ポリアミド9T(PA9T)コンパウンドの市場動向

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プラスチックコンパウンド市場
プラスチックコンパウンドの市場規模予測(2002〜2008年)(総論)
[汎用エンプラ]
ポリカーボネート(PC)
ポリブチレンテレフタレート(PBT)
ポリアミド6(PA6)
ポリアミド66(PA66)
変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)
ポリアセタール(POM)
GF-PET樹脂
[スーパーエンプラ]
ポリフェニレンサルファイド(PPS)
液晶ポリマー(LCP)
ポリアミドMXD-6 (PA-MXD6)
フッ素樹脂
ポリアミド9T(PA9T)
■ポリアミド9T樹脂とポリアミド9Tコンパウンドの市場概要
ポリアミド9T樹脂は、クラレが独自モノマーのノナンジアミンを使用し、世界で初めて工業化した高耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ(R)」である。

ジェネスタは、芳香環と高級脂肪族鎖からなる半芳香族ポリアミドで、耐熱性(融点が306℃)、低吸水性、摺動性、耐薬品性等の優れた特徴を持っている。

ポリアミド9T樹脂は、電気・電子部品分野では、携帯電話、パソコン、スマートメディア、カードコネクタ用途を中心に使用されており、鉛フリーはんだに適応した高耐熱性のスーパーエンプラである。

●ポリアミド9Tコンパウンドの市場規模推移及び予測
(2002〜2008年:コンパウンドベース) (単位:t、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
2007年
予測
2008年
予測
販売数量 850 1,350 2,250 11,500 3,000 4,000 4,500
前年比 158.8 166.7 133.3 116.7 114.3 112.5
出所:富士経済
ポリアミド9Tコンパウンドは、SMT(表面実装技術)対応の耐熱樹脂の需要増を受け、2003年以降拡大傾向で推移している。

自動車分野の需要拡大が2004〜2005年にかけて本格化することに対応して、クラレは2003年に大幅な生産設備の増強を図っている。

2002年のポリアミド9Tコンパウンド市場は、数量ベースでは850t、金額では8.5億円の規模である。2008年の同市場は、45億円(2002年比5.29倍)に拡大する見通しである。

●コンパウンドと非コンパウンドの需要構成(2002年:コンパウンドベース)
(単位:t、%)
  コンパウンド 非コンパウンド 合 計 備考(コンパウンドの対象)
需要量 850t 0t 850t ポリアミド9TはGF強化、難燃+GF強化グレードが挙げられる。全てコンパウンド製品である。
ウェイト 100.00% 0% 100.00%
出所:富士経済
■コンパウンド形態と需要構成(2002年:コンパウンドベース)

コンパウンド形態 販売量ウェイト(%)
GF強化+難燃 94
GF強化 6
合 計 100
出所:富士経済
電気・電子分野で用いられている難燃+GF強化グレードが、95%近いウェイトを占めている。

GF強化コンパウンド(非難燃グレード)は、自動車分野に採用されており、今後、需要拡大が見込まれる。

●用途別需要動向(2002年:コンパウンドベース)
コンパウンドの用途 販売量ウェイト(%)
電気・電子分野 94
自動車部品分野 6
合 計 100
出所:富士経済
ポリアミド9Tコンパウンドは、鉛フリーはんだ化に伴う高温リフローへの対応ニーズを反映し、耐熱性や低吸水性、寸法安定性の特性を活かしながら、SMT材料(SMTスイッチ、SMTコネクタ、SMTリレー等)として、需要が拡大している。

自動車分野の需要は、新素材の採用までに時間を要することもあり6%にとどまっている。
2004〜2005年頃から耐熱性、高摺動性を活かしエンジンルーム内のベアリングリテーナー、ラジエーター部品等、自動車部品への採用が拡大している。

■製品開発・技術動向

企業名 製品名 製品・技術の特徴
クラレ 耐熱性ポリアミド樹脂
ジェネスタ(R)」(PA9T)
「ジェネスタ」は、クラレが工業化した独自モノマーであるノナンジアミン(炭素数9のジアミン)を使用したポリアミド樹脂(PA9T)である。

【ジェネスタの製品特性】
高温環境下でも強度・剛性の低下が少なく、ウエルド強さやリサイクル性も優れており、SMT材料としてはバランスのとれた性能を持っている。
ポリアミドの中では最も吸水率が低く、高耐熱性があるため、吸湿時及び加熱時において寸法安定性が優れている。
流動性が高く薄肉成形が可能である。
結晶化速度が速く、冷却時問短縮によるハイサイクル成形が可能である。ポリアミド9Tコンパウンドは、PA9T樹脂にガラス繊維や難燃剤等を配合し、物性・機能を強化した形態で製品化されている。

■参入企業とメーカーシェア(2002年:コンパウンドベース)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
クラレジェネスタ(R) 100
合 計 100
出所:富士経済
ポリアミド9T樹脂は、クラレ西条(株)(愛媛県西条市)が生産している。2003年から同樹脂の生産設備を増強しており、2004年には3,000t/年の生産体制で本格稼働している。

クラレは、ポリアミド9Tコンパウンドの生産を、国内、海外(中国)に生産工場を持つコンパウンドメーカーに委託している。

■今後の動向

今後の市場展開のポイントは、各需要家のコンパウンドニーズを把握し、柔軟に顧客対応していくことである。用途としては耐熱性や摺動性の特性を活かし、自動車分野への拡大を図っている。

海外市場の展開では、北米やヨーロッパへの進出を注目している。

参考文献:「2003年 プラスチックコンパウンド市場の全貌とグローバル戦略」
(2003年3月17日:富士経済)


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