フレキシブルプリント配線板(FPC)用フィルムの市場動向

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フレキシブルプリント配線板(FPC)は、銅箔とフィルム状の絶縁材料(ベースフィルム)を貼り合わせた構造になっており、薄く、曲げられることを特徴とした配線板である。

■フレキシブルプリント配線板用フィルムにおける高分子部品・材料の概要

FPCのベースフィルムには、PI(ポリイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、LCP等の(汎用、スーパー)エンプラフィルムが使用されている。

現状ではハンダ加工が可能な耐熱性を有し、機械的特性や電気的特性が良好なPIフィルムが主に採用されている。

■用途動向(2002年世界需要ベース)

用途名 販売量ウェイト(%) 具体的用途例
AV・通信機器、家電 53 携帯電話、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、他
OA機器 28 HDD、LCD、プリンタ、他
カメラ 6  
その他 13  
合 計 100  
出所:富士キメラ総研

AV・通信機器、家電用途の販売量が最も多く、特に携帯電話用途は高機能化を背景に高い伸びを見せている。HDD、LCD、プリンタ等は、引き続き安定需要が見込まれる。

携帯電話は2つ折り仕様、カラーTFT-LCD仕様、カメラ付き仕様等、高機能化が進んでおりFPC需要が急増している。また欧州・アジア地域におけるカラー化の進展は、FPCフィルム需要拡大の成長要因になっている。

■世界市場規模推移(2002〜2006年)

●市場規模推移及び予測 世界需要ベース (単位:t、%)
  2002年 2003年
見込
2004年
予測
2005年
予測
2006年
予測
販売数量 1,410 1,780 2,160 2,550 2,950
前年比 126.2 121.3 118.1 115.7
出所:富士キメラ総研

2002年のFPC用フィルム市場は1,410t(175億円)であり、2006年は357億円に拡大すると推定している。

FPCのアプリケーションであるハードディスクドライブやパソコン需要は低迷しているが、カメラ付きや2つ折り、カラーTFT-LCD等の携帯電話需要が拡大しており、DSC、DVD等のAV機器も好調なことから、2003年以降2桁の伸長率が予側されている。

国内と海外需要(数量ベース)の比率は、71対29で国内需要が上回っている。

■採用素材動向(2002年世界需要ベース)
FPC用ベースフィルムの樹脂別使用量は以下の通りである。
構成部材名 使用樹脂 使用量(t) 構成比(%)
ベースフィルム ポリイミド 1,360 96.5
PEN、LCP 50 3.5
合 計 1,410 100.0
出所:富士キメラ総研

PIフィルムは耐熱性や寸法安定性、誘電特性等が優れていることから、使用量が圧倒的に多くなっている。

コスト面や寸法安定性の面で優位なPEN(ポリエチレンナフタレート)、吸湿膨張係数が小さい等の特徴を持つLCP(液晶ポリマー)が採用されているが、その使用量は一部に留まっている。

PENフィルムは、帝人デュポンフィルムが「テオネックス」ブランドで生産し、LCPフィルムはクラレがFPCのベースフィルム用途に供給している。

■研究開発・技術動向

企業名 技術開発 開発・技術概要
日立化成
ポリマー
フレキシブルプリント配線板(FPC)用接着剤組成物を開発。 FPCの製造工程で使用する接着剤には、難燃剤としてハロゲン系化合物が使用され、現状ではリン系難燃剤を使用する手法が主流である。
しかし、リン系難燃剤を含む樹脂組成物は吸水率が高くなり、その絶縁信頼性がかなり疑問視されているのが現状である。従って、リンフリーで耐燃性に優れた材料の出現が要望されている。

同社は、カルボン酸を官能基として含有するアクリルゴム、シラン変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、無機充填剤、硬化剤を所定の割合で配合することによって、リンフリーで耐燃性を示し、常態はく離接着強さ、プレス加工性等に優れたFPC用接着剤組成物を開発した。

また、ポリイミドフィルム上に同接着剤組成物を塗布し、有機溶剤を乾燥すればカバーレイの成形が可能である。

■参入企業とメーカーシェア(2002年世界需要ベース)

メーカー名 販売量シェア(%)
東レ・デュポン 42
カネカ 28
デュポン 23
宇部興産 4
その他 3
合 計 100
出所:富士キメラ総研

デュポングループが市場の65%を占有している。東レ・デュポンはFPCの需要増に対応して、PIフィルム「カプトン」の増産を行なっている。

2位のカネカ(2004年9月1日より鐘淵化学工業から社名変更)も、PIフィルム「アピカル」の増産を行なっており、国内生産能力は年産1,800tから600t増強して、2,400tに引上げ、カネカハイテックマテリアルズ(米国の生産拠点)の200t/年と合わせて、2,600t/年体制を2005年秋に確立する計画である。

■今後の動向

最終製品の携帯電話やPC等の軽量・小型・薄型化、高機能化を背景に、FPC需要が増加している。今後もFPC用PIフィルム需要は高い伸びを示しながら市場拡大を予測している。

参考文献:「2003年 エレクトロニクス高分子材料の現状と将来展望」
(2003年8月21日:富士キメラ総研)


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