携帯電話用プラスチックレンズの市場動向

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プラスチックレンズは、1950年代後半カメラのファインダー用に一部使用され、その後1980年代にCDプレーヤーの光ピックアップ用対物レンズ(非球面レンズ)への採用から、本格的な適用が始まっている。

■携帯電話用プラスチックレンズにおける高分子部品・材料の概要

3枚の球面レンズを1枚の非球面レンズに置き替え、回折限界性能を必要とするプラスチックレンズの性能・機能の向上が可能となったことから、非球面プラスチックレンズに関心が高まり、その後光ディスク用レンズをはじめ様々なレンズに応用範囲が広がっている。

11万画素ではプラスチックレンズ1枚で対応、30万画素クラスは同2枚で対応、SXGA(131万画素)では3枚レンズ(1枚はガラス素材)が使用されている。高画素化に伴い、小型化を保ったままで3〜4枚レンズによる技術的見通しは既に確立している。

レンズ以外には、プリズム、ミラー、平板素子(導光版等)、回折素子等にもプラスチック材料の採用が増えている。本稿は、成長が著しいカメラ付携帯電話用レンズを対象としている。

■用途動向(2002年世界需要ベース)

用途名 販売量ウェイト(%) 具体的用途例
カメラモジュール 100 CIF用、VGA用、SXGA用
合 計 100  
出所:富士キメラ総研

携帯電話用のレンズは、画質の性能によってレンズの使用枚数が異なり、CIF用は1枚、VGA用は2枚、SXGA用は3枚使用されている。

SXGA用は3枚のレンズのうち、1枚はガラスレンズが使用されている。これはプラスチックレンズだけでは、高画質が表現できないためである。

携帯電話用カメラは11万画素(CIF)から始まり、2002年に30万画素(VGA)が投入され、2003年には100万画素、そして131万画素、さらには200万画素へと進展している。画素数の上昇に伴い、その要求性能を引き出すレンズの高性能化が必須となり、レンズメーカー各社が研究開発を進めている。

■世界市場規模推移(2002〜2006年)

●市場規模推移及び予測 世界需要ベース (単位:千個、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 28,000 143,000 210,000 365,000 520,000
前年比 510.7 146.9 173.8 142.5
出所:富士キメラ総研

2002年の携帯電話用プラスチックレンズ市場は2,800万個、25億円であり、2006年は5億2,000万個(2002年比18.6倍)と、急激な拡大を予測している。

カメラ付携帯電話市場は、J-Phone(2003年10月1日、ボーダフォン(株)に社名を変更)の写真添付メールサービスに対応する携帯電話が2001年に登場し、プラスチックレンズ市場も同様に立ち上がった。

2002年はNTTドコモ、auにおいて、カメラを搭載した携帯電話が投入され急速に市場は拡大している。

■採用素材動向(2002年世界需要ベース)

プラスチックレンズの製造に用いられる光学樹脂材料は、1990年代初頭、PMMA、SAN(スチレンアクリロニトリル)、PC、PS、PCHMA(ポリシクロヘキシルメタアクリレート)等に限定されていた。

プラスチックレンズ用光学樹脂材料は、従来4〜5種類の樹脂に限られていたが、近年アクリル系樹脂、非アクリル系樹脂をはじめ20種類以上に拡がっている。

光学レンズ用材料には、従来から透明なアクリル系樹脂が使用されてきたが、非アクリル系材料が、レンズとして必要な特性をアクリル系樹脂以上に備えてきていることから、光学レンズの中で非アクリル系材料のシェアを伸ばしている。

■プラスチックレンズの長所・短所(vs光学ガラス)

長所 短所
非球面レンズの実現(性能向上等)が容易。
大量生産が可能で、コスト低減ができる。
表裏同時加工が可能。
軽量化が可能。
耐衝撃性が高い。等
利用可能なプラスチック材料の種類が少ない。
高屈折率材料が無い。(多くは1.6以下〜1.7程度)
温度による屈折率の変化が大きい(ガラスの10倍程度)。
線膨張係数が大きい。 等
プラスチックレンズの弱点をカバーしながら、長所を最大限に生かして利用されている。

■参入企業とメーカーシェア(2002年世界需要ベース)

メーカー名 販売量ウェイト(%)
エンプラス 16
マイルストーン 15
セキノス 11
関東タツミ電子 10
その他 48
合 計 100
出所:富士キメラ総研

2001年はマイルストーンがトップであったが、2002年のトップはエンプラスに変わっている。

セキノスのプラスチックレンズは品質が良く評価が高い。

2003年は2枚使用のレンズ市場が立ち上がり、富士写真光機、コニカ等の台頭を予測され、大幅なシェア変動を予想している。

■今後の動向

カメラ付携帯電話は日本国内市場が先行している。

今後の携帯電話市場は、液晶パネルのカラー化が浸透していくと共に、欧州、中国、韓国等においては、ハイエンドの機種にカメラの搭載がはじまると見ている。

携帯電話用プラスチックレンズ市場は、カメラ付携帯電話の世界的な普及に伴い、プラスチックレンズの長所を生かしながら、今後急速に拡大していくと予測している。

参考文献:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2003年8月21日:富士キメラ総研)


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