自動車用ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂の市場動向

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国内自動車用高分子材料市場
国内自動車用高分子材料の市場規模を2006年まで予測 (総論)
[汎用エンプラ]
(自動車用) 
ポリアミド(PA)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)
ポリアセタール(POM)
ポリカーボネート(PC)
変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)
GF強化ポリエチレンテレフタレート(GF-PET)
[スーパーエンプラ]
(自動車用) 
ポリフェニレンサルファイド(PPS)
ポリアリレート(PAR)
液晶ポリマー(LCP)
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)
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■自動車分野におけるポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂の市場概要

ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂は、硫化ソーダとパラジクロロベンゼンとの合成によって得られる、結晶性のスーパーエンプラである。耐熱性が極めて高く(荷重たわみ温度が260℃以上)、機械的強度、剛性、難燃性、電気的特性、寸法安定性、耐クリープ性が優れている。

スーパーエンプラの中では、諸特性が良好で比較的低価格であることから、PPSの需要量はコンスタントに増加傾向にある。

自動車分野における国内PPS市場は2002年で7,000t、国内総需要量に対して35%占めており、電気・電子用途の50%に次ぐ用途となっている。


■用途動向

用途先 販売量
ウェイト(%)
主な採用部位
電装品 90 スイッチ(ニュートラルスタータースイッチ)、オルタネーター部品、コネクター、センサー類、ヒューズケース、ランプリフレクター、ECUケーブル、ランプソケット
機構部品 10 排ガスコントロールバルブ
出所:富士キメラ総研
PPSは、当初自動車のエンジン周辺部品に採用されていたが、その後、自動車エレクトロニクス化の進展に伴い、特に、電装品用途の拡大が顕著である。

近年、高耐熱性が要求されるエンジンルーム内の自動車部品、ランプリフレクター、ECUケーブル向けの需要が拡大している。

東ソーのPPSは、電装部品(オルタネーター部品、ヒューズケース、コネクター等)、エンジン周辺部品(ウォーター・ポンプ、排ガスバルブ等)用途で市場開拓を行っている。

今後は、アンチロックブレーキシステム関連部品、エアバッグ部品等への採用が進み、ハイブリットカーや電気自動車の分野にも市場が拡がっていくと予測されている。

■国内市場規模推移及び予測(2002〜2006年) 

●市場規模推移及び予測(2002〜2006年) (単位:t、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 7,000 7,500 8,000 8,500 9,000
前年比 107.1 106.7 106.3 105.9
出所:富士キメラ総研

2002年は7,000tの実績があり、2004年以降は年率6〜7%の市場成長率が予測されている。また、2006年は9,000tに拡大(2002年比1.29倍)する見通しである。

金額ベースでは、2002年は62億円の実績があり、2006年は約81億円と予測している。


■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 製品・技術概要
東海ゴム工業 「自動車用燃料ホース」を開発 【PPS樹脂の応用製品】
同社は、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)の、約10倍燃料バリア性があるPPS樹脂を使用して、ガソリン、アルコール混合ガソリン、ディーゼル燃料用のホースを製品化した。

【燃料ホースの特徴】
同燃料ホースは、PPS樹脂にアミン変性NBR等を混合して燃料低透過層を形成することによって、燃料低透過性を実現している。この燃料低透過層の内周は、酸変性樹脂を用いて内層を形成しているため、内層と燃料低透過層において、層間接着性が向上している。
豊田合成 天然ガス自動車向けの「樹脂製燃料タンク」を開発 同社は、金属製タンクよりも大幅に軽量化した、天然ガス自動車向けの樹脂製燃料タンクを開発した。燃費の向上、 動力性能の向上、積載量確保の面等から、より軽量な燃料タンクの開発が望まれていた。樹脂製燃料タンクは樹脂ライナーの部位に、PPS樹脂をゴムでアロイ化した新材料が採用されている。金属製燃料タンクと同等のガスバリア性を確保し、独自のライナー用樹脂材料、口金と樹脂の接合構造等を開発している。

■参入企業とメーカーシェア(2002年)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
大日本インキ化学工業(DIC:PPS 51
ポリプラスチックス 29
東レ、その他 20
合 計 100
出所:富士キメラ総研


大日本インキ化学工業が市場をリードしている。同社は豊富な商品グレードを展開し、幅広い用途開発がトップシェアの要因である。

呉羽化学工業はポリプラスチックスにニートレジンを供給しており、ティコナ(ポリプラスチックスの親会社)と呉羽化学工業との企業連合を形成。呉羽化学工業は錦工場においてPPS樹脂の増設計画を持っている。

東レは東海工場において、年産1万t規模のPPS樹脂増設計画を発表している。

その他のメーカーには、東ソー、出光石油化学があげられる。

■今後の動向

自動車分野のPPS樹脂市場は、その耐熱性、耐薬品性、機械特性及び低コストであることが評価されており、当該市場は今後、電装品需要を中心として需要拡大(高い伸長率による)が予測されている。

参考文献:「2003年 自動車用高分子材料の現状と将来展望」
(2003年10月29日:富士キメラ総研)

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