寸法安定性が良好である。またポリエステル樹脂が持っている耐熱性等の諸特性が活かされ、自動車用途をはじめ、電気・電子分野、家電等の用途で使用されている。

自動車用GF-PET樹脂は、1999年以降(2001年を除く)、自動車部品の金属、熱硬化性樹脂を代替する材料として堅調に市場拡大している。


■用途動向

用途先 販売量ウェイト(%) 主な採用部位
電装品 65 ランプ、ランプ周辺部品、モーターハウジング
機構部品 12 エンジンカバー、ギアケース
外装品、その他 23 ドアミラーステイ、ワイパー、サンルーフ、ダッシュインシュレータ
出所:富士キメラ総研
GF-PET樹脂は機械的強度、寸法精度が優れており、ランプ及び同周辺部品等の電装品やサンルーフ、ドアミラーステイ等の外装品用途が主な需要先である。

GF-PET樹脂が自動車分野で採用されているのは、GF-PETの高剛性や表面外観性の良さが評価されているためである。

ダッシュインシュレータは、室内ダッシュパネル(運転席、助手席の足元付近に設置されている。)の裏に取付けられており、GF-PET樹脂で成形されている。タイヤ、エンジンノイズ(振動、騒音)や熱を吸収遮断する部品である。

また、資源リサイクル対応の観点から、使用済みのPETボトルを再利用した吸音材が開発され、ダッシュインシュレータの吸音材に使用されている。

ウィンテックポリマーは、フォグランプ、ドアミラーステイ、車載用ステレオスピーカー等の用途に供給している。

■国内市場規模推移及び予測(2002〜2006年) 

●市場規模推移及び予測(2002〜2006年) (単位:t、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 5,200 5,500 5,750 5,950 6,000
前年比 - 105.8 104.5 103.5 100.8
出所:富士キメラ総研

自動車用GF-PET樹脂市場は、電装品や外装品等の用途が主な需要先になっており、3〜4%の増加で推移する予測だが、2006年には樹脂メーカーが海外生産に移行すると予測しており、国内の伸びは低下している。

GF-PET樹脂は、ドアミラーステイ用途でPA樹脂と一部競合しており、GF-PETの高剛性、低吸水性を活かして、PA樹脂を代替しているケースが見られる。

金額ベースでは、2002年は約22億円の実績があり、2006年には約25億円に拡大すると予測している。


■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・概要
三菱
エンジニアリング
プラスチックス
アルカリ性環境下で、
耐性が優れた
強化ポリエステル
樹脂の開発
同社は成形性、強度、耐衝撃性が良好で、アルカリ性環境下で耐性が優れたポリエステル樹脂(特に、エンジン周辺の自動車部品の製造に適した強化ポリエステル樹脂)を開発している。

【開発方法】
強化ポリエステル樹脂は、熱可塑性ポリエステル系樹脂(PET、PBT)に、PA樹脂、オレフィン系共重合体を溶融混練して開発している。ポリエステル系樹脂の優れた特性を損なわず、耐アルカリ性を大幅に改良した樹脂である。強化充填材には、ガラス繊維が用いられている。

【強化ポリエステル樹脂の用途】
コネクター、ディストリビューター部品、イグニッションコイル部品等の自動車エンジン周りの自動車部品。


■参入企業とメーカーシェア(2002年)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
Dupont 36
東洋紡績 23
三菱エンジニアリングプラスチックス 22
ウィンテックポリマー
FR-PET®
15
その他 4
合 計 100
出所:富士キメラ総研

Dupontは「ライナイト」のブランド名で、自動車用GF-PET市場をリードしている。高い表面外観、高耐熱性、高衝撃特性、寸法安定性を訴求して、自動車用外装部品の樹脂化を推進している。

■今後の動向

GF-PET樹脂は、自動車部品樹脂化の進展に伴い、金属、熱硬化性樹脂からの代替需要が見込まれ、今後も堅調に推移すると予測している。

参考文献:「2003年 自動車用高分子材料の現状と将来展望」」
(2003年10月29日:富士キメラ総研)

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